フリードマン:サンダンス・レビュー:ライオネル・リッチー、マイケル・ジャクソン、クインシー・ジョーンズら44人のスーパースターがいかにして「We Are the World」とともにポップ史上もっとも偉大な夜を作り上げたか

私はサンダンス映画祭にいるわけではない。親切にもNetflixが私にリンクを送ってきた。バオ・グエンの「The Greatest Night in Pop」へのリンクである。試写会では今まさに盛大なスタンディング・オベーションを受けているのは間違いない。「We Are the World」が39年という月日をどのように歩んできたかを描くこのドキュメンタリーは素晴らしいエンタテイメントであり、あなたは涙が止まらないだろう。私と同年代でこの歌が出来上がるのを見ていた人々は、自分の時代にすでに、ポピュラー・ミュージックの頂点に到達していたということを実感する。

こんなストーリーは知っている、と思ったとしても、グエンとプロデューサー陣は、ライオネル・リッチーとマイケル・ジャクソンが曲作りをしている様子などのレアで観たこともない映像をたくさん発掘しているのだ。

これは、ライオネル・リッチーのマネージャーだった故ケン・クレーゲンが(ボブ・ゲルドルフに触発されて)、エチオピア等の大飢饉に光を当てるスーパースターのシングルを創るというアイディアをいかにして思いついたのかというストーリーだ。年は1985年。議論はあるかもしれないが、この年は私たちの人生のサウンドトラックの最盛期であった。本編でリッチーが振り返っているように、彼らはすぐに曲作りを手伝ってもらうべくスティーヴィー・ワンダーに電話をかけた。彼は間に合わなかった、だからリッチーとクインシー(二人はマイケル・ジャクソンと3枚のヒットアルバムを作っていた)は共同での曲作りのためキング・オブ・ポップを訪ねた。当時ジャクソンはまだクリアなイメージで訴求力があった。チンパンジーのバブルスや蛇を両親の住む家で飼ってはいたが、エキセントリックさは知られていなかった。本編でのジャクソンの登場とその素晴らしいボーカルにファンは絶対に喜ぶだろう。

アメリカン・ミュージック・アワード(リッチーがホストを行っていた)後にハリウッドで一夜限りのレコーディング・セッションを行うためにできるだけ多くのスターを集めるというアイディアである。だからライオネルは曲を共同で作り、クインシーとマイケルがレコーディングを進めるのを手伝った。そして一晩中ステージで仕事をしたのである。当時、アメリカン・ミュージック・アワードは有名人たちがあつまるに相応しいイベントだった。だから彼らをA&Mスタジオに連れてくることはベストの考えだったのである。アシスタントや広報は同伴を許されず、撮影クルーだけだった。そして46人のスーパースターである。

ハリエット・スターンバーグ(映像中に必要な歴史を提示)とラリー・クラインらのプロデュースによる映像で、グエンは多くの人々が記憶しているドラマチックなストーリーを組み立てているが、クリフハンガー(続きが気になるような)を感じさせるような作りになっている。スティーヴィーがようやく現れ、制作のボスのようになってゆき、ボブ・ディランやポール・サイモンのようなアイコンたちを指導する。あるところでは誰かがレイ・チャールズをトイレに連れていったことを思い出す。「それは文字通り盲人を導く盲人であった」。シンディ・ローパーが歌っている最中にジュエリーが音を立てていることを指摘されみんなで笑っているという有名なシーンも出てくる。

スティーヴィーは先住民の言葉を曲中に入れたがった。彼はスワヒリ語を提案した。そのことでカントリーのスター、ウェイロン・ジェニングスが出て行ってしまう。彼は戻ってこなかった。だが残った者たちはへとへとになっても耐えた。有名だが、クインシーはサインを掲げた。それには「エゴは入り口で預けること」と書かれていた。そして全員がそれを実行した。天才ドラマーのシーラ・Eでさえも。彼女は本作で、その場にいられたことはハッピーだったがプリンスをスタジオへ呼ぶために使われたと感じていたと語っている(プリンスは来なかった)。

クレーゲンは「USA for Africa」というチャリティーを立ち上げた。これはエチオピアへ何億ドルも届けた。「Live Aid」や「Farm Aid」といった多くの同様の団体や曲がこれに続いた。大変多くのチャリティー・シングルがスターたちによって歌われ、バラエティ番組「Saturday Night Live」がパロディーにしたほどだ。2010年、私はレコーディング25周年イベントに参加した。これにはバーブラ・ストライサンドやグラディス・ナイト、アダム・レヴィーン、ボブ・トーマスなど大勢が出席した。とても感動的な経験だった。だが、「We Are the World」が作られた歴史的瞬間とは比べるべくもない。

これはスターたちによって作られたものだ。ティナ・ターナー、ヒューイ・ルイス、ディオンヌ・ワーウィック、ブルース・スプリングスティーン、アル・ジャロウ、スモーキー・ロビンソン、ダイアナ・ロスなど。それぞれがボーカルの力がピークだった。でもそれはライオネル・リッチー(クレーゲンやジャクソンより長生きしている)次第だった。このストーリーを語るには。そしてクインシー・ジョーンズ。あるプレイヤーはオーケストレーションだけでなく、「精神医であった」と称賛する。ひとを魅了するこの夜を不朽のアートへと紡いだのはクインシーなのだ。

「The Greatest Night in Pop(邦題:ポップスが最高に輝いた夜)」は1月29日にNetflixで配信が開始される。若いオーディエンスは、音楽業界の栄光について多くを学ぶことになるだろう。ある世代の人々、たくさんのことを思い出す人々、みんなが若く見える人々はこれがさらにほろ苦い経験となるだろう。
fc2blog_2024012402083973a.jpg

Source: showbiz411.com
関連記事