Man In The Music:ジョー・ボーゲルの傑作(その4)

ジョイエ:マイケルの長年の友人のフランク・カシオが最近出版した本をちょうど読み終わったところなんですが、彼もマイケルの新しいサウンド発見に対する執着について少しだけ語っています。マイケルが「Invincible」に取り組んでいる時、プロデューサーのロドニー・ジャーキンスに対して「石やおもちゃをランダムに叩いて。ガラスをかばんに大量に詰めて、マイクをつけて投げて」と促していたとカシオは述べています。カシオはこう続けています。

「マイケルがこういうサウンド創作で遊んでいるのを見たことがあります・・・一度など、私たちは石やおもちゃや金属の切れ端をマイクと一緒にかばんに詰めて、バブルラップ(訳注:いわゆる「プチプチ」のこと)で包んだDATレコーダに貼り付けました。そしてこの奇妙な物体を階段から下に向かって投げました。それからマイケルはかばんの中で録音された音を取り出してキーボードに設定し、ミックスし、調音しました。『Invincible』では、『Invincible』、『Heartbreaker』、『Unbreakable』、『Threatened』でこの独特のサウンドが聞こえます」。

これは「Man In the Music」でも言及されています。ジョーは、「Heartbreaker」における「ワイルドに飛び跳ねるビートとサウンド」は、まるで「狂った科学者」が、「スタジオでやりたい放題やっている」かのように感じると述べています。そしてマイケルの言葉を引用しています。

「このアルバムにあるたくさんのサウンドはキーボードによるものじゃないんだ・・・僕らは外へ出てオリジナルのサウンドを創った。物を叩いたり殴ったりしてね。だから僕らのやったことは誰も真似できないんだよ。自分の手で作り、発見し、創り上げた。これが一番大事なことなんだ、パイオニアであること、革新者であることがね」。

つまり、彼にとってこれは一時的な気まぐれではなかったのです。生涯にわたる、執着以上のものです。自らの著書「Dancing the Dream」で、いかなるものにも音楽を聞く、自然のありとあらゆるものの中に音楽を聞くと述べています。こう書いてます:
「僕がどうやって音楽を作るのか人は尋ねる。そういう人に僕はこう答える、ただその中に入っていくんだと。それは川に入って流れを楽しむようなものだ。川の中ではあらゆる瞬間に歌がある。だから僕はその瞬間に佇み、聞くんだ。あらゆる瞬間を聞くことができる限り、僕には音楽があるんだ」。

私にとって、このことはマイケルがあらゆるものの中に音楽を聞く能力を持っていたということを語っているように思えます。車のクラクションにも、秋の落ち葉の砕ける音にも、木々の間を吹きぬける風のカサカサいう音にも。赤ん坊の泣き声や自分の子供たちの笑い声の中にさえも。彼に今質問することができたら、その通りと答えるだろうと思います。きっとそうに違いありません。

ウィラ:仰るとおりと思います。そして彼は、私たちも同じように周囲の世界、自然界と人工物の世界の両方で、その音楽を聞くようになるよう、こうしたことを私たちと共有しようとがんばっていたと思うんです。自然界については「Break of Dawn」の「贅沢な作り」というところでジョーが説明していますし(「それは、曲を通じて控えめに現れる鳥の歌のように自然で美しい」)、人工物の世界については「Invincible」の叩くようなオープニング三部作で聞くことができます。

ジョーの本はまた、マイケルが、時には発見したサウンドをありのままに組み込み、時にはもっと高いレベルを求めてスタジオで音の実験をしていたということを紹介しています。マイケルが自身でこう述べています。

「マイクの前でサウンドを鳴らして、どうやってその特徴を操作するか話し合う。そういうことをするのが好きなんだ」。

そして彼はただスタジオの中で革新していたのではありません。彼は絶えず、彼の音楽とアイディアをオーディエンスと共有すべく新しい技術をどう使うかについて考えていました。80年代には、新技術とはMTVとミュージック・ビデオでした。2000年代では、インターネットと音楽のストリーミングでした。そしてジョーによれば、次作のプロモーションのためにこういう技術をどうやって使うかについて一つの計画を検討していました。特に、プロモーションでソニーを当てにできなかった経験後のことです:
「彼には新曲リリースについてのユニークなプランがあった。彼のビジョンとは、ロンドンでコンサートが行なわれている間に曲を完成させ、フルアルバムではなく一曲ずつシングルとしてリリースするであった。それは素晴らしいアイディアだった。ジャクソンはいつもそうであるが、音楽業界への順応に鋭く、デジタル・ダウンロードの世代に自分の音楽を広める理想的な方法だと感じていたのである。世界の巨大なコンサート開催地に留まり続けることで生まれる評判が、新曲への期待を大きくするということに気付いていたのだ。失敗作としてすぐさまニューアルバムを貶める批評家にそのような機会を与えず、ヒットシングルを連発することで批評家たちの裏をかこうとしていたのである」。

ジョイエ:そう、それ読んでいて驚きました。なんて素晴らしいアイディア!特に彼は当時いわば「フリーエージェント」でしたからね。レコード契約のない最大のアーティストでしたから。

ウィラ、ジョーのこの本は、私たちがこれまで見たこともない、マイケル・ジャクソンのソロ・キャリアについて総合的に取り組んだ最高の仕事ですよ。この本のライバルと言える本は思いつきません。唯一近いのは、エイドリアン・グラントの「Michael Jackson: The Visual Documentary」ですね。すべてを網羅しているということで多くのファンが「バイブル」として参照している本です。でもこの本は素晴らしいですが、「Man In the Music」とはまったく違います。なぜなら、「Man In the Music」はただマイケルのアートにフォーカスしているだけではなく、あらゆる現実的あるいは有意義な見方で捉えてみようと試みているからです。つまり、「Michael Jackson: The Visual Documentary」は単なるガイドブックなんですよ。キャドマンとハルステッドの「Michael Jackson: For the Record」もあります。モータウン時代からの各曲のチャート・ポジションなど、たくさん情報が掲載された素晴らしい本です。でもやはり、ジョーがやっているような詳細に立ち入るようなことはありません。完全なガイドブックです。一方で「Man In the Music」はガイドブック以上のものなのです。マイケルのソロ作品に対する深い見方・・・全アルバムの全曲の製作過程や背後にある意味など・・・を提供するという点で、ジョーの本に匹敵するものはありません。ただただ驚きです。私はこの本にとても入れ込んでいて今年のクリスマスには、「マイケルを他の人に伝える」(訳注:「Man In the Music」をサポートしているサイト、"Pay Michael Forward"にかけていると思われます)つもりです。私のリストに載ってる人はみんな手に入れていますよ!
(終わり)

原文:http://dancingwiththeelephant.wordpress.com/2011/11/24/man-in-the-music-joe-vogels-masterpiece/
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