「Thriller」30周年:いかにして一枚のアルバムが世界を変えたか(その2)

もしこの予測がCBSレコードの重役たちに眠れぬ夜を過ごさせるほどでもなかったのならば、ラジオの細分化というものの一つの側面は特に恐ろしいものだ。つまり、70年代の初めより、黒人音楽は白人をターゲットとしたラジオ局からますます追放されてきたのである。これは一部には、悪意に満ちた反動的なアンチ・ディスコの風潮(1979年末までに起きたこのジャンルの内部崩壊につながった)によるものである。80年代が明けるにつれて、番組編成担当者は「ディスコ」という烙印を押されることの恐れからリズム重視の黒人音楽をますます避けるようになった。その黒人音楽がディスコとはかけ離れていてもだ。この反動は、FM(黒人アーティストたちをアーバン・コンテンポラリー局を閉じ込め、さらに狭い白人リスナーに対象を絞ったポップ局から姿を消すことになった)によるAMの大衆的トップ40局の解体によって拡大した。

この時期のポップチャートにおける黒人音楽の退潮はどれほど劇的だったのだろうか?1979年、週間ビルボードHOT100のポップチャートの曲の半数近くはアーバン・コンテンポラリーチャートでも見ることができていた。1982年までに、HOT100での黒人音楽の総数はほぼ80%減となっていた。この年の急落は、ポップチャートにおける黒人音楽の存在感が最低の状態であったことを表している。つまり、アルバム・トップ200チャート、あるいはシングルチャートHOT100の20位までに黒人アーティストによるレコードがあの10月の3週間、一つも見当たらなかったのである。50年代中盤にトップ40ラジオ局が現れて以来一度も見られなかった現象だった。

この状況下で、ロジャー・トラウトマンの「Heard It Through the Grapevine」やギャップ・バンドの「Burn Rubber」のような多くのアーバン・コンテンポラリーのヒット曲がポップのトップ40で一位になり損なっており、ザップの「Dance Floor」にいたってはHOT100入りすることさえできなかった。プリンスの「1999」(後にポップ・カルチャーのアンセムとして現れることになる)は、アーバンチャートで急上昇中にもかかわらずトップ40には入れなかった。リック・ジェームスのような黒人スーパースターは400万枚のアルバムを売る力があったが、白人指向のラジオのリスナーの多くに対しては知られていなかった。彼の「Super Freak」は「1999」と同様に後に象徴的なものとして認知されるようになるが、1981年のHOT100では16位がピークで、ポップ局ではオンエアされなかった。ポップ局の番組編成者はそれが「ディスコ・フィール」だという理由で避けていたのである。

1982年を通して黒人アーティストによるビルボードHOT100での1位獲得曲は2曲のみ。ライオネル・リッチーの「Truly」と、ポール・マッカートニーとデュエットしたスティービー・ワンダーの「Ebony and Ivory」である(実は、この2曲がトップ3に入った唯一の黒人アーティストによる曲であった)。この2曲は今のところイージーリスニングに転向しており、ブラックチャートでは1位にはなっていない(ビルボードは1982年の6月にR&Bチャートをトップ・ブラック・シングルチャートと名前を変更している)。1982年にポップチャートとブラックチャートの両方で1位を獲得したレコードは白人の作品、ホール&オーツの「I Can't Go For That」のみである。

一目見て強固な壁が、黒人リスナーと白人リスナーとの間に築かれてしまった。多くの場合、黒人の子供も白人の子供もお互いが何を聞いているか分からなかった。広くアピールすることを願う黒人アーティストにとってこれ以上ない困難であるかのように思われる中、音楽シーンに新しく恐ろしいものが登場した。MTVだ。MTVのプレイリストは白人向けラジオとまさに同じく細分化されていた。そして音楽の世界に旋風を巻き起こした。
その3に続く)
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