マイケル・ジャクソンを読み直す(その3)

ジャクソンはそのような不協和音の強い力を理解していた。そして彼はどのようにそれを作り出し、維持できるかを正確に知っていた。彼は肌の色の変化を忘れさせることはなかった。実際彼は、私たちが彼に対して真っ先に思い浮かべることがいつもこのことであるよう仕向けていた。彼は外見を絶えず変化させていたので、私たちは彼の外見に慣れるということはできなかった。そして彼はしばしば驚くほど白いメークを使った・・・彼が気づかれずにやり過ごそうとしているのなら使ったであろうシェードではなく。

しかし彼は「やり過ごす」ことは望まなかった。それは彼の目的ではなかった。彼のゴールはまさに反対だったのだ。有色人種が人種問題をやり過ごそうとする時、彼らは自分たちの肌の色のことについて誰も言わないようにと思うものだ。だがジャクソンは私たちに敢えてそれを言わせ、向き合おうとさせたのだ・・・恥と怒り、傲慢と侮辱。彼が顔を変えることで表面化させた人種についての数多くの水面下の感覚に私たちが向き合うよう仕向けたのである。彼の肌の色の変化に私たちが慣れてしまうことをジャクソンは望まなかった。肌の色の変化に直面したとき、私たちの中にある矛盾を感じることを私たちがやめてしまうことは望まなかった。その矛盾が意味することについて、そしてなぜそれほど強くその矛盾を感じるか考えることを私たちがやめてしまうことは望まなかった。そして私たちは彼が望んだ通りにしてきたのである。20年後、彼の死後でさえ、いまだに私たちは自分の中にその矛盾を感じているし、そのことについて話してもいる。それはいまだに私たちに挑戦しているのである。

ジャクソンが、人種と同様に性別というものに対するイメージを混乱させるという選択をしたのは重要だ。人種と性別の一方に対する私たちの反応は、もう一方への理解を容易にするからだ。彼が自分の人種を恥じていると多くの人が非難する一方で、性別に恥じているとは誰も非難しなかった。人種と性別に関しての彼のイメージの変化は良く似ているが、私たちの反応は全く異なるものであった。つまり、彼も違うものと考えていたのか?それとも私たちが違うものと考えたのか?彼は黒人であることを恥じていたのか?それとも、私たちが黒人であることをいまだ恥ずべきこととして見ている一方で男性であることを恥ずべきものとは考えないからこそ、彼が白斑を患っていると私たちに告げた後でさえも、彼が黒人であることを恥じているという解釈に私たちは固執したのか?マイケル・ジャクソンというアーティストが、私たちに向き合わせようとしている不安定な疑問というようなものが私たち自身の中に存在しているのである。

おそらく、子供への影響はより大きいと思われる。私の12歳の子供は、「ABC」から「Beat It」、「Men In BlackII」までどれでもすぐにジャクソンだと見分けている。そしてジャクソンは、一人の人間の外見がこれほど違うにもかかわらず、これほどまでに独自であり、どう見ても彼自身である、というアイディアを完璧に気に入っているようだ。「マイケル・ジャクソン」というものを、一人の人として、そして一つのコンセプトとして、私にはまったくわからない考え方で、彼は理解しているのである。

このことは私をある疑問へと導く。たくさんのマイケル・ジャクソンの顔とともに育った子供たちのすべての世代はどうなのかと。子供たちの「黒人である」、「白人である」と言う基準は前の世代ほど厳格ではないのではないか・・・彼らの人種の境界についての認識はもっと流動的でそれほど絶対的なものではないのではないか・・・すべては一人の男がそのような境界を横断するというビジョンと勇気を持っていたためである。

そしてそれには勇気が必要だった。習慣に従うべきだというジャクソンへのプレッシャーはとてつもないものだったに違いない・・・中傷する者からのプレッシャーと同様、支持者からのプレッシャーも。白人同様黒人からのプレッシャーも。彼がやっていたことを好む者はいなかった。しかし彼は私たちに反抗した。そして彼がしたいこと、あるいはすべきと思うことを彼はやった。もしこのアーティストの目的が私たちを不安定にすることにあったのだとすれば、私たちの認知や信念に挑戦し、私たち自身と私たちの文化を新しい見方で見させようとすることであったとすれば、ジャクソンの最も挑発的な作品は、まず間違いなく彼自身の変化する体である。ウォーホルがキャンベルのスープの缶を見せることで、私たちと消費文化との関係を新しい形で考えさせようとしていた一方で、ジャクソンは私たちに見ることを強いた・・・私たちが子供のころから愛した男の子が期待しなかったものに成長したところを・・・そして私たちのアイデンティティや人種、男らしさ女らしさ、性別というものに挑戦したのである。
その4に続く)
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