座談会:ソングライターとは何か?(その6)

ウィラ:みなさん、私、今ひらめいたように思います。これは私にとってとても興味深いことです。そしてチャールズ、あなたが何を仰ってきたのか分かり始めたように思います。あなたは単に楽譜を書くということについて話しているのではありませんね。西洋の曲作りの伝統という「ルール」の教育を受け吸収することについて仰っています。そしてジェームズ・ブラウンはビート(拍)を壊し、曲作りの伝統のルールを壊した。

昔・・・15年くらい前・・・ある音楽の教授と話をしました。彼女はコンピュータに接続したキーボードで作曲していました。彼女はソフトウェアを見せてくれました。曲を演奏すると、そのソフトウェアが彼女の演奏を取り込み、自動的に楽譜を生成するのです。とてもクールなものでした。正確な楽譜にするには微調整や整理が多く必要だと思うかもしれませんが、その必要はありませんでした。とてもきれいな楽譜です。彼女は、手で音符を書くことに満足なこともあるがしばらくすると飽きるし、このソフトウェアは演奏するのと同じくらい簡単に楽譜を書かせてくれると言っていました。彼女はその曲のみに集中でき、そして魔法のように楽譜がそこに現れるのです。

今回こうしてみなさんとお話をしている間ずっと私は彼女のことを考えていました。これはたいした問題じゃないなと考えていました。耳で演奏できるミュージシャンと仕事をしているなら楽譜は必要ありません。たとえばクラシックの教育を受けたチェリストと仕事をしているなら、あるいは本当に楽譜の必要な人と仕事をしているなら、ソフトウェアを買えばよいし音符をメモする大学院生でも雇えばいいんですよ。どちらの方法でも、たいした問題じゃありません。

しかしもちろん、この音楽教授には西洋の作曲手法の伝統がしっかりと染み付いています。だから彼女の作曲したものはすべて、意識的にあるいは無意識にこの伝統の決まりごとの範囲を出ることはないんです。コンピュータが彼女の音楽の構成を認識し、音符と休符をあるべきところに置くことに何の問題も起こりません。彼女の演奏はすべて、彼女が演奏するであろうルールに則っているのですから。

でもジェームズ・ブラウンが現れて小節の中ほどでワープさせちゃったら、そのコンピュータはどうするでしょうね。ジェームズ・ブラウンの歌の間ずっと、始めようとしてコンピュータがウンウンいって音を鳴らしているところを思い浮かべます。

ジョイエ:ウィラ、笑えますね。誓ってもいいですよ、あなたは笑わせてくれます。だけどその通りですよ。楽しいイメージが浮かびます・・・ジェームズ・ブラウンの低い唸り声や言葉じゃないボーカルについて行こうとして神経が参っているコンピュータ・・・。ヒステリーね!

ウィラ:面白いですね、ジョイエ。ジェームズ・ブラウンを担当しているコンピュータがジェームズ・ブラウンを真似ているみたい。音楽室で一番働いているコンピュータですよ。他のは悠々とメンデルスゾーンやブラームスの仕事をしてるんです。ジェームズ・ブラウンのコンピュータは揺れ動いて飛び跳ねている。4/4拍子の歌を書き出していて突然3.5拍子になったらコンピュータがどうなるか想像できますか?回路を吹っ飛ばすでしょうね。

ジョー:マイケル・ジャクソンをアーティストとして認めないということの一部には、白人中心、ヨーロッパ中心の音楽の理解の仕方とアフリカ系アメリカ人の美意識の無視(あるいは認めない)ということと関係があるに違いないのです。私たちが今話していることとも関係のある部分もあります。すなわち、確立された形式や技術からの逸脱です。ジェームズ・ブラウンがやったことは「スウィング」や、伝統的メロディーの中でジャズ・ミュージシャンがやるアドリブと大差ないのです。正式なものとして人々に時間をかけて認められた長い歴史をもつ伝統からの逸脱というものは存在しましたが、長い間それは低俗なエンタテイメントと見なされていました。これは芸術的革新へのよくある反応なのです。
その7に続く)

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