ジョー・ボーゲル:没後4年、「Michael Jackson One」は、彼の音楽がなぜ生き続けているのかを見せてくれる(その3)

いろいろな意味で、このショーの中でジャクソンのカタログを旅するということは、社会が経てきた歴史というものの旅をするということと同じである。「Bad」では、ヒップホップの誕生やレーガン時代の破壊された都市を想起させるイメージとともに、私たちは落書きされた80年代の地下鉄の駅の中に自分自身を発見する。政治色の強い90年代のストリート・アンセム、「They Don't Care About Us」では、騒乱のイメージ・・・KKKの集会、ロドニー・キング暴行事件、エイズ被害者たち、貧困と戦争、環境破壊・・・のモンタージュに、虐待されている者たちの代弁者としてのジャクソンの荒々しく叙情的な信書が響き渡る。歌詞の一節、「If Martin Luther was living, he would not let this be!(マーティン・ルーサー・キング牧師が生きていれば、こうはさせなかったはずだ!)」が響く時、「I Have a Dream Speech」を行ったマーティン・ルーサー・キングのイメージを見るのはとりわけ強烈な瞬間だ。ワシントン大行進(訳注:1963年8月28日)の50周年記念日の翌日であったのでなおさらである。

ショーには残念な部分もある。おそらく最も弱いナンバーは「Wanna Be Startin' Somethin」だ。「Immortal」では最も強いものの一つである(「Immortal」は、全ての曲の激しさ、民族音楽的な要素、国境を越えるエネルギーをあますことなく捉えていた)が、「One」では平凡なハットジャグリングへと後退している。もう一つの残念な部分は、むしろファンタスティックな「Billie Jean」だ。他の曲・・・「Thriller」や「Bad」・・・では、期待通りの流れの中で象徴的なイメージが使われているのに対し、「Billie Jean」では、彼のキャリアを決定付けた瞬間・・・1983年のモータウン25でのパフォーマンス・・・を使わずに、90年代のジャクソンの映像が大々的に使われている。

しかしこれらは、ただ単に見せるという点においてばかりではなく、ジャクソンの芸術的才能の天才さ、深さ、幅というものに観客がどっぷりとハマるという点において驚異的に成功を収めているショーにとっては些細なことである。「Smile」や「Workin' Day and Night」におけるチャップリンへのオマージュから、「Smooth Criminal」や「Thriller」の目を見張るようなアクロバットと振付まで、素晴らしいタッチが溢れている。

「Stranger in Moscow」の頭から離れない歌詞がアフリカの月の女神を伴って流れる時、観客の上に雪が舞う。いくつかある鳥肌の立つ瞬間の一つである。キャサリン・ジャクソン、ダイアナ・ロス、エリザベス・テイラーそして最後にはジャクソン自身。スクリーンではこれらの幻のようなイメージが現れる。そして虚空から叫ぶのである。「I'm livin' lonely! I'm livin' lonely, baby!」

ショーは、不思議なほどに生きているようなイリュージョン/ホログラムとしてジャクソンがステージに登場することでクライマックスを迎える。そして、崇高なアレンジとなった「Man in the Mirror」が流れる中、ショーを通じてジャクソンを追い求めてきた「4人のはみ出し者たち」に力を与えるのである。この時点まで、ジャクソンはビデオの断片や歌、ささやき、笑い、シルエット、ダンス・ムーヴの中で登場していた。しかしついに、登場人物たちを(そして拡大解釈すれば、観客をも)勇気づける歌が流れる中、彼が重大な意味をもって「明かされる」。そして、ジャクソンの創造的人生と仕事の中に彼ら自身の意味を見出すのである。

結局、マーシャル・マクルーハンが言うように、メディアがすなわちメッセージではないのである。アーティストがメッセージなのだ。金目当ての機械のメフィストに対して戦っているのは、ジャクソンがこのショーで表している本質、すなわち、弱者や社会正義や平等への思いやりと感受性なのである。

ラスベガスのショー、あるいはさらに言えば、ポップ・ミュージックでよくあるメッセージではない。これは、「死から逃れる」ためのジャクソンが表明していたプランなのだ。単にジークフリード&ロイのマジックのトリックではない。彼の死のずっと後でも重大な意味をもち、人々に語りかけ、彼の「ソウル」が込められているアートを作るということなのである。

彼を貶めようとするタブロイドのパロディが今でも見られる中、キング・オブ・ポップは彼のバイタリティー溢れる作品で、そのような流れと戦っている。「Michael Jackson ONE」はその証明なのである。
(終わり)

原文:http://www.huffingtonpost.com/joe-vogel/michael-jackson-one_b_3853407.html
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