ジャーメイン・ジャクソン:「You Are Not Alone」より(その2)

「もっと速く!もっと速く!」マイケルは高い声で叫んでいた。彼はショッピングカートの前に座っていた・・・顎をひざの上に乗せて・・・ティトとマーロンと私は23番通りを走ってカートを押していた。私は両手でハンドルバーを掴み、ティトとマーロンがカートの両脇だ。車輪はグラグラしながら夏の日の道路の上を弾んでいた。私たちはボブスレーのチームのようにますます速度を上げ、前へ前へと力を込めていた。だが私たちの頭の中ではこれは列車だった。私たちはよく、近所のスーパーマーケットGiantsのショッピングカートを2台、時には3台見つけてつなげた。Giantsは3ブロック向こう、私たちの家の裏にあった運動場の向こうにあった。しかしショッピングカートはよく通りに放置されていた。だからショッピングカートを乗っ取るのは簡単だった。マイケルは「運転手」だった。

マイケルはライオネルの鉄道模型が大好きだった。小さいのに重い、蒸気機関車の模型でオレンジの箱に入っていた。母が服を買うために私たちをSalvation Army(救世軍が開いている小売店)に連れて行く時は、マイケルはいつもおもちゃ売り場へと階段を駆け上がり、誰かが中古のライオネル列車セットを寄贈していないかどうか見ていた。だから彼の頭の中では、私たちのショッピングカートは2両か3両編成の列車で、23番通りはトラック状の線路の直線部分だった。それは客を乗せるには速すぎる列車だった。マイケルが列車の音をまねた轟音とともに走る列車だった。家から50ヤードほどの、23番通りの突き当たりまで来ると、私たちは急ブレーキをかけた。

通りで列車遊びをしていない時は、彼は家で兄弟たちと共有の寝室のカーペットの上で、ライオネルの蒸気機関車の音を立てていた。私たちの両親には新品や、ましてや線路と駅と信号所がセットになった電気機関車を彼に買ってやる余裕などなかった。パフォーマンスをするという夢を持つ前の彼の頭の中に、列車セットを買うというものが長い間あったのはこういうわけなのである。

ショッピングカートの列車に飽きると、私たちはゴーカートを作った。近所のガラクタ置き場の箱やベビーカーの車輪、板などで組み立てた。ティトは兄弟たちの中で「エンジニア」だった。彼は組み立てるコツを知っていた。キッチンのテーブルの上で時計を分解しては組み立てるということをずっとやっていたし、家の脇に止めてあるジョセフのビュイック(車)のボンネットを開けてジョセフが何かしているのを観察していたから、彼は父の道具箱がどこにあるかを知っていた。私たちはハンマーを使って3枚の板でIの字型のシャシーと車軸を作った。コクピット・・・四角い木の箱だった・・・を釘で打ちつけ、ステアリングのためのヒモを洗濯ヒモから拝借した。前輪を通してループを作り、手綱のように握った。実際には、オイルタンカーくらい回転半径がタイトだったので、ほとんど直線しか走れなかった。

家の裏にあった広い路地・・・片側に草の生えた裏庭が並び、もう片方は金網のフェンスだった・・・は、私たちのサーキットだった。「レース」に夢中になっていた。私たちはよく2台のゴーカートをつなげた。ティトがマーロンを押し、私がマイケルを押して50ヤードダッシュだ。私たちには競争意識というものがあった。誰が速いか、誰が勝つか。

「速く、速く、速く、速く!」マイケルが叫んだ。身を乗り出し、リードを奪おうとせき立てた。マーロンも負けず嫌いだったから、マイケルはいつも激しい競争となった。マーロンは、なぜ自分の影を追い抜けないのか決して理解しない子だった。激しい決意の表情で自分の下を見ながら通りをダッシュし、ついてくる影を引き離せないとなると、その決意が怒りに変わる。そんな様子を今でも思い出せる。

金具が通りを削り取り、車輪がゆがみ外れるまで、私たちは二台のゴーカートを押した。そしてマイケルはマイケルでひっくり返っていて、私は笑いすぎて立っていられなかった。
その3に続く)
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