BAD25レビュー(Gawker)

ウェブサイトGawkerが、スパイク・リーのドキュメンタリー「BAD25」についてのとてもポジティブなレビューを掲載している。Rich Juzwiakによるこのレビューは、本作を「史上最高の音楽の舞台裏エピソード」であると評している。

アートとしてのロック・ドキュメンタリー:スパイク・リーのマイケル・ジャクソン・ドキュメンタリー「BAD25」

すべてのサブジャンルには源流となる古典が必要だ。そしてスパイク・リーの「BAD25」は、史上最高の音楽の舞台裏エピソードとなるものである。ペースは終始熱狂的、巧みに組み立てられ、愉快な逸話に満ちた1987年の「BAD」(「Thriller」の次作という途方もない使命を負っていた)の制作の回想は、このロック・ドキュメンタリーを一つのアートへと高めている。長さにして二時間あまり、過剰な死亡記事と感じられたかもしれなかったものが、間違いなく生き生きとしている。そもそもの主人公の死がなければこのドキュメンタリーは構築されていたとは考えにくいことであるが、「BAD25」は、ジャクソンのレガシーが彼自身を不朽のものとしたことを証明している。

自分で考える以上に聴き込み、そして長いこと嫌いになっていたアルバムについての新しい見方をこの映画は私に提示してくれた。私は温かみ、明快さそして奇抜さを好む。それは、たるんだ80年代後半をも覆う、80年代初期のアナログ主体の時代を定義づけているものであるが、BADを作った職人芸は疑いようもないものであり、リーのこの作品によってそれは解明されている。その文化的重要さは、この映画の語り部たちの一人、クエストラブの洞察力を通じてより明確に強調される。その他にも、カニエ・ウェスト、L.A.リード、コラボレーターのサイーダ・ギャレット(彼女のブラッサム・ハットは入場料の価値がある)、マライア・キャリー(時折自分の歌で演じる役を担っていて、ここでは単に舞い上がったポップ・ミュージックのファンの一人になっている)、ジャスティン・ビーバーらが登場する。ジャーナリストとしてはネルソン・ジョージ、ダニエル・スミス、ジェイソン・キングらがいる。クエストラブはBADについて、ブラック・ポップの最初のスタジアム・アルバムとして言及している。彼は退屈なスティーヴィー・ワンダーとのデュエット「Just Good Friends」をBADの「コーヒーブレーク」と呼んでいる。彼はジェームス・ブラウンのカタログからBADの収録曲「Speed Demon」まで一本の線で結んでいる。実際に使用されている楽器すべてがパーカッションの役割をしているからだ。もし彼のことを今まで知らなかったのであれば、今ではわかるはずだ。ザ・ルーツのドラマーである彼は、現在の偉大な文化批評家の一人なのである。

一方カニエ・ウェストは「Smooth Criminal」についてたっぷりと語っている(「アニーが誰か全くわからなかったよ。彼女がOKかどうか、どうして問題なのかもね」)。そこにはジェントルなジャクソンの、尊敬の念というものに人間味と現代を感じさせるイタズラというモチーフが存在する。マーティン・スコセッシが監督したショートフィルム「BAD」の脚本を書いたリチャード・プライスは、「彼はイタリア人の喘息持ちとユダヤ人の喘息持ちのところへ行って、自分をホーミーに仕立てたのさ」と鼻息が荒い。全編を通じて、黒人/ミュージシャンとして文化がジャクソンに期待するものへの彼の関わりとそこからの逸脱が、言外の示唆や同情を織り交ぜつつ扱われている。リーがこの手のポートレートを成しえたということは驚くことではないが(明らかに、彼にはそれがある)、それでもなおとても満足いくものである。

リーはBADの楽曲を用いてジャクソンのレガシーの異なる面について議論する。たとえば「Smooth Criminal」は彼のダンスを論じている。「Leave Me Alone」はジャクソンの一般的イメージのセクションを構成している。「Man in the Mirror」はジャクソンの死についての意見の数々を織り合わせている(彼の死後、この曲は人気の高まりを経験した)。私はこの映画の不遜なトーンを評価するものであるが、ジャクソンとの関わりで人生が信じられないくらい動かされたという人々が目に涙を浮かべている様子のモンタージュにも気がついた。ジャクソンの作品について語る中での流れにこの悲しみが加わるのは、ドキュメンタリーの最後の場面だけである・・・仕掛けとして、これは、この時点までで交わされた彼の死についてのどの議論よりも、ジャクソンの喪失の文化的巨大さをより大きく響き渡らせることになっている。

このドキュメンタリーでは保管されていたたくさんの映像が登場する。一部は、古いインタビュー映像となっている・・・クインシー・ジョーンズはこのドキュメンタリーではインタビューを受けていないようだが、彼のコメント(とアブストラクトなビル・コスビー・セーター)は骨董品である。表情豊かにカリフォルニア・レーズンズのマネをしてバカをやっていたり、「Speed Demon」の果てしなくバックルがついた衣装がきついことを嘆いていたりする(動けたらなあ。とてもきつい。これはとてもタイトだよ)驚きのそして愉快な映像もある。公の目から隠れて弱い面を保っていた人物の、とても人間味あふれる一面である。

「BAD25」は、感謝祭のABCでの放映を前に今週と来週の期間限定で劇場公開されている。私はニューヨークのイーストビレッジの映画館で土曜に観たが、積極的に意思表明するファンで溢れていた(彼らはジャスティン・ビーバーが映るたびにブーイングをしていた・・・私にはジャスティン・ビーバーの声がほとんど聞こえなかった)。ある男は終始解説をしており、ほとんどサウンドドラックと変わらないくらいうるさかったが、ドキュメンタリーが1/4も進まないうちに劇場から連れ出されてしまった。私の前に座っていた女性は、誰がどのようなことを話していても激しく頷いていて、クライマックスの「Man in the Mirror」では何やら手を動かしていたが、最後まで観る事を許された。しかし少なくとも彼女は静かであった。

その他の観客は迷惑にならない程度に歌い、手拍子をし、愛を伝えていた。「本当に、歓喜だね」というのはジャクソンがこのアルバムのリリースを評して言ったことだが、四半世紀後もそれは続いている。

原文:■ Another BAD25 Documentary Review
Source: MJFC / Gawker
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