Who's BAD? (その3)

ウィラ:私は彼を素晴らしい俳優だと思います。知的な役者でもあると思います。それに意味があるとすればですが。彼の歌詞で一番好きなのは、感情的に複雑だというところですが、演技でもその感情的複雑さを見ることができます。「Bad」で彼が演ずる役には、彼を圧迫するたくさんの異なる力が働いています。そして役者として、彼はそれをさりげなくそしてうまく伝えています。

彼の役どころはスラム街出身の頭の良い子供です。勉強が良くでき、名門高校への奨学金を得ます。フィルムは、この高校で彼をよそ者と見る世界と折り合いをつけようとしているところから始まります。そして古い隣人たちのもとへ戻り、彼が育った世界へ再び入っていって溶け込もうとする場面へと移ります。しかし、元の世界はすでに彼には合いません。だから、私たちはこの二つの世界の狭間に置かれている彼を見ることになるのです・・・まさにマイケル・ジャクソン自身が二つの世界の間に置かれているように・・・そしてこのようなことにぶつかっている彼の内面のもがきを私たちは感じ取ることができます。

ジョイエ:マイケル自身、いつも二つの世界の間に置かれていた。同意しますよ、ウィラ。彼の人生とこのショートフィルムを比較したことはありませんでした。とても鋭い観察ですね。

ウィラ:面白いでしょ?表面上、スラム街から来たこの子はマイケル・ジャクソンのようなスーパースターとは共通点がないように見えます。でもこの二人の間には深いつながりがあると思います。あるいは、彼と彼が描いている登場人物との間につながりを感じるのは、彼の役者としてのスキルの一部なのかもしれません。

ジョイエ:ところでこのビデオで本当におもしろいのは、筋書きは実話を基にしているところです。実際、1987年のEbony / Jet誌のインタビューでわかるように、マイケルはビデオの筋書きの功績を自分のものとしないよう細心の注意を払っていました。タイムかニューズウィークで報道された現実の出来事を脚色したのだとマイケルはインタビュアーに対し語っています。ダリルという名前のスラム出身の黒人の少年が人生をより良くしようと北の名門校へ進学します。ところが感謝祭休みで故郷に戻ると、元々チンピラだった旧友たちは彼を妬んでよそ者と見なすようになり、実際に彼を殺してしまったのです。繰り返しますが、私たちを苦しめる社会の病気へ注目を集めるために、彼が自身のアートを用いているのを私たちは見ることになるのです。

ウィラ:まあ、教えてくれて本当にありがとう、ジョイエ。思い違いをしてましたよ。脚本が元にした実話とは、旧友たちが彼を強盗に加わるように言い、その強盗の最中に彼は殺されてしまったというものでした。

ということで、脚本が実話をどう変えたかということで興味深いのは、悪人は誰もいないということです。仰るように、彼はしばしばビデオやフィルムを社会の病気へ注目を集めるために使います。でも、彼はその後にこのような社会の病気についてもっと深く考えさせるのです。非行少年の暴力の問題は単に少年たちの周囲に悪いチンピラがうろついていることだと言うのは簡単です。でも「Bad」が示しているように、彼らは強がってチンピラを装っているだけなのかもしれません・・・・「悪党気取り」・・・前にあなたが彼らをそう呼んだようにね。でも彼らは卑怯でも悪者でもない。彼らはただ、厳しい状況の中で自分自身を証明し守ろうとしている若者たちなのです。

一方同時に、このような若者への厳格な批判的立場から、道徳的相対主義の立場へと全く反対の立場に立つこと、私たちはみな社会の力と言うものの産物なのだから、自由意志などというものはなく、善と悪というようなものもない、と言うこともできます。そしてマイケル・ジャクソンはこのことを拒否しています。悪党気取りの連中へ向けて彼は歌います。「お前たちは悪いことをしている / そのうちにお前たちを捕まえる」。そして終わりの長いコール・アンド・レスポンスの後、彼らにこう言うのです。もし善と悪の違いがわからないのなら、気付く必要がある:

兄弟に聞いてみろ
母親に聞いてみろ
姉妹に聞いてみろ
僕に聞いてみろ
なぜならお前たちは悪いことをしているのだから

だから彼らを責める一方で、それでも彼は、善と悪を選択しなければならない、彼らの選択の問題だと主張するのです。

ジョイエ:そしてそれは彼が繰り返し私たちに伝えようとしたメッセージなのだと思いますよ、ウィラ。それは私たちの選択の問題なのです。「Black or White」のように人種についての話だろうと、「Who Is It」のショートフィルムでの売春のことであろうと、あるいはこのビデオのように非行少年の暴力とスラム街の騒乱の話であろうと。そして私たちの選択は重要なのです。つまり、その選択の末に、私たちの一生の結果があるのです。

ウィラ:それは重要なポイントですね、ジョイエ。その通りですよ。私たちは自分が生まれた環境を、あるいは身の上に起こる事を支配することはできません。でもそのような環境に対して、そして選択の問題に対してどう対応するかはコントロールできるのです。アルバム「MICHAEL」の「Much Too Soon」で彼はとても美しく歌っています。

より良くするために今、変えたいと思う。
運命の力に僕のソウルを支配はさせない
僕たちは運命の力を支配することはできない。でもそれは、運命の力に僕たちを支配させるということではない。

ジョイエ:これは「Bad」のショートフィルムの中心となるメッセージだと思います。
(終わり)

bad1.jpg

原文:http://dancingwiththeelephant.wordpress.com/2012/06/21/whos-bad/
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