ジョー・ボーゲル:マイケル・ジャクソン・トップ10(その2)

10位 Human Nature と I Can't Help It
オーケー、2曲を同順位にして初めからインチキですが、どちらもはずせませんでした。どちらの曲も、ゴージャスな作りで、リッチで多層的で、パーフェクトに歌われた宝石です。マイケル・ジャクソンとクインシー・ジョーンズの創造的パートナーシップの特徴すべてをこの2曲に見ることができます。明白なる奇跡、切なる思いそして欲望を聴いてみてください。この2曲が呼び起こす鮮やかなキラキラ光る夢のような情景。言葉を超越する輝くようなボーカル。この2曲がジャクソンの全カタログの中で最もカバーされているということは偶然ではありません(マイルス・デイヴィス・バージョンの「Human Nature」など)。しかし、オリジナルの輝きに迫るものは一つもありません。

9位  They Don't Care About Us
反ユダヤ主義という疑いは初めからインチキでした。この曲は権力に向って真実を語ることについて歌っています。これは声無き者に代わって突き上げられた音の拳です。「僕の権利はどうなったのか言ってくれ」と彼は要求します。「君が僕を無視するから僕の姿は見えないのか。君の宣言は僕に自由を約束したはずだ」。議論を呼ぶ主題がすぐさま繰り返されます。手拍子のような音の中のスタッカートのライム(韻)、ムチのビート。バックに不吉に響く警察無線とぼんやりと現れる弦楽器。不当な扱いに対する憤りと自信を与えるための歌。間違いなくジャクソンの最も強力な政治的発言であり、そして90年代のベスト・プロテストソングの一つです。
 
8位  Don't Stop 'Til You Get Enough
この歌について嫌いなところなんてありますか?ソロ・アーティストとしてのマイケル・ジャクソンの突破口となった曲です。動き回るベースのイントロ、マイケルの遠慮がちなささやき(「わかると思うけど、僕は思ってたんだ・・・」)は正しく「パーフェクトなポップの緊張感の10秒間」と表現されてきました。その緊張感は、ジャクソンの象徴「oooooh」が解き放たれるまで続きます。そしてこの曲は音のカレイドスコープへと発展していきます。ここからはこの曲は全くのエクスタシーで、6分間休むことがありません。ジャクソンのファルセットが重さのない喜びと奔放さで舞い上がります。ある批評家が「後に続く全てのR&Bへのロゼッタ・ストーン」と評した光り輝くデビュー・アルバムをこの曲が開くのです。

7位  Who Is It
脈打つベースラインと暗いテーマが「Billie Jean」と比較されがちですが、「Who Is It」は決して二番煎じではありません。この曲はジャクソンのアーティストとしての進化のデモンストレーションなのです。耳から離れないゴシック調のソプラノのイントロが、(ジャクソンのビートボクシングを元にしている)重く粘るビートに変わる様を聴いてみて下さい。ジャクソンの懺悔のストーリーの感情的深さを聴いてみて下さい。それは苦悩に満ちたあえぎと泣き声によって高められています。トランス状態のアウトロの、積み重ねられた異なるリズムの層を聴いてみてください。ジャクソンのポスト80年代の作品に馴染めない人にとっては格好のスタートラインです。6分半のエクソシズム、「Who Is It」は、崇高なアートに翻案された個人的な痛みなのです。

6位  Morphine
この曲は私のランキングの中で上昇し続けています。この作品を良いものとしているのは、人間の経験というものの鋭部へ切り込み、着ている物、上品さ、幻想と言うものを全て剥ぎ取り、むき出しでリアルなものを表現する力です。これが、マイケル・ジャクソンが「Morphine」でやっていることなのです。痛ましい、悲劇的な曲です。でも、率直で勇敢でもあります。この曲は容赦のないすさまじい鉄の波でリスナーを攻撃し、内在されていた侮辱的言動が崩壊したかけらをジャクソンは吐き出します。彼の背後に時折テレビの音が聞こえ、それは一晩中放置されていたかのようです。実際、デヴィッド・リンチの映画「エレファント・マン」の音声の一部が使われています。この映画では、ヴィクトリア時代の「奇人」、ジョセフ・メリックが嘲りを受け、追い掛け回されているのです。これらは、ジャクソンの作品をとても説得力のあるものとする鮮やかな手法です。この曲の攻撃は、ブリッジ部で鎮めるための「薬」が効き始めると一時的に弱まります。ちょっとの間、平和と逃避が訪れます。でも容赦のない現実の単調さの中にリスナーが引き戻され、その逃避は突然終了を迎えます。実験的で大胆で感情的な力強さ。この曲は、ジャクソンのベスト作品の一つに値します。
その3に続く)
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