マイケル・ジャクソンを読み直す(その9)

「僕は君の目の前でグロテスクになる」

しかし、ジャクソンが整形手術で顔を執拗に変えているという物語はどのようにしてこれほど主流になったのだろうか?タブロイドとある程度の主流メディアがセンセーショナルに走りがちだからということもあると思う。だが、こうも考える。つまり、「Is It Scary」で基本的に言っていたように、ジャクソン自身がその物語が続くよう後押ししていたためではないかと。

例えば、奇妙なストーリーが1995年に出回り始めた。ジャクソンの鼻の先がダンスのリハーサル中に落ちてしまったというものだ。ローリング・ストーン誌の記述がここにある。

「ジャクソンの手が彼の著しく変化した鼻を払い落としたとき、彼はダンス・ムーヴの練習中であった。鼻の先は・・・実際には作り物だが・・・その部屋の隅まで飛んでいった。そしてジャクソンはヒステリックに叫び始めた。クルーたちはその後を追った。『穴が空いてたんですよ、ほんと、小さな穴が。鼻の先があるべきところにね。完璧に円く空いてたんです』と当時同じ部屋にいた者は言う」。

この話はかなり疑わしく思えるものだ。私ならこのシーンをこんな風に描くことができる・・・「ヒステリックに叫びながら」、クルーたちはパニックで彼の「鼻」を追いかけていた、他の者たちは恐ろしさのあまり黙ってそれを見ていた・・・。それはとてつもなく馬鹿げた話であり、ジャクソンのドタバタ喜劇のユーモアセンスに完璧に符号しているように聞こえる(彼はチャーリー・チャップリンだけでなく三バカ大将も好きだった)。彼は大の冗談好きであり名人級であったし、変装もうまかった。彼はこのような壮大な冗談をやるのが大好きだったのである。ユダヤ教のラビ、シュムリー・ボテアックにこう話している。「冗談でしょ?僕が世界で一番好きなことさ、イタズラすることがさ」。さらに重要なことは、彼はその前年、まさに私たちにこう言ったのである。「君の目の前でグロテスクになる」と。彼はこのような事件を正確に予期していたように見える。だからジャクソンが、このかなり「グロテスク」な場面を故意にお膳立てして、鼻の先が落ちたようにみせかけた、ということがあり得るのではないか?少なくとも私はそう疑っている。

ジャクソンは翌年に撮影された「Ghosts」で、真実は見かけとは全く違う、という面白いヒントを出している。映像のある時点で、彼は鼻の先を失くしたように見えるモンスターに変化する。しかし、鼻の先はなくなってはいない。鼻はそこにあり、ずっと見えているのだ。つまり、私たちはそれを鼻とは解釈しないということだ。この巧妙な、しかし比較的簡単な錯視(錯覚)がどのようにして起こるのか、エンドロールでメーキャップの過程を見せることによってジャクソンは明かしている。これがその画面だ。

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鼻の土台は特殊メークで覆われているが、先端はそうなっていないことがわかる。モンスターの鼻が腐って落ちたことを表現するため特殊メークの端は尾根のようになっているが、ジャクソンの本物の鼻はそこにあって見えている。本物の鼻は周囲の特殊メークとは不釣合いで、そこにはないように、あるいは本来そこにあるべき鼻の核のような物に見える。

それは普通では考えられない錯覚であり、ジャクソンの鼻についての一般的な見方を考慮に入れたこのキャラクターの顔を描くためにとった興味深い選択である。ジャクソンが舞台裏へと私たちを連れてゆき、どのようにその顔が作られたのかを詳細に見せるという選択をしたというのはさらに興味深いことだ。前の年のあのダンス・リハーサルで「グロテスク」なイタズラをするために使ったものと同じようなテクニックを彼は使ったのではないか、本当は何が起きていたのか、どうやってそれをやったのか、彼は私たちにヒントを与えているのではないだろうか。
その10に続く)
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