座談会:ソングライターとは何か?(その3)

チャールズ:「Don't Stop Til You Get Enough」のデモは仰る通りとても印象的ですが、彼は一人でスタジオに居たわけではありません。楽器を演奏する人たちがいて彼を助けていました。作品のカギとなる要素は存在していますが、演奏家たちがいなければそれはなかったでしょう。そして、優れた実績をもつコラボレーターたちと仕事をした時に達成できた輝きといったものは、全体的にこのデモにはありません。

マイケルのヒーローであるジェームズ・ブラウンに話を戻します。ジェームズ・ブラウンから、彼の曲に対する彼の責任を剥ぎ取るということが流行となったことがありました。批評家たちは、彼はコラボレーターたちに「便乗した」のであり、コラボレーターたちの助言がなければあのような音楽は作れなかっただろうと主張しました。しかし私は長い時間をかけてブラウンのコラボレーターたちにインタビューしたんです。彼のキャリアの中で広い範囲から聞いています。ジェームズ・ブラウンが天才であると信じていない者、あるいは彼抜きでもあの音楽は存在したと信じている者には誰一人として出会いませんでした。

ピー・ウィー・エリスにインタビューをした時、彼はこう話してくれました。

「彼は間違いなく共同で仕事を進める人で、強い影響力を持ち、リーダーだったよ。僕らが人生で二度と見ないであろうビジョンというものを彼は持っていたね。彼は世界最高のファンキーさ。僕らの体中のリズムを全部集めても彼の小指ほどにも満たないんだ。まさに生まれながらのものってわけさ。そしてバンドの率い方。どちらかと言えば、バンドが彼に乗っかっていたんだ。だけどバンドは、彼がそれができるよう土台を提供していたのさ」。

私はマイケルを同じように見ています。彼が書いた決定的ヒット曲はどのジャンルのものでもどれ一つとして彼のビジョンがなければあり得ないものですが、彼のビジョンを現実にするための相応しいチームがなくても存在し得なかったでしょう。彼のアイディアを解釈し命を吹き込むための人が周囲にいる限り、楽譜の読み書きができないということが彼の妨げになるということはなかったのです。

ジョー:いい指摘ですね、チャールズ。「Man in the Music」で提示しようとしている点なんですよ。私たちは、一人で何かをするということは協力し合って何かをすることにくらべて賞賛すべきものであるという文化の中にこの考え方をはめ込んでいるんです(「孤高の天才」という神話です)。だから、批評家たちは、プリンスのような基本的にコラボレーターなしで曲のコンセプトから完成までこなすことができるアーティストに驚くんですよ。それが印象的でないということもないですが、私ならアルバム作りは映画製作と比較します。製作過程の役割(脚本、撮影、衣装、照明、演技など)をすべて監督がやったほうが良いでしょうか?それとも、監督を偉大たらしめるものは、全体を見通すビジョンと情熱をもって製作チームを束ね、プロジェクトを導くための能力でしょうか?

ウィラ:それは素晴らしいたとえですね、ジョー。「ソングライター」というものの定義がマイケル・ジャクソンの制作過程に近づきます。作られた後に歌手やミュージシャンに売却されるというティン・パン・アレー(※)の楽譜製作の伝統からは、彼は現れませんでした。例えばニール・ダイアモンドは出版社向けに曲を書くことから始めました。そして歴史を見ると、この伝統から多くの偉大なシンガー/ソングライターが生まれました。マイケル・ジャクソンは全く異なるバックグラウンドから出現しましたし、彼はもっと総合的なアプローチを採っていました。彼はただ単に曲を書いていたのではなく、他の誰かに手渡してプロデュースさせていました。曲を創り出すとき、彼は完成したものがどう聞こえるようにしたいかというビジョンを持っていました。そしてそのビジョンを達成するために彼は全体の製作過程をリードしました。映画監督がするようなことです。だから、映画監督との比較は良いと私は思います。

※マンハッタンにあった、音楽出版社が集まっていた一角の呼称

その4に続く)
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