MJの寝室にあったもの(あるいはなかったもの)の真実(その1)

亡くなって7年となるマイケル・ジャクソンを世界が偲んでいる中、未成年者性的虐待容疑での2004年の起訴につながった、2003年のネバーランド家宅捜索で発見されたとされる"物議をかもす"児童ポルノに関する大量のネガティブな情報が飛び交った。高い注目を集めたあの裁判は、2005年に14のすべての容疑についてジャクソンが無罪という結果に終わった。問題は、当の警察文書およびネバーランド押収品のリストは、一部のメディアがわいせつな見出しを大げさにつけて主張をしているような「新しく」「最近明らかになった」文書ではないということである。

これらの押収品はすべて、2005年の裁判の法廷で検討されたものである。検察側も弁護側も承知しているもので、メルヴィル判事や陪審員へも提示されたものだ。ネバーランドからの押収品で法的に児童ポルノに該当するものは一点もなかったし、現在のメディア・ヒステリーの元となっている押収品はポルノではまったくない。合法なアートブックである。一部には成人向け内容を含んでいるものもあるにはあるが、ポルノあるいはわいせつとみなされるようなものは1冊もない。ただし、ジャクソンがポルノをまったく所有していなかったというわけではない。大量の大人のポルノが押収されたが、ジャクソンは成人でありこの類のポルノを所有することは違法ではない、というのが事実である。ジャクソンに対する「決定的証拠」を欠いた状態で、蔵書の一部としてジャクソンが所有していた合法のアートブックを検察は必死になって証拠として掲げていたのである。絵画や写真に関する1万冊以上の蔵書であり、そのテーマは歌詞や映像製作のヒントとして彼が関心を持っていたものだ。元の警察の報告書に記載されている通り、これらのアートブックはポルノではないと明記されている。「調教」のために「使われうる」と書かれているのだ(ただし、これとて検察が法廷で証明しえた主張ではないということに注意)。次に、サンタバーバラ郡保安官事務所は、Rador Onlineが引用した文書の一部は元の文書にない写真が使われおり捏造されている、こうした写真は「インターネットから流用したもののようだ」、との声明を発表している。今回のストーリーはタブロイドを通じて山火事のごとく広がった。まっとうな大手メディアでさえ、話の出所や内容が事実かどうかチェックするということを決して行わない。したがって私たちは、著名人に対するこのようなでっち上げのストーリーを広げるという点でメディアがどのように作用するのかという点を立ち止まってよく考えなければならない。そして私たちは、有名無名を問わず、故人をこの類の中傷から守るための適切な法律がなぜ整っていないのかという厳しい疑問をぶつけなければならない。

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ジャクソンのアートブックや成人向けの本が証拠として認められたことを示す裁判所文書。報告書中のアイテム・リストが全て法廷で使われたことを示す証拠である。

だがその前に、現在飛び交っているこれらのゆがんだ作り話と明白なウソを粉砕することからはじめよう。私はこの7年間、マイケル・ジャクソンを専門に研究してきた。1993年のジョーダン・チャンドラー示談や2005年に起こされた裁判について、内側も外側も研究してきた。

最初に考えなければならないのは、報じられた報告書の中の情報や記述は新しいものでも「最近明らかになった」ものでもないということである。2004年に起訴手続きと大陪審が始まった時点で検察側と弁護側の双方が承知していたものだ。実際、現在大々的に報じられている情報は、大陪審審理が終了した後にリークされて流布されたもので、ジャクソン側の弁護士が声明を発表する事態となった。声明はメゼロウ弁護士だけでなく検察側やメルヴィル判事も認める内容であり、児童ポルノは発見されなかったと完全に認められたのである。続いてジャクソンからの公式声明が発表され、その中で彼は、大陪審手続きでリークされた情報について具体的に取り上げた。大陪審手続きにおいては検察側は反対尋問なしに自分たちの主張を全て提示でき、証拠として取り上げられる可能性のあるもの全てを提示して議論する証拠開示手続きが行われるということは留意する価値がある。
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トーマス・メゼロウの宣誓陳述書と2004年にジャクソンが発表したマスコミ向け声明は、大陪審で審理されたアイテムがマスコミにリークされたことを受けてのもの。全ての押収品、証拠になりうるアイテムについて検察が取り上げている。これらの「アイテム」には、今回のメディア狂乱の元となったアートブックも含まれている。



結局、これらの書籍類の多くは証拠として認められないとして却下された。誰でも合法的に購入できる商業的なアートブックだからである。証拠能力があるとしてこれらの書籍が挙げられたのは、ポルノだからということではなく、ジャクソンが調教用に使用していた「可能性がある」という自分たちの議論を支持する可能性があると検察が考えたからだ。そして検察側は、ジャクソンの男性に対するある種の嗜好についても証明しようとしていた(書籍類の中には男性ヌードが掲載されているものがあったためである。しかしながら、これらは大人の両性の性愛を取り扱った普通の本であった)。「サディズムとマゾヒズム」の本は成人向けの内容を扱った成人向けの本だが(例えばマドンナの「Sex」という本は、90年代初期に彼が購入したことで知られている)、これらの本は法的な児童ポルノの定義には当てはまらない。このことは、ジャクソンの合法成人ポルノ・コレクション(こうした本は独身男性にとっては異常とは言えない。むしろ健康的と言っておこう)に基づいて立件しなければならないという検察にとってはむしろまずい状況をもたらした。思い出してみよう。結局彼らはジャクソンの私的住居を侵略したのだ。ネバーランドの家宅捜索で押収されたジャクソンの成人ポルノのリストは今までずっと誰でも見られる状態であり、そして1800枚以上の成人女性のヌードで構成されているものである。ここでその全リストを見ることができる。つまり、「証拠」はHustlerやPlayboy、Barely Legal、そして大量のアートブックしかない人物を児童性的虐待で有罪にしなければならないというまずい状況を必然的に検察にもたらしたのだ。忘れてはならないのは、検察側は、このような事案を有罪として簡単に解決するような「決定的証拠」とも言うべきものは一片たりとも持っていなかったということである。子供に宛てられた明白なラブレターも、性的行為を行っている彼自身や子供の写真も、子供とみだらな行為をしているビデオ・テープも、電話の録音も、ネットの「セックス・チャット」もなかった。言いかえれば、簡単に有罪とできるようなものは何一つなかったということだ。ジャクソンが10年以上にわたってFBIの監視下にあったことを忘れてはならない。報告書は最終的に何も発見されなかったと結論づけられているのである。2003年の家宅捜索で押収された16台以上のパソコンのハードディスク・ドライブからは、彼がよく閲覧していた成人向けの合法ポルノサイト(彼は「Dr.Black」や「Marcel Jackson」としてログインしていた)以外のものは何も明らかにならなかった。ゴシップネタとしてはイエス、違法かどうかで言えばノーだ。

強力な証拠を欠いた中、裁判は必然的に、原告ギャヴィン・アルヴィーゾの言葉とジャクソンの言葉の対決ということになった。それ以来、誹謗中傷として自分たちの訴訟を構築することが、地方検事トム・スネドンとロン・ゾーネンの唯一の希望となった。証拠がないところから「証拠」を作りだそうという必死の試みにおいて、アートブックが(成功しなかったが)小児性愛者の所有物の典型例にあてはまる"可能性がある"本であると議論され、合法ポルノは「調教のための道具」として議論された(これも陪審員を説得することはできなかった。特に反対尋問で、ギャヴィン・アルヴィーゾの弟のスター・アルヴィーゾが、ジャクソンに見せられたと主張している雑誌が実は事件が起きたとされる日の5カ月後に出版された号であったと認めて以降は)。

問題は、真に有力な証拠を欠いた中、ある特定の写真やアートブックで誰かの「意図」を陪審員に納得さようとすることはますます困難となっていったということである。誰かの心の中をとやかく言うことはできない。たとえ、性的満足のために合法あるいはそれ以外のものを使っていたとしてもだ。「合理的な疑い」の領域に踏み込むものであり、証明されるようなものではないのである。判事や陪審員ができることは、提示された証拠を精査し、問うことのみである。すなわち、これはポルノか?否か?そしてポルノだしたら、合法なのか?ということだ。厳密に言えば、児童ポルノではないものは法廷で採用される証拠とはなりえない。なぜなら、アートブックや合法セックス本を所持する事は、少なくともアメリカでは犯罪ではないからだ。どれほど写真が「どぎつい」かは関係ない(報道ではそれらの多くが極めて誇張されているが、一つ一つで見ていこう)。

実は6月20日付けのRador Onlineの元記事でも、これらの報告書が2003年のものであり新たな情報ではないことを認めているのである。しかし彼らは、あたかも裁判時にはなぜか日の目を見なかった「新たな漏洩」情報、あるいは「新発見」の証拠であるかのように歪曲したのである。2005年の裁判所の公式文書がこれらのアイテムは原告側被告側双方に周知であることが明記されている通り、これは事実ではない。これらの文書類の多くは、悪名高き「ポルノ・デー」として知られることとなった裁判中のある一日に、陪審員に開示されていたのである(信心深いジャクソンの母キャサリンが退廷するという道を選んだ日である)。これらは単に、ポルノではないから証拠とはならないという理由で除外されたのだ。マイケル・ジャクソンが、一個人としては最も執拗に裁判を受けさせられた一人であるということを忘れてはならない。檻に入れること、あるいはサンタバーバラ郡から永久に追い出すことが人生の野望であった地方検事がジャクソンには付きまとっていたのだ。結局彼は野望を実現したことになる。「被害者」や証拠、有名無名問わず喜んで証言する証人を地球上くまなく、納税者が納めた大金を使って探すこと、これこそが検察の仕事だった。確かに、スネドンとゾーネンは、この件に関してはたまたま愚劣な仕事をしたのかもしれない。だが、ずさんな仕事をしても、あるいはデタラメな捜査で児童ポルノの証拠を見落としたとしても、彼らは決して責められることはないのである。実際にはこれらの報告書において、見落とされたり公表されなかったものなどなく、児童ポルノではなかったということにすぎない。それは当時も、今も変わらないのである。

これは、はっきりさせておくべき重要な事実だ。なぜなら、今回の偏った報道から、問題とされている報告書は今回初めて明らかになった「ショッキングな新たな爆弾」暴露であるという印象を多くの人々が受けているからだ。それは全く事実ではない。すべては10年前の古いニュースであり、法廷で取り上げられていないものなど皆無である。すなわち、すべて証拠開示手続きを経ているものなのである。Rador Onlineはわいせつな見出しでクリックさせようと歪曲しているのだ。だがよく読めば、ほとんどが裁判で証拠開示手続き中だったころの2003年の日付の古い文書であることを認めざるを得ない。だからジャクソンが2005年に無罪を勝ち取った時点で弁護士や検事、判事、陪審員らが知らなかった新事実などないのである。メディアが一斉に言っているマイケル・ジャクソンのわいせつで「身の毛のよだつような子供のポルノ」とは、数冊のアートブックのことなのだ(すべてアマゾンで合法的に買える)。一部は成人向けに分類されるものもあるが、しかしながら、それでもポルノではないし、大人が所有することは違法ではない。受賞暦もある写真家、作家の著書も含まれている。アン・ライスはその中の一冊(Underworld)に序文を書いているが、この本が現在メディアのネタの対象となっている。

その2)につづく
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