ビデオ「Thriller」は制作中止寸前だった(その2)

ブルース言う:「マイケルはよくスタジオで踊っていましたから、私たちは彼のダンス・ムーヴについては知っていました。でもかれはこのような反響は期待していませんでした。あのパフォーマンスが、マイケルやポップ・ミュージックに対する世界の見方を変えたのです。それは彼にとって、そして完ぺき主義者であるということに対する新たな一歩だったのです」。

「フレッド・アステアが、マイケルは今世紀最大のダンサーだと言ったのは正しかったのです」。

ジャクソンのダンス・ムーヴが世界中で光りを放ち、エピックの幹部たちはこのアルバムの売り上げが好調であることに満足であった。

だが彼は、世界が見たこともないものを届けることで限界を押し広げたいと思っていた。ポップ・シングルのためのミュージック・ムービーだ。

ブルースは続ける:「マイケルはレコードと同じように映画を作りたいといつも思っていました。マイケルは完璧なストーリーのあるビデオを作りたいと思っていたのです。ミニ映画というようなもの・・・・そして彼はそれをやったのです。『Thriller』はそのための完璧な手段だったのです」。

エピックは彼の夢に乗らなかった。アルバムのセールスと成功、そして「Billie Jean」と「Beat It」のビデオという莫大なプロモーションに満足し、ビデオ「Thriller」のプロジェクトに金を出すことを拒んだ。

彼はMTVと当時MTVの幹部だったボブ・ピットナム(現Clear Channel Communications社長)を頼った。ピットナムはこう説明している。「レコード会社は『Billie Jean』と『Beat It』には金を出しましたが『Thriller』には金を出そうとしませんでした。『Thriller』が制作される唯一の道は、私たちが制作費を出すかどうかにかかっていたのです」。

「作品の制作費を払うということが私たちにとって恐ろしい前例となってしまうところでした。だから私たちがやったのは、『Thriller』のメイキングにお金を払うということでした。それを売って、その金が『Thriller』制作の費用に当てられたのです」。

「厳密に言えば、私たちはビデオ制作にお金を出してはいませんが、私たちが払ったお金はビデオのために使われました。それがビデオ制作の手段だったのです。私たちはマイケルのやることに慣れていましたが、彼はそれを吹き飛ばしたのです」。

「ミュージック・ビデオという点では、あれは私たちが見たこともないレベルのものでした。あれは音楽に関連したドラマというレベルでした。みんなに見せるのが待ち遠しいビデオでした」。

「とても楽しめるもの、そしてマイケルの最盛期でした」。

マイケルは、『ブルース・ブラザーズ』や『大逆転』といったヒット作で有名だったハリウッドの監督ジョン・ランディスを監督として起用した。

ブルース・スウェディーンは、ダンス・ムーヴに合せるために5分の曲を9分に拡張するよう頼まれた。

ピットナムは続ける。「マイケルは『狼男アメリカン』が大好きでしたが、彼はポップ・ミュージックと映画をミックスしてなにかより精巧なものを作りたかったのです。『最高なものにしなければならない』と彼はいつも言っていました」。

「マイケルは『Thriller』のボーカルを暗闇でレコーディングしました。あれは本当に怖いです。音楽というのは人生における唯一の本当のマジックですよ。私は彼のビジョンも使いました」。

「後のことですが、マイケルとクインシーはビジネスの用事を済ませるために数日間ほど空けました。彼らは私に数日間任せてくれたのです。コンソールにメモがあって、『戻る必要があったら電話して』と書いてありました。マイケルが書いた絵が添えられていました」。

「私たちは博打打ちでした。マイケルは音楽に対する世界の考え方を変えようとしていたのです。それは新しいコンセプトでした。レコード会社や他の人たちは私たちがやっていることを理解していませんでした」。

「レコード会社はまったくのバカだったんですよ。でも、私たちがそれを引き継いだのです」。

「必ず画期的な傑作になるなんて分かりませんでしたよ。感情的になるヒマなんてありませんでした。私たちはただハードに仕事をしていました。ミュージシャンのフリをしたメカニックのようなものでした」。

「マイケルは一つのビデオを作りました。それは世界に対し、ミュージック・ビデオというものはこうあるべきだと世界に語ったのです。そして最高傑作となったのです」。

数ヵ月後に「Making Of Thriller」が放映され、エピックは「Thriller」のプロモーションを、シングルとビデオの両方で強化した。

その後数週間、「Thriller」は世界中のMTVで最も放映されたビデオだった。

ピットナムはこう付け加える:「私たちはこのトータル・パッケージを後押ししたいと思いました。完成した時は、なんて事だ、マイケルは誰も見たことがない動きをする、彼にはカメラに向けてどう演じるかという生まれながらのセンスがある、という感じでしたよ」。

「そして、ビッグ・プロダクションというものが、ステージでスポットライトを浴びた男たちとギターの組み合わせというものとは対極にあるものだと見られるようになったとすれば、このビデオがコンサート・ビジネスを今ある形に転換したのです」。

「それはすべてマイケル・ジャクソンが始めたのです。ビヨンセからジャスティン・ティンバーレイク、ボーイ・バンドたちがバック・ダンサーを後に従えているのはこういうわけなのです。現在コンサートで目にするビジュアルの多くは、彼がその初めなのですよ」。

「あれは、私たちが手にした最高の贈り物だったのです。ポストMTV時代にはパフォーマーはどうあるべきか。彼はそのモデルだったのです」。

ブルースは笑う:「残念な結果になった、ということはありませんでした。『Thriller』は悪いレコードじゃない、そして少しばかり金を稼いだ。音楽業界ではあれ以降、同じものは生まれていません」。

「『Thriller』は、レコードを作るということから音楽を作るということへ私たちが移行することを可能にしてくれました。テレビを変え、ビデオを変え、エンタテイメントの形を変えたのです」。

アルバム「Thriller」はリリース以降6200万枚以上を売り上げ、ビデオはそれだけで3億ドル以上を生み出している。

ブルースは誇らしげに言う:「世界中のどこへ行ってもマイケルのことを聞かれます。彼への関心は驚異的ですよ」。

「彼は、私が友人と呼ぶことを誇りに思えるたった一人の人であり、二度と会うことが出来ないパフォーマーです」。

(おわり)

ソース:The Daily Mail Online / MJWN
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