ジョセフ・ボーゲル:新たにリリースされたマイケル・ジャクソンの曲にまつわる話(その2)

ジャクソンが「Don't Be Messin」を書いて最初にエンジニアのブレント・アヴェリルとレコーディングしたのはThrillerセッションのころだ。当時彼は、「P.Y.T.」や「Billie Jean」のデモなど多くの音楽的アイディアに取り組んでいた。「Don't Be Messin」はジャクソンが自らのピアノをフィーチャーしている(「皆さんが知っているよりも上手かったですよ」とフォージャーは言っている)。彼はプロデュースとアレンジもこなし、映画のようなストリングスやブリッジのジョナサン・マクシーのピアノ、デヴィッド・ウィリアムスのファンキーなギター・リックなど、多くの楽器パートも指揮していた。

結局のところ、「Don't Be Messin」は完全には出来上がらず、またThriller用の強力な素材が出来上がりつつあったため、ジャクソンはこの曲を後回しに、次のアルバム用にもう一度やるつもりだった。「マイケルがアイディアや曲を練り上げていく様子はこんな感じだったのです」とフォージャーは語る。「彼はこの曲をやりたい時に広げていたのです。準備が整わなかったり、アルバムやプロジェクトの性格にフィットしなかったりした時は倉庫に置いておくのです。時期が来たら、もう一度取り出すんですよ」

この曲の場合は、1986年に再び表に出てきた。BADセッションの時だ。ジャクソンは、「laboratory(ヘイヴェンハーストの改装された自宅スタジオのニックネーム)」でレコーディング・エンジニアのマット・フォージャーとビル・ボットレルとともにこの曲に最初に取り組んだ。ジャクソンのリズム・トラックでは典型的なことだが、この曲は初期はとても長かった(8分近く)。「マイケルは曲を長くするのが好きなんです」とフォージャーは言う。「彼はグルーヴ感を持たせるのが好きです。踊れるからです。そしてそれは大きなことなのです。曲が彼にダンスをさせると感じれば、彼はそのグルーヴを支配しているということを意味しているからです」

しかしながらジャクソンのグルーヴは、多くのダンス音楽が持っている繰り返しというものがしばしば欠けているという点で普通とは違い、変わったビートのパターンや感触、ニュアンスに驚かされる。「(『Don't Be Messin'』の)ロング・バージョンの中には、とても興味深いものがあります。なぜなら、セクションが違えば違うことが起こっているからです」とフォージャーは語る。「長いなと感じながら8分間座っているというようなものじゃないんです。『これはクールだね』と感じさせるようなことがその時間の中で起きるのですから。そのリズムを聞けば満足なんです」。

ジャクソンにとって曲をカットすることはしばしば残酷なプロセスであった。特にイントロとアウトロは。とはいえThrillerやBADの他の曲と同じように、ジャクソンはこの曲を4分から5分の間に編集しようとした。「Don't Be Messin」のニューミックスはこの長さになる。

ジャクソンは「Don't Be Messin」の作りこみを1986年後半、自宅スタジオとウェストレークで続けていた。しかしながらクインシー・ジョーンズが加わってシリアスなそぎ落とし作業が開始され、「Don't Be Messin」はカッティング・ルームに取り残されてしまった。DangerousとHIStoryのセッションでもこの曲に取り組み、サウンドを改良して新しい要素を加えた。明らかに彼の好きな曲である。しかし結局、安住の場は見つからなかった。

マット・フォージャーがミックスした新バージョンは、1986年のBADセッションでジャクソンが取り組んでいた最終バージョンである。これが最も純粋で、最も感情的に満足ができるバージョンであるとフォージャーは感じている。「当時マイケルがこれをどのように指図していたか、まさにそのものなんです。マイケルが言う、『これがあるべき姿』そのものなんですよ」

この1986年のデモは画期的な曲ではない。ボーカルは全力ではなく歌詞も完成しておらず、ジャクソンとクインシー・ジョーンズが実現したであろうものに近い作品ではない。しかしながら、増え続けるBAD期のアウトテイクのリスト(「Streetwalker」、「Fly Away」、「Cheater」など)に加えられる素晴らしい曲である。「キャッチーなフックが根底にあり、興味深い刻み方をするリズム感があります」とフォージャーは言う。伝説のレコーディング・エンジニア、ブルース・スウェディンは2009年のインタビューで、ジャクソンの未発表曲の中でも好きなものの一つであるとしてこの曲に言及している。「実に美しい。まったく、この曲に匹敵するものなんかないよ」と彼は言っている。

彼の作品の多くがそうであるように、この曲は何か一つのジャンルにしっくりはまるものではなく、ラテンやジャズ、ポップの融合だ。陽気なボサノヴァのリズムと層を成す織り合わされたフックが容易に頭を打ち、動きたくさせる曲だ。その一方で、洗練されたシンコペーションと複雑なリズムのアレンジによって何度も聴くに値するものでもある。(「音楽はタペストリーのようだ」とジャクソンは言ったことがある。「いろいろな層でできていて、内へ外へと織り合わされているんだ。そして重ね合わせの中でそれを見れば、深い理解を得られるんだよ」)

フォージャーにとって、この曲の仕事をすることは、ジャクソンの激動のキャリアの中でのシンプルだった時代の思い出を呼び覚ました。「あの時代がどんな感じだったかが蘇りました。マイケルは溢れんばかりの幸せな人だった。彼は世界に挑戦し、素晴らしくグレートな音楽を作りたいと思っていたんです」。

フォージャーにとって、この曲を再現することのゴールは何なのだろうか?

「単に本物を作るということですよ。マイケルがエンジョイするもの、誇りに思えるものです。彼の魅力とエネルギーがあります。ありのままに味わい楽しんでもらえれば最高です。この曲に望んでいることは、ありのままのシンプルさを楽しんでもらえること、それだけです」
(終わり)

原文:http://www.theatlantic.com/entertainment/archive/2012/06/the-story-behind-michael-jacksons-infectious-newly-released-song/258115/
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