He’s a Monster, He’s an Animal(その4)
ジョイエ:そうですよ、この曲は多くのことを語っています。じっくりと聞けば、「scary」な曲たちのほとんどはものすごく語っています。彼の生涯が彼にとってどのように感じられていたかが垣間見れるようです。このことについて考えてみても、毎日の生活の中でこんなにもじろじろ見られるということ、ましてや正常でいられるというイメージができません。結局、彼もあんな風に長い間は正常ではいられなかったという議論になるのかもしれません。
ウィラ:彼の生涯がこうだったと聞いても信じがたいものだったでしょうね。でも、「モンスター」系の曲を聞いたりショートフィルムを見れば、その一端は見られますよ。なぜなら、彼らこれらの作品の中でやろうとしたことを見れば、あのような立場にいることがどんな感じなのか、人々の恐れの標的となることがどんな感じなのかを私たちに示してくれます。
マイケル・ジャクソンは人に共感する人並み外れた能力がありましたよね。インタビューでもそうですが、作品の中にもそれを見ることができます。彼がある状況を理解しようとする時にまず最初にすることは、他者の視点からそれを見るということです。私たちはそれを何度も見ています。「Dirty Diana」では、あるグルーピーが彼を手玉に取ろうとします。でも彼女を単に拒んだり、ロック・スターたちがするように彼女を使いそして別れるというのではなく、彼は彼女の視点から見ることで彼女を理解しようとします。彼は「scary」系の曲で似たことをしています。そこでは彼は単に攻撃者に抗するばかりでなく、攻撃者の内面に入り込み、なぜ自分をモンスターと扱うのかということを理解しようとしています。(ところで、様々な証拠に加えて、彼のこの共感の能力が、彼が子供を虐待するなんてありえないと信じる理由の一つです。共感の能力があれば、誰かを虐待するなんてできません。虐待されてどう思うか、わかりすぎるほどわかるからです)。彼は私たちに対しても、彼の視点から物事を見るように促していますね。

だから、彼の「モンスター」系の作品の解釈の方法としては、彼にとっては問題に対処し、かつ警察やマスコミ、一般の人々がなぜしつこく彼をモンスターとみなすのか、その理由を探るための芸術的な手段としてこれらの作品を見るということが一つにあります。なぜこういうことが起こり続けるのか、ということの文化的かつ心理学的な重要な理由もあります。「Threatened」で彼が言うように、「僕は地獄から来たゴーストじゃない/でも僕は君に魔法をかけた」のです。彼は私たちとは違う人、すなわち「モンスター」です。違いというものが具現化されたものなのです。これが私たちを虜にし、また怖がらせもするのです・・・これが、人々の想像力に対して彼がかけた「魔法」なのです・・・さらに、彼は私たちのことが痛いほどよくわかっていた、ということでも私たちとは違っていました。
You’re fearing me 君は僕を恐れている。
’Cause you know I’m a beast … 僕が野獣だと知っているから・・・
I’m the living dead 僕はゾンビだ
The dark thoughts in your head 君の黒い心
I heard just what you said 僕は君が言ったことを聞いた
That’s why you’ve got to be threatened by me そのことで君は僕を恐れるのさ
私たちは彼が「野獣」であること、並外れて知性的な野獣であること、「黒い心」を知る野獣であることを恐れます。私たちの理解が及ばない方法で、感情的に、心理学的に私たちを動かすことができることを恐れます。こんな恐ろしいことがありますか?だから彼は私たちにこう言うんです。「君は僕を見ているべきだ/恐れを感じるべきだ」、なぜなら彼は私たちの最も恐れていることを映し出しているから。
でも、それは本当の彼じゃない・・・彼は本当はモンスターじゃない・・・私たちの心を映すものなのです。私たちは、彼に投影することで、私たちの深い恐れを発散しているのです。
ジョイエ:そして、彼が自分自身を標的とさせていた、というのが忌まわしき事実なんですね。彼はそれを苦も無くやっていた。狂気を彼に投影することで発散させるために。それでも彼は、あのような優雅さと気品をもって、侮辱を甘んじて受けていたのです。周囲にレベルを合わせるとか、怒りにまかせて反論するということは決してせずに。それは、モンスターの態度ではまったくありませんよね?
(おわり)
ソース:Dancing With The Elephant
ウィラ:彼の生涯がこうだったと聞いても信じがたいものだったでしょうね。でも、「モンスター」系の曲を聞いたりショートフィルムを見れば、その一端は見られますよ。なぜなら、彼らこれらの作品の中でやろうとしたことを見れば、あのような立場にいることがどんな感じなのか、人々の恐れの標的となることがどんな感じなのかを私たちに示してくれます。
マイケル・ジャクソンは人に共感する人並み外れた能力がありましたよね。インタビューでもそうですが、作品の中にもそれを見ることができます。彼がある状況を理解しようとする時にまず最初にすることは、他者の視点からそれを見るということです。私たちはそれを何度も見ています。「Dirty Diana」では、あるグルーピーが彼を手玉に取ろうとします。でも彼女を単に拒んだり、ロック・スターたちがするように彼女を使いそして別れるというのではなく、彼は彼女の視点から見ることで彼女を理解しようとします。彼は「scary」系の曲で似たことをしています。そこでは彼は単に攻撃者に抗するばかりでなく、攻撃者の内面に入り込み、なぜ自分をモンスターと扱うのかということを理解しようとしています。(ところで、様々な証拠に加えて、彼のこの共感の能力が、彼が子供を虐待するなんてありえないと信じる理由の一つです。共感の能力があれば、誰かを虐待するなんてできません。虐待されてどう思うか、わかりすぎるほどわかるからです)。彼は私たちに対しても、彼の視点から物事を見るように促していますね。

だから、彼の「モンスター」系の作品の解釈の方法としては、彼にとっては問題に対処し、かつ警察やマスコミ、一般の人々がなぜしつこく彼をモンスターとみなすのか、その理由を探るための芸術的な手段としてこれらの作品を見るということが一つにあります。なぜこういうことが起こり続けるのか、ということの文化的かつ心理学的な重要な理由もあります。「Threatened」で彼が言うように、「僕は地獄から来たゴーストじゃない/でも僕は君に魔法をかけた」のです。彼は私たちとは違う人、すなわち「モンスター」です。違いというものが具現化されたものなのです。これが私たちを虜にし、また怖がらせもするのです・・・これが、人々の想像力に対して彼がかけた「魔法」なのです・・・さらに、彼は私たちのことが痛いほどよくわかっていた、ということでも私たちとは違っていました。
You’re fearing me 君は僕を恐れている。
’Cause you know I’m a beast … 僕が野獣だと知っているから・・・
I’m the living dead 僕はゾンビだ
The dark thoughts in your head 君の黒い心
I heard just what you said 僕は君が言ったことを聞いた
That’s why you’ve got to be threatened by me そのことで君は僕を恐れるのさ
私たちは彼が「野獣」であること、並外れて知性的な野獣であること、「黒い心」を知る野獣であることを恐れます。私たちの理解が及ばない方法で、感情的に、心理学的に私たちを動かすことができることを恐れます。こんな恐ろしいことがありますか?だから彼は私たちにこう言うんです。「君は僕を見ているべきだ/恐れを感じるべきだ」、なぜなら彼は私たちの最も恐れていることを映し出しているから。
でも、それは本当の彼じゃない・・・彼は本当はモンスターじゃない・・・私たちの心を映すものなのです。私たちは、彼に投影することで、私たちの深い恐れを発散しているのです。
ジョイエ:そして、彼が自分自身を標的とさせていた、というのが忌まわしき事実なんですね。彼はそれを苦も無くやっていた。狂気を彼に投影することで発散させるために。それでも彼は、あのような優雅さと気品をもって、侮辱を甘んじて受けていたのです。周囲にレベルを合わせるとか、怒りにまかせて反論するということは決してせずに。それは、モンスターの態度ではまったくありませんよね?
(おわり)
ソース:Dancing With The Elephant
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