ジョー・ボーゲル:中絶、名声そして「Bad」 マイケル・ジャクソンの未発表デモを聴いて(その2)

I'm So Blue
これは憂鬱な気持ちから離れるために歌うことについての、シンプルだが美しいバラードだ。その弱々しい悲しげな感覚は豊かなキーボードと空気のようなストリングス、ソウルフルなハーモニカによって増幅されている。ジャクソンが失恋についての物語をナレーションし、暖かい夏のたそがれを想起させる曲だ。「僕は長い間歌い続けている。まだ僕は泣いている/僕が何をすべきなのか教えて」と彼は嘆き悲しむ。言葉のないコーラス(sha da da da da da da)は諦めのため息だ。古いブルースマンたちのように、彼は寂しさと悲しさから音楽の中へ逃げ込むのである。

マット・フォージャー:「これはマイケルが僕とビル・ボットレルとでやった曲だ。あの時期にすでにミックスされていた。ミッドテンポで憂鬱で、雨の日に暖炉のそばにいるような歌だね。少しスティーヴィー・ワンダーを思い起こさせる曲・・・彼のハーモニカ、彼の音調。スティーヴィーはマイケルの中で大きな部分を占めていた。彼の作品の影響を見出すのは珍しくないよ」。

Abortion Papers
マイケルは歌の中で中絶という議論を呼ぶテーマについて立ち入った唯一のアーティストではない。ニール・ヤングやマドンナ、シネイド・オコナー、ローリン・ヒルなど他のアーティストの作品にも見ることができる。「Abortion Papers」では、ジャクソンはこの問題に注意深く(そして曖昧に)アプローチしている。つまり、教義的政治的観点を提示するよりは、厳格な家庭で聖書で諭すような父親の元で育った葛藤する少女のストーリーを通してこの問題を個人的なものとしている。この曲についての彼のメモには、「中絶をした女の子を攻撃しないように、あるいは罪悪感を持たせないようにしなければならない。だから注意深くやる必要がある。・・・これについては僕は本当に考えなければならない」。ジャクソンはこの曲を、強く情熱的なボーカルで語る。皮肉なことに、この曲の主たる難点は覚えやすさだ。中絶についての歌で踊り歌いたくなってしまうというのはすこし変な感覚である。だが、それは紛れもなくこの曲の中毒性のあるグルーヴが引き起こすものである。敏感な問題に思慮深い方法で取り組もうと試みたジャクソンは立派だが、彼はこの曲をリスナーに対しどうプレイしたらよいのか確信を持てていなかったようだ。

マット・フォージャー:「これは最初、僕たちが保存作業中に見逃していた曲なんだ。『Song Groove』と箱にタイトルが書かれていたので見落としていたんだよ。その正体が分かってから、僕たちは組立作業を始めたんだ。ブライアン・マルーフとゲーリー・O、マイケルと一時的に仕事をしていた数人のエンジニアによってレコーディングされた。これを聴いたとき、僕らはこれは論争になるかもしれないと思ったよ。特に政治的にどうなるか。だけどこの曲を聴くと、そこには一つのストーリーが語られているんだ。マイケルはアプローチの仕方がどうあるべきかということを反映させていたよ。彼はどう語っていいか確信が持てていなかった。ボーカルにはいろいろバリエーションがあったんだけど、彼は決めたくなかったんだ。彼はそれについては十分理解していたけど、本物の、複雑な状況を提示したかったんだよ」。

Free
「Got to be free」。ジャクソンはこの陽気なバラードの締めくくりで叫んでいる。彼の明るい息交じりのボーカルは、ジャクソンズ/「Off the Wall」期の、心配事のない活力のあるものに立ち返っている。この曲のヴァースは明らかにまだ作りこみ中であるが、サビ(Free, free like the wind blows/ To fly away just like the sparrow...)とハーモニーは、日々の心配事を払いのけてくれるには十分だ。美しい曲である。

マット・フォージャー:「僕にとって、未発表曲を再び聴いてみることが本当に感動的な経験だったことが何回かあったよ。特にこの曲「Free」に取り掛かった時がそうだった。この曲を聴けば、マイケルの魂と喜びが聞こえるんだ。ありのままでリラックスしていて、好きなことをやっていて、本領を発揮している彼だね。初めに聴いたときは泣き崩れたよ。毎日こんな感じだったけど」。
その3に続く)

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