「One」レビュー:The way Michael Jackson made us feel (その2)

Oneは、最初の曲「Beat It」から喉元を掴む。お粗末ながら話の筋を説明しよう。4人の若者グループがショーに出ようと試み、とてつもない衣装を着た登場人物たちが住む幻想的な「うず」に吸い込まれてしまう。胸にティッカーテープのような電飾を施したダースベイダー風の衣装のパパラッチに、白いスーツの一団が立ちふさがり、パパラッチたちと戦う。ステージを囲む巨大スクリーンは、動くジャクソンのオリジナル映像を映し出す。その一方でアクロバットたちがホールの裏側からステージの上へ飛び降りてくる。

ジェイミー・キング(マドンナやリアーナとの仕事で知られ、「Dangerous」ツアーではジャクソンと踊っていた)の監修による振付はジャクソンの革新性に忠実であり、かつ遊び心に満ちた即興性が加えられている。厳密なマネをするということはないが敬意に溢れたものだ。その方向性は加速され、電光石火のごとくである。ショーの開始から5分後には、見逃した部分を見直そうとするだけでもう一度見ようと思うだろう。単についていけないのである。

どの瞬間もちょっとした意外性に満ちている。一足のブーツが空中に現れ、ムーンウォークを始める。「Smooth Criminal」ではダンスの集団が、オリジナル・ビデオからの有名な前方への「リーン(傾き)」を再現する。空にあるテレビの画面では、「I’ll Be There」を歌う若きジャクソンが映っている。騒乱の中での感動的瞬間だ。

息を呑むオープニングの後の、「They Don't Care About Us」と「Earth Song」からなる退屈と思う者もいるかもしれないパートはジャクソンの最高の時期のものではない。そして、ここでは高い緊張感と荒っぽい雰囲気となっている。この時だけが唯一、モラリズムがショーを脱線させる恐れがある部分だ。シディ・ラルビ・シェルカウイ(モロッコ系ベルギー人振付師。彼の現代ダンス作品には世界的にファンがいる)がOneでも仕事をしている。「シルク・ドゥ・ソレイユは信じがたいほどの成功を収めている。でも、彼らは外部からの新しい血を望んだのです」と、彼は今週初めにロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場でコーヒーを飲みながら私に話してくれた。「彼らはアプローチの手法において常に賢明だというわけではありません。彼らは私に、ここに良い奴ら、ここに悪い奴らが必要だと言いました。私は、悪い奴らはいつも悪い奴らだというわけではないのですと言いました」。

だがこれは珍しくギクシャクした瞬間だ。ペースはすぐに元に戻る。シルクのショーとしては、アクロバットたちは控えめで、過剰に物語に加わることを控えている。ジャクソンのムーヴはサーカスではないのだ。シルクのパフォーマーたちはそのスタイルをゴムのようなものから猥雑なものへと変えている。それは「Dirty Diana」と「The Way You Make Me Feel」で効果的に働いている。「Billie Jean」では、背景のスクリーン上に実際のオリジナル・ビデオが投影される。「マイケルは古典といえるイメージを作り出してきました。それらは私たちの心と頭に埋め込まれています。そしてそれらの古典的イメージよりも良いと思うことはできません。そういう記憶がそこかしこにある。私たちはそれを受け入れたかったのです」。ショーの監督ウェルビー・アルティドールはモントリオールからの電話でそう話してくれた。

「Thriller」はずば抜けており、ダンサーが二つのトランポリンの間を飛び跳ねるというシルクの最高の「サーカス」の要素が取り入れられている。そして驚くべき技術的マジックによる一人の人物の登場とともに「Man In The Mirror」がショーを締めくくる。ジャクソン自身だ。それは同時に霊のようであり、動いており、奇妙でそして少し不思議な感覚である。

アルティドールによると、彼は、オーディエンスにはショーに「包まれている」ように感じて欲しかったという。その「どっぷりつかる」という要因は現代エンタテイメントでは常套句となっているが、Oneは新境地を開拓している。それは、おそらく初めて、偉大なポップ・ミュージックのレガシーがいかにそれだけで成り立っているかを私たちに示している。プライムタイムのテレビ番組でのつまらない物まねや、あるいはスキャンダルを暴くバイオグラフィー、あるいはレコードマニアの暗い地下室での夜更けの集まりによって成り立っているのではないのである。

20年、50年、あるいは100年後にOneとLoveを観ることは、現時点ですでにバックミラーに遠ざかりつつある一つの時代の偉大さを理解するための最短距離となっているだろう。未来の文化史家はこう言うだろう。ポップ・ミュージックには直感的で熱っぽいアピールがあったのだと。モーツァルトと違って、新しいことを作り上げ、生きることを楽しくしていたのだ。大きく、大胆で、人々を圧倒していたのだ。このように記憶されるべきなのである。

ソース:FINANCIAL TIMES / michaeljackson.com
http://www.ft.com/intl/cms/s/2/e57b85e2-df13-11e2-881f-00144feab7de.html#axzz2XdF55ZfH
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