ジョー・ボーゲル:マイケル・ジャクソンはいかにして「Bad」を作ったか(その1)

ちょうど25周年を向かえ、3枚組のセットが間もなくリリースされるランドマーク・アルバムが、逆風の中でいかにして「Wacko Jacko」によって作り上げられたか

名声の頂点で、マイケル・ジャクソンは姿を消した。

1984年。MTV、ペプシのCM、グラミー賞、ホワイトハウス、ローリング・ストーン誌、そして全米を回っていたヴィクトリー・ツアー。彼の姿が見えないことはないように思われた。しかし翌年、「We Are the World」でのちょっとした登場を除けば、彼の姿はどこにも見えなかった。ジェリー・ハーシーはローリング・ストーン誌でこう記している。「1985年はマイケル・ウォッチャーにとってブラックホールだった。彼らは、1910年にハレー彗星が太陽系の反対側に向った時以来の最大の消え去りを目撃した」。これは、期待と神秘的雰囲気というもののパワーを理解しているパフォーマーの戦略的動きだったのである。

彼の姿が見えなくなり、聖堂やら酸素室やらエレファントマンの骨といったものに関する空想話が洪水のように溢れ出た。それらのほとんどは無害なもの(そして実際ジャクソンもそれを面白がった)であったが、メディアの反感へとつながる暗い側面もあった。ジャクソンはエンタテイメント史上最も力を持ったアフリカ系アメリカ人になっていた。彼は記録破りのアルバム、ビデオ、パフォーマンスを通じて一つの帝国を築いていただけではなく、CBS/エピック・レコーズを復活させ、MTVを成長させ、ライブ・エンタテイメントにハードルを課したのである。さらに彼は賢明にも自らのマスター音源を完全に所有し、弁護士ジョン・ブランカの助力を得て精力的に出版権を手に入れていた。スライ&ファミリーストーンやレイ・チャールズ、そしてもちろんポピュラー音楽の至宝、ATVのビートルズ・カタログである。

これが、流れが変化し始めた瞬間であるのは偶然ではなかった。業界の大物そしてメディアから今や疑われ、憎まれ、そして嫉妬されていたのである。ジャクソンが(彼がしばしば言っているような)単なるナイーブな子供のような大人ではないこと、あるいはおとなしくて従順で「エンタテイナー」としての彼の立場を理解し受け入れている歌とダンスの人ではないことは明らかだ。彼はこの業界で最も力をもつ人物たちを出し抜いていたのである。彼は芸術的にも財力でも成長していた。そして彼は自分の力と文化的影響力をもっと社会的そして政治的な目的のために行使する方法を学び始めていたのである。

「これほど多く形勢を逆転させたことについて、彼はすぐには許されないだろう」とジェームズ・ボールドウィンは1985年に記している。「なぜなら彼は確実に富みを手に入れ、そしてモンテ・カルロの銀行を潰した男でもマイケルの弱みを握っていないからだ。こういった雑音はアメリカのことなのだ。黒人の、特にアメリカの黒人男性の生命と財産の不誠実な管理人としてのアメリカ。燃やし、埋めた罪。セックスと性的役割と性的パニック。金、成功、そして失望・・・・」

その反発は、やがては単に当時認識されていたジャクソンの奇抜さに対してだけではなくなった。力や金、そして制度と文化の支配というさらに微妙なことについてもそうであった。ジャクソン以前の数十年、ジェームス・ブラウンが言ったように、黒人のレコーディング・アーティストはいつでも「ショーの渦中にはいたが、ショービジネスの渦中にはいなかった」のである。ジャクソンの財力は侮れないものとなった。しかしながら彼の地位が、彼を巨大な標的としてしまったのである。

1985年の初め、メディアはますますジャクソンに対する悪意を持つようになってきた。「彼らは僕たちの血を欲している。僕たちの痛みではない」とジャクソンは1987年にメモに書いている。タブロイドは彼を「Wacko Jacko」(ジャクソンが嫌った言葉である)というあだ名で誹謗し始めた。この言葉はイギリスのタブロイド、Sun紙が1985年に初めて使ったが、その語源はさらに遡る。「Jacko Macacco」は、1820年代初頭のロンドン・ウェストミンスターの闘犬場でのモンキー・ベイティング(猿と犬を戦わせる競技)で使われた有名な猿の名前である。その後、「Jacco」あるいは「Jacco Macacco」という言葉は猿を意味するロンドンのスラングとなった。「Jacko Monkeys」となって20世紀までしつこく残ったこの言葉は、1950年代にイギリスの人気おもちゃになった。これは1980年代までイギリス家庭では普通であった(そして今でもEbayで見つけることができる)。
その2に続く)
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