ソニー、マイケル・ジャクソンのカタログの株を購入 12億ドル以上の価値と算定

少なくとも6億ドルの価値があるとみられるこの取引には、出版権とレコーディング素材のカタログが含まれる

一人のミュージシャンの音楽資産としては史上最大の価値が見込まれるものについて、ソニー・ミュージック・グループは議論を終え、マイケル・ジャクソンの出版権とレコーディング素材のカタログの半分を購入する。これらの音楽資産の価値は12億ドル以上であると算定されたという。15億ドルかもしれないとの声もある。こうした算定に基づき、ソニーは伝説級の権利に対して少なくとも6億ドルは支払うだろう。

このことは、この取引(昨年末に成立)は、現在クイーンが求めている12億ドルという価値を上回る算定額に基いた取引であるということを意味している。クイーンの算定額はマスターと出版権からのロイヤリティに、フレディ・マーキュリーの伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」やクイーンの音楽を使用している演劇作品なども含まれているが、ソニーとマイケル・ジャクソン・エステートとの今回の取引にはブロードウェイ作品やジャクソンの楽曲を使用する演劇作品のロイヤリティは含まれていない。

しかしながら、これは今回の取引がジャクソンの音楽だけということではないかもしれない。情報源によれば、現在の取引はMijacの出版カタログにあるジャクソン作品以外のものも含まれているという。およそ250曲のスライ&ザ・ファミリー・ストーンの出版カタログや、ジェリー・リー・ルイス、ジャッキー・ウィルソン、カーティス・メイフィールド、レイ・チャールズ、パーシー・スレッジ、そしてディオンらのアイコン的楽曲である。

昨年2月、交渉が行われているとのVarietyの第一報を受け、ビルボードはジャクソンが残した資産は年に7500万ドルを稼いでいると推定した。これらの資産にはマスター音源やジャクソンの楽曲に対する彼の持分の出版、Mijac出版カタログ、ジャクソンの楽曲を使用した演劇作品のグッズ収入やロイヤリティが含まれていた。当時ビルボードは、7500万ドルの試算のうち、レコーディング素材や出版権だけで4720万ドルをもたらしていると推定した。そして、Mijacは500~800万ドルを一年間にもたらしている可能性がある。

しかしながらこの試算は、ストリーミングの市場の拡大に伴いジャクソンの人気が高まっていることを考慮していない。

ジャクソンの楽曲のセールスやストリーミングはアルバム相当で107万枚(2020年)から147万枚(2023年)と3年間で37%着実に増加している(Luminateによる)。これは、アルバム・セールス単位でのアメリカの音楽市場全体(22.9%の成長)を上回るものだ。アメリカ以外では、ジャクソンはさらに人気がある。2023年、彼の音楽の消費量は38.3%増加し、オンデマンド・ストリーミングで2021年のストリーミング数47億回から65億回へ増加している。

来年、Michaelと題された伝記映画が公開される。彼のファンの基盤は強化され、消費は増加し、彼の資産やその他の権利所有者たちへの収入増加をもたらすだろう。

ジャクソンが遺した資産がもたらすこれらの利益により、主導する弁護士ジョン・ブランカとA&Rの重役ジョン・ブランカは共同執行人として関与し続けることが見込まれている。

情報源によれば、今回のソニーとの取引では、10%と見られるPrimary Wavwが所有するジャクソンの出版権に対する権利はそのままとなるという。

ここ数年間でソニーは、主要な契約でマイケル・ジャクソン・エステートに対して20億ドル以上を支払っており、これはレコードや楽曲に対するロイヤリティ配分を超えている。1991年ソニーは、のちのソニー/ATVとなるものに対しその半分を購入するために1億ドルを支払っている。ATVミュージックはジャクソンが1985年に購入したもので、ビートルズやその他の人気楽曲を保有していた。これがソニーの音楽出版の業務と統合されてソニー/ATVとなり。ソニーとジャクソンがこの会社を50%ずつ保有することとなった。2016年、ソニーはソニー/ATVの残る50%に対し7億5000万ドルを支払った。また、2018年にはEMIミュージック・パブリッシングを所有するコンソーシアムのうちのマイケル・ジャクソン・エステートの持分を2億8750万ドルで購入しているほか、所有していた期間にトータル16憶ドルとなった配当金も支払っている。そして今回の取引でさらに6億ドル以上を積み上げ、トータルの支払額が20億ドルを超えた。

ソニーは過去1年間で積極的に買収を行ってきた。昨年、ラテン系のレーベルでマネジメント会社のRimas Entertainment(バッド・バニーを売り出した)の無視できない少数と評された株式を取得したと報じられた。同レーベルとマネジメントに対する契約はトータルで3億ドルの価値があると見込まれているとされた。

2023年5月、ソニーはバリー・ウェイス、ロン・ペリー、マット・ピンクスからレコードカタログを取得し、1億ドル以上を算定された取引でペリーとピンクスの会社を買収した。そしてその後ウェイスとは50%ずつとする契約を進めた。ウェイスはカタログの主導権は維持している。

Source:Billboard.com
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