Off The Wall: Pichforkのレビュー

1976年の夏、「The Jacksons」と題されたバラエティ・ショーがCBSでデビューした。この番組は、彼らショービジネス界のヒナ鳥たちにとっては比較的ゆとりがある時期に誕生した。ジャクソン・ファイヴが「ABC」や「I'll Be There」といったヒット曲で全米のフィーバーに火をつけ、しかし、マイケル・ジャクソンがソロとしてのスターダムを確立する前の時期である。彼らの将来の成功には疑問符がついていたように思う。きらきらの照明、ギンギラギンの衣装、そして安っぽさ全開のこの番組は、ラスベガス・スタイルのよくあるお楽しみ番組スタイルであった。「On the Wall」というコーナーではマイケルがさまざまなゲスト司会者を招いてフェイクのレンガ壁にサインをさせ、少しダンスを披露した後、決めポーズでしめる、ということを繰り返していた。「The Jacksons」ではマイケルは終始笑顔であったが、後に「隅から隅まで嫌いだった」と彼は言っている。この番組放映中の彼は、ひょろっとしたニキビ面のティーンエイジの真っただ中であった。悪名高い厳格な父親によってスポットライトの中で成長した彼は、あまりに内気であり、子供スターという壁を打ち破れないのではないかと心配していた。彼は、色あせていく家族の名前にすがりたいとは思っていなかった。

「Off The Wall」はそういったものからの解放のサウンドである。そして彼は自分がやっていることを正確に理解していた。1979年11月6日、まさに同アルバムが離陸しようとしている時、マイケルは自分自身に宛てて、ツアー日程が書かれた紙の裏にメモを書いた。自分に対する宣言だが、あまりに野心的であり、カニエでも赤面しそうである。「MJが僕の新しい名前になる。もうマイケル・ジャクソンじゃない。新しいキャラクター、新しい外見が欲しい。まったく違う人間になるべきだ。誰も僕のことを、『ABC』や『I Want You Back』を歌った子供とは考えないようになるべきだ」と彼はメモしている。「僕は世界に衝撃を与える新しいアクターになるべきだ。インタビューは受けない。僕はマジックになる。完璧主義者になる。研究者になる。指導者になる。達人になる・・・世界のエンタテイメントを研究し尽す。そしてパーフェクトに勝つ。偉人がたどり着いたその先へ歩みを進めるんだ」。

 これらの言葉はもちろん多くの意味で将来を予言したものであったのだが、マイケルの最も重要な二面性の一つをハイライトするものでもある。すなわち、彼は予想や現実を越えるマジックになりたいと思っていたが、そのようなスキルというものは薄い空気からは具現化しないということを彼は分かっていた。例外であるにはハードワークが必要だと彼は理解していた。モータウンのシステムの中で育つ中で、彼はセッションにしばしば入り込んでダイアナ・ロスやマーヴィン・ゲイ、テンプテーションズといった大物たちから吸収した。彼はジェームス・ブラウンやサミー・デイヴィス・Jr、フレッド・アステアの動きをステージや映画、テレビで研究した。彼は17歳で、アーヴィング・バーリンやジョージ・ガーシュイン、デューク・エリントンといった神聖化された達人たちをお気に入りのソングライターとして数えていた。彼は70年代初期にソロ・アルバムを4枚リリースしているが、21歳の時にリリースした「Off The Wall」に至ってついに、研究に費やした時間を彼自身のものへ投入することが許されたのである。

また、それは理想主義の瞬間でもあった。「Off The Wall」製作当時、マイケルの音楽面と物理的変化には、ブラック・アメリカンとしての経験が伸長していくことに対しての自然な喜びが感じられる。ディスコは圧倒的人気を誇り、人種差別やラジオの番組構成を解体し、ダンスフロアにはユートピアが実現していた。インディアナ州ゲーリーという隔絶された労働者階級の町の出身のジャクソンが成功し受けいれられたということはこの国の将来が明るいということを表わしていた。しかし1979年は、人種差別的反動「disco sucks(ディスコなんてクソ!)」が始まった年だ。マイケルは最初の鼻の整形を行い、小鼻を小さくした。80年代になってさらなる成功を収めても、その天文学的成功をもってしても、時として白人テイストに・・・外見とサウンドの両方で・・・迎合した。それはかなり無理をした、皮肉った、そして悲しいやり方であったように思われる。

だから、「Off The Wall」が、戻るには余りにも臆面もなく楽しいままでいるという理由には、因習にとらわれていないということもある。41分の間、私たちは永遠に若いネバーランドに、マイケルが熱望した、考える必要も死の心配もない宇宙に浸ることができるのだ。このように、絶えることのない愛情というものが、スパイク・リーのドキュメンタリー「Michael Jackson's Journey from Motown to Off the Wall」では繰り返される。このドキュメンタリーは再発売されたCD/DVDに収録されるが、この中で、ジャクソン・ファミリーのメンバーや、ウィークエンドのエイベル・テスファイ、クェストラブ、ファレルらがマイケルの最初の化身である本作を讃えている。「『Off The Wall』は僕でも歌えると思わせてくれたアルバムであることは間違いないよ」とテスファイはドキュメンタリーの中で語っている。本ドキュメンタリーの制作にはエステートの執行人らも関わっているが、『Off The Wall』後のジャクソンの私生活についてはほとんど触れられていない。

このアルバムはディスコの時代が終わりを迎えようとしていたころにリリースされた。そのスタイルの伝染性を網羅しようとした一方で、鋭さは取り除いていた。「私たちの基本的なプランはディスコを排除することでした。それが大事なことでした」と、プロデューサーのクインシー・ジョーンズは語ったことがある。「誤解しないで下さいよ、私はディスコというものを敬服していました。ただ、時代はもう去ったと思ったのです」。落ち着いた雰囲気のジャズの大家であるクインシーは、ディジー・ガレスピーやフランク・シナトラ、カウント・ベイシーらとも仕事をしたこともある。彼はマイケルが自作曲や他作曲を仕上げていくのを手伝い、美しくシンプルでありながら実は複雑なレコードを製作した。

大半の曲はディスコの基本に忠実だ。いろいろ考えるな、ただダンスしろ。マイケルはこのような恍惚感に加わっていた。一方でこの間、映画「Wiz」をニューヨークで撮影しており、ダウンタウンで過ごす間にウッディ・アレンやライザ・ミネリ、スティーヴン・タイラー、ジェーン・フォンダらとスタジオ54で出会っていた。話を総合すると、マイケルはクラブの悪名高いセックスとドラッグの乱痴気騒ぎには加わらず、DJブースに立ってそれを観察していた。どんな曲が反応がよいかを見出していたのだという。そして彼はダンスを始め、回りの音楽やムーヴメントを抜け出してハイになっていった。

マイケルはジョーンズと一緒にディスコ・アンセムを作っていったが、単に従来のものをコピーするのではなく、洗練されたストリングス、ホーン、そしてシンコペーションの層を成す濃密なオーケストラ・アレンジを用いてその形式を発展させていく一方で、基礎となるファンクの色は決して失うことはなかった。これは、象徴的なオープニング曲「Don’t Stop ‘Til You Get Enough」で聴くことができる。この曲はマイケル初の自作曲であり、現在では世界で3000万枚を売り上げたこのアルバムから生まれた4曲のトップ10ヒットの先陣を切った曲だ。ロマンティックな恋愛への頌歌であり、当時のマイケルには経験がなかったものである。だが、この曲の複雑さと、苦も無く発する高音、そして歌い回しは深い理解を示唆しており、言葉では言い表わすことができな。もう一つのマイケル作の曲「Working Day and Night」は、幼少期の働き過ぎと悪化した被害妄想の有害作用を言外にほのめかしているが、その一方で躍動するギター・ラインと豊かなホーンがグルーヴを動かし続けている。

明らかに実験的試みと見られるものもある。「Off The Wall」は15秒間の不気味な笑い声とぼんやりとした伴奏でスタートする。「Thriller」のとてつもない奇怪さの前触れである。スティーヴィー・ワンダーとの共作で元々はスティーヴィーのアルバム「Songs in the Key of Life」用に書かれた「I Can't Help It」はスムーズなジャズとキラキラのシンセサイザの合体である。ファレルの独特のファンクにその影響が見られるといっても言い過ぎではないだろう。バラードの「She's Out of My Life」は、ビートのないメロドラマでアルバムを凍らせてしまうというリスクを負うが、古典的な形式で締めくくっている。曲の終わり、マイケルはそれとわかるほどに感極まり、声はかすれているのだ。有名な完璧主義者としては不完全な瞬間であり、そしてジョーンズのプロデュースは抑制された美しさで感情を表現している。「腕の悪いプロデューサーならあらゆる演出を利用していただろうね」とクェストラブはドキュメンタリーで笑いながら語っている。「信じてくれよ、もしPuffyが『She's Out of My Life』をプロデュースしていたら、彼はきっと・・・ツアーのスポンサーにクリネックスを頼んでいただろうよ」。

そんなジョークが心に響く。「Off The Wall」は、商品になるべく父親に養育された少年によって作られた商品なのだ。彼のアイドルたちはしばしばテレビの画面に登場していたし、彼はそれを拒絶しようとするには十分すぎるほどに自分が商品化されているということを理解していた。その一方で、彼はアルバムを何千枚も売ることを狙い、世界を束ね、そして究極のエンタテイナーになった。彼の冒険には多くの矛盾があったし、今にして思えば、その後マイケルを待ちうけていた落とし穴は避けることは不可能だったように思える。だが、「Off The Wall」はあのようにあり得ないくらいのバランスの瞬間だ。マイケル・ジャクソンの純粋さと無垢さが、未熟とかいびつなものではなく、神聖なものになっている瞬間。彼がレコードで泣く時、彼は自分のアートの中に生きている。そして私たちに天才のパフォーマンスを見せてくれるのだ。

(原文)In the summer of 1976, a variety show called "The Jacksons" debuted on CBS. The program came about during a relatively fallow period for the showbiz brood, after the Jackson 5 ignited nationwide fervor with hits like "ABC" and "I’ll Be There" but before Michael Jackson set out for solo superstardom. Their future success seemed in doubt, and the show—with its glaring lights, sparkling costumes, and rampant cheesiness—was a Vegas-style extravaganza that played to well-worn pleasures. One recurring segment called "On the Wall" saw Michael inviting various guest hosts to sign a fake brick facade and do a little dance before everyone eventually ended up in a frozen ta-dah! pose. Though Michael was all smiles on "The Jacksons," he later claimed that he "hated every minute" of it. During the show’s year-long run, he was smack in the middle of gangly teenagedom, acne and all. Raised in the limelight by an infamously strict father, Michael was painfully self-conscious, worried that he might never be able to shake his child stardom. He didn’t want to merely cling to his family’s fading notoriety. He wanted to break away from it completely.

Off the Wall is the sound of that liberation. And he knew exactly what he was doing. On November 6, 1979, just as the album was starting to take off, Michael wrote a note to himself on the back of a tour itinerary, a proclamation of self so ambitious it could make Kanye blush. "MJ will be my new name, no more Michael Jackson. I want a whole new character, a whole new look, I should be a totally different person. People should never think of me as the kid who sang ‘ABC’ [and] ‘I Want You Back,’" he jotted down. "I should be a new incredible actor singer dancer that will shock the world. I will do no interviews. I will be magic. I will be a perfectionist, a researcher, a trainer, a masterer… I will study and look back on the whole world of entertainment and perfect it. Take it steps further from where the greats left off."

Those words were eerily prescient in many ways, of course, but they also highlight one of Michael’s most important dualities: He wanted to be magical—to defy expectation and reality—but he knew that such skills could not materialize from thin air. He understood that exceptionalism took hard work. Growing up in the Motown system, he would often sit in on sessions, soaking up lessons from the greats: Diana Ross, Marvin Gaye, the Temptations. He studied the way James Brown, Sammy Davis Jr., and Fred Astaire moved their feet onstage, in movies, and on TV. At 17, he counted hallowed masters like Irving Berlin, George Gershwin, and Duke Ellington among his favorite songwriters. He had released four solo albums in the early ’70s, but Off the Wall, which came out when he was 21, finally allowed him to flex all those hours of research into something that was his.

It also marked a moment of idealism. Around the time of Off the Wall, Michael’s musical and physical changes felt natural—joyous extensions of the black American experience. Disco was overwhelmingly popular, breaking down color lines and radio formats while offering utopia on the dancefloor. Coming from the segregated, working-class city of Gary, Ind., Jackson's achievements and acceptance represented a rosy view of the country’s future. But 1979 was scarred by the beginning of the quasi-racist "disco sucks" backlash; Michael also got his first nose job that year, narrowing his nostrils. And though he would become even more successful in the '80s, those astronomical heights sometimes catered to white tastes—in both appearance and sound—in a way that could seem effortful, cynical, and sad.

So part of the reason why Off the Wall remains so unabashedly fun to return to involves that lack of baggage. For 41 minutes, we can live in the eternally young Neverland Michael longed for, a universe largely without consequence or death. This lasting affection is reiterated by a new Spike Lee documentary, Michael Jackson's Journey from Motown to Off the Wall, which is included in this CD/DVD reissue and finds Jackson family members and associates, along with more modern stars like the Weeknd’s Abel Tesfaye, ?uestlove, and Pharrell, paying tribute to Michael’s earliest incarnations. "Off the Wall was definitely the one that made me feel like I could sing," says Tesfaye in the doc, which was in part produced by executors of Michael’s estate and barely mentions anything about the artist’s life after Off the Wall.

The album was released toward the tail end of the disco era and it managed to encompass much of what made that style so infectious while also pushing out its edges. "Our underlying plan was to take disco out. That was the bottom line," the record’s producer, Quincy Jones, once said. "I admired disco, don’t get me wrong. I just thought it had gone far enough." Jones, a calm, jazzy Zen master who had worked with Dizzy Gillespie, Frank Sinatra, and Count Basie, helped Michael flesh out his own songs as well as tracks written by others, putting forth a record that is at once beautifully simple and sneakily complex.

Most of these songs follow the most basic disco tenet: Put all of your worries behind you and just dance. Michael took part in this type of ecstasy while filming 1978’s The Wiz in New York City, when he would spend his downtime brushing shoulders with the likes of Woody Allen, Liza Minelli, Steven Tyler, and Jane Fonda at Studio 54. By all accounts, Michael didn’t take part in the club’s notorious orgies of sex and drugs, but he observed it, standing by the DJ booth and noticing which songs drew the biggest reactions. And he would dance, getting high off of the music and movement around him.

Alongside Jones, Michael made his own disco anthems, but rather than merely copying what came before, he expanded the form with dense, orchestral arrangements that mixed in sophisticated layers of strings, horns, and syncopation while never never losing their underlying funk. This is heard on iconic opener "Don’t Stop ‘Til You Get Enough," the first song Michael ever wrote by himself and the first of four record-breaking Top 10 hits from the album, which has now sold 30 million copies worldwide. It's an ode to the power of romantic love, something Michael had little experience with at that point. But the track’s intricacies, as well as the singer’s effortlessly rhythmic yelps and phrasing, suggest a deeper understanding, one that goes beyond words. Another Michael-penned track, "Working Day and Night," hints at the detrimental effects of his workaholic upbringing and an encroaching paranoia, though ricocheting guitar lines and exuberant horns keep the groove moving along smoothly.

There are more overt experiments here, too. "Off the Wall" begins with 15 seconds of sinister-sounding laughter and spaced-out instrumentation—a precursor to the high-wattage oddities of "Thriller"; co-written by Stevie Wonder and originally intended for Songs in the Key of Life, "I Can’t Help It" incorporates smooth jazz and twinkling synths—its influence on Pharrell’s off-kilter funk cannot be overstated. The ballad "She’s Out of My Life" risks stopping the album cold with its beat-less melodrama but ends up being a classic of the form, with Michael audibly moved to tears at the end of the song, his voice cracking. It’s an imperfect moment from a noted perfectionist, and Jones’ production handles the emotion with understated grace. "A lesser producer would have milked all that drama for all it’s worth," says ?uestlove in the doc, laughing. "Trust me, if Puffy was producing ‘She’s Out of My Life’ he would have had… Kleenex sponsor the tour."

The joke resonates. Off the Wall is the product of a boy who was reared by his father to be a product, whose idols were often found on his TV screen, who understood his own commodification enough to want to reject it—while also aiming to sell a gazillion albums and unite the world and become the ultimate entertainer. There are many contradictions in that quest and, in hindsight, Michael’s subsequent pitfalls almost seem inevitable. But Off the Wall was that unlikely moment of balance, when Michael Jackson’s purity and innocence still seemed holy, not stunted or distorted. When he cried on record, he was living his art, giving us a genuine performance.

Source: pichfork.com

エイドリアン・グラント:The Man, The Myths And Off The Wall

スパイク・リーの新作ドキュメンタリー「Michael Jackson’s Journey From Motown To Off The Wall」は、子供時代から世界を制したスーパースターとなるまでのマイケル・ジャクソンの成長を辿るものです。私はマイケルと知り合いとなり、一緒に仕事をするという幸運に恵まれました。そして私もスパイク・リーにならい、その人の名声の裏側に光を当ててみたいと思います。

まず初めに私のことを少し書きます。私はマイケル・ジャクソンのビッグファンの一人です。1983年のテレビ・スペシャルのモータウン25周年記念で初めてムーンウォークを目にして以来のファンです。

その5年後、私はイギリスで最初のファン・マガジンを発刊しました。それが、その後21年間にわたる、すばらしいジェットコースターの始まりでした。「Michael Jackson: The Visual Documentary」の出版、独占インタビュー、アルバム「Dangeous」と「HIStory」の製作中のスタジオで仕事中のマイケルを見学するという栄誉、ワールドツアーの同行、ネバーランドの訪問、そして、ウェストエンドのミュージカル、「Thriller Live」の製作です。

これも申し上げておくべきでしょう。「Off The Wall」は、スティーヴィー・ワンダーの「 Songs In The Key Of Life」、ローリン・ヒルの「The Miseducation of・・・」と並んで私のお気に入りの一つです。しかしながら、正直に言って、スパイク・リーのドキュメンタリーは、あまりにもジャクソン漬けの私の人生に対してすら、新たな光とインスピレーションをもたらしてくれました。

「Off The Wall」は1979年8月のマイケルの21回目の誕生日の前の日にリリースされました。そして、世界に向けて成長したソロ・レコーディング・アーティストとして彼を紹介するアルバムでした。それ以前の彼はジャクソンズの中心として知られていました。ジャクソンズ自体、「Shake Your Body Down (To The Ground),」というヒット曲を出したばかりであり、また、それ以前にも、キュートな11歳の子供として、ジャクソン・ファイブとともにデビューから4曲連続ナンバーワンを獲得しています。

マイケル・ジャクソンがどれほどの完ぺき主義者であったのかということはこれまでも聞いてきましたが、スパイク・リーのドキュメンタリーでは一貫して研究し成長することへの彼の情熱が語られ、彼の完ぺき主義が改めてよくわかります。1979年11月6日付けのマイケル自筆の手紙が読み上げられるシーンは感動的なシーンの一つです。その中で彼は、もはや「ABC」や「I Want You Back」を歌う子供として認識されたくないと語っています。自分自身を作り変えるとも語っています。すばらしい俳優になる、ダンサーになる、シンガーになる、と。インタビューは受けない、マジックになる。最高のトレーニングシステムが必要だ、世界中のエンタテイメントを研究し、完璧なものとする!とも。

これらは21歳の青年としては大言ですが、「Thriller」へと続くこのアルバムを見れば、マイケル・ジャクソンはすばらしいビジョンを持ち、そして体現したと言わざるを得ないでしょう。

私のショー「Thriller Live」では、ゲーリー・ロイド監督がスタジオ54の雰囲気を再現しています。70年代後半に人気があったニューヨークのワイルドなナイトクラブです。ドキュメンタリーでは、マイケルがこのクラブの常連であったことがわかります。彼はこのクラブを「現実逃避」と評しています。アンディ・ウォーホルやグレイス・ジョーンズ、ライザ・ミネリ、デヴィッド・ボウイといったセレブも常連でした。

私は、この時期はマイケルの覚醒であったと思っています。スタジオ54は、「 Don't Stop 'Til You Get Enough」や「Working Day And Night」、「Get On The Floor」といった曲を書くための創造力を彼に与えたのです。ベーシストのルイス・ジョンソンとの共作の「Get On The Floor」については、あえて静かにそのファンクを聴いてほしいところです。「Thriller Live」ではこの曲は6人のミュージシャンが毎晩演奏しています。音楽監督のジョン・マーがアレンジを担当しましたが、彼によると、ウェストエンドで3000回以上も公演しているなかで、ショーのディスコ・セクションがバンド・メンバーたちのもっともお気に入りのパートであり、決して飽きることがないそうです。

その理由はアルバムを聴けばわかります。それはミュージシャンの夢であり、クインシー・ジョーンズという巨匠によって完璧に練り上げられています。「Off The Wall」を製作するマイケルと"Q"は、スタジオで生演奏でサウンドを作っていく際に最高の才能たちをそろえました。そこには正真正銘の音質と職人の技をアルバム与える本物のブラスやベース、パーカッションがあるのです。スパイク・リーは率直な会話を重ねることでアルバム製作過程以上のものを私たちに見せてくれます。インタビューの相手は、キーボード奏者のグレッグ・フィリンゲインズやサウンド・エンジニアのブルース・スウェディーンといったその場にいた人々や、ファレル・ウィリアムスやウィークエンド、マーク・ロンソンなどの現在のスターたちです。

マイケルはどんな人でしたか、と私はよく尋ねられます。私は正直に答えています。彼の心は大きな子供でした、大変jな冗談好きで、忘れられない笑顔をたくさん見ました、と。でも仕事のこととなると、彼はとてもまじめでした。最高のものを求めていました。報道で目にする話のほとんどは真実ではありません。たとえばフランスで1000万ポンドの城を買ったとかいう話がありました。でも私がネバーランドにいたとき、彼は問題となっているその城を見せてくれたのです。それはただの複製だったのです!

1994年に私たちはブダペストへ行きました。マイケルはリサ・マリー・プレスリーを連れて子供病院を訪問し、贈り物やおもちゃを手渡しました。私は幸運にも唯一同行をゆるされた"メディア"でした。私は喜んで病気の子供たちにプレゼントを渡す手伝いをしました。でも、疑り深いメディアは、この旅が売名行為以外の何物でもないと報じました。数週間もまったく動かず言葉も発していない瀕死の少女にマイケルが笑みをもたらしたという感動的な瞬間をメディアは見ていなかったのです。看病していた少女の母親は、少女が手を伸ばしてマイケルの手に触れた時、泣き崩れていました。

マイケルはしばしばメディアから冷笑され、「Wacko Jacko」とレッテルを貼られて侮辱されました。イギリスの赤い見出しのタブロイド紙によるレッテルです。1998年のインタビューでマイケルは私にこう言いました。

「タブロイドはデタラメばかりだ。タブロイドをつぶす手段があるべきだと思うんだ。大きな炎を作りだすべきなんだ!世界中のスタジアムで・・・すべてのタブロイドを積み上げて。彼らがディスコのレコードでやったことを覚えているかい?人々に気づかせようと大きな炎を作りだしたのさ。いつものこと、恐ろしいことだ。奴らは誰かれ構わず追い回す。おぞましいことだよ。自分たちが書いたことを人がどう感じるかなんてこれっぽっちも考えないのさ」。

マイケルのキャリアには他にも議論となりうるたくさんのゴシップがあります。でも、スパイク・リーのドキュメンタリーは、「Thriller Live」と同じように彼の音楽に焦点を当てているのです。こう言えてうれしいです。マイケル・ジャクソンの才能を改めて思い出させてくれます。私たちが人生で何かを成し遂げようとした時、一番大事なことは一生懸命に働くことである、と私たちに示してくれます。

このドキュメンタリーは私にとって、マイケルがいかに偉大なエンタテイナーであったか再認識させてくれると同時に、彼と知り合えていかに幸運だったかということを思い知らされます。私たちは現在に満足するべきではない、なぜなら、もっとできることはいつでも存在しているのですから。そういうことを教えてくれるのです。

MJの言葉で言えば、「満足するまで止めない!(Don't Stop 'Til You Get Enough)」ということです。

Michael Jackson’s Journey From Motown To Off The Wall (アルバムとブルーレイ) はAmazonほかで発売中(日本盤は3月9日発売)。

Thriller Liveはロンドン・ウェストエンドのリリック・シアターにて、2017年9月4日公演分まで予約受付中。

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■Michael Jackson: The Man, The Myths And Off The Wall

Spike Lee’s new documentary, Michael Jackson’s Journey From Motown To Off The Wall, captivatingly tracks the evolution of the singer from childhood through to world-conquering superstar. I was fortunate to know and work with Michael, and like Lee, would like to shed some light upon the man behind the fame.

First, a little background info: I’m a BIG fan of Michael Jackson and have been since I saw him moonwalking for the first time on TV during Motown’s 25th Anniversary TV Special in 1983.

Five years later I published the UK’s first Michael Jackson fanzine, and what followed was an amazing 21-year roller coaster ride which saw me write a best selling book – Michael Jackson: The Visual Documentary, exclusive interviews, the privilege of watching Michael work in the studio producing the albums Dangerous and HIStory, travelling on his world tours, numerous trips to his magical home Neverland, and the West End musical Thriller Live that I created.

I should also mention that Off The Wall is one of my favourite albums of all-time, alongside Stevie Wonder’s Songs In The Key Of Life and Lauryn Hill’s The Miseducation of… However, I will honestly say, that despite all of the above this film brought new light and inspiration to even my overly filled Jacksonesque life.

Off The Wall, was released in August 1979 on the eve of Michael’s 21st birthday, and it introduced the world to him as a mature solo recording artist. Previously he had been known as the lead of The Jacksons, who themselves had just reignited their careers with the hit song Shake Your Body Down (To The Ground), and before that as the cute 11-year old kid who with The Jackson Five had four consecutive number ones with their first four releases.

We’ve heard before what a perfectionist Michael Jackson was, but that message is really driven home throughout Lee’s documentary as we are told about his passion to learn and become better. In one heartfelt moment a handwritten letter by Michael dated 6th November 1979 is read out on screen. In it he says how he no longer wishes to be remembered as the kid that sang ABC and I Want You Back. That he will reinvent himself. He will become an incredible actor, dancer and singer. He will do no interviews. He will become magic. That he must have the most incredible training system. He will look back on the whole world of entertainment and perfect it!

They were quite big statements for a 21-year old, but when you look at the album that followed (Thriller) you’d have to say that Michael Jackson had an unbelievable vision that he truly fulfilled.

For my stage show, Thriller Live, director, Gary Lloyd recreates the look and feel of Studio 54, a wild New York Nightclub popular in the late 70s. In the documentary, we see Michael as a regular guest at the club, which he describes as “escapism”, also frequented by other A-list celebs such as Andy Warhol, Grace Jones, Liza Minnelli and David Bowie to name but a few.

I’ve always felt that this period in Michael’s life was his real awakening, and Studio 54 gave him the creative juices to pen the songs Don’t Stop ‘Til You Get Enough, Working Day And Night, and Get On The Floor. I dare you to keep still whilst listening to the funk of the latter song, co-written by bass guitarist Louis Johnson. The music in Thriller Live, played each night by six musicians, was arranged by Musical Director, John Maher. He states, having played almost 3,000 shows in the West End, that the Disco section of the show is the bands absolute favourite, and something they never get tired of.

And when you hear the album you can see why. It’s a musician dream, perfectly orchestrated by the maestro that is Quincy Jones. When Michael and ‘Q’ produced Off The Wall, they had some of the best talent around putting down the sounds live in the studio. There’s real brass, bass and percussion that gives the album an authentic feel of quality and craftsmanship. Lee via a series of candid talking heads takes us through the album’s creation and beyond as he interviews those who were present such as keyboardist Greg Phillinganes, and Sound Engineer, Bruce Swedien through to the stars of today who the album has inspired including Pharrell Williams, The Weeknd and Mark Ronson.

People often ask me what was Michael like, and I answer truthfully, saying that he was a big kid at heart who was a lot of fun with a huge memorable smile. But when it came to his work he was very serious. Wanting the very best. Most of the stories you read in the press were not true. For example, they once said he had bought a £10 million castle in France. However, when I was at his Neverland ranch, he showed me the castle in question and it was just a replica model!

Then there was a trip we had to Budapest in 1994. Michael, along with Lisa Marie-Presley, was visiting a children’s hospital, handing out gifts and toys. I was fortunate to be the only ‘media’ allowed to accompany them, and I was delighted to help in giving the gifts to some of the sick kids. However the sceptical press suggested the trip was nothing more than a publicity stunt. What they didn’t see was the moving moment when Michael brought a smile to the face of a dying girl who had lain motionless and silent for weeks. Her mother, at her side in constant vigil, broke down in tears as her daughter reached out and touched Michael’s hand.

Michael was often mocked by the press, and he despised the ‘Wacko Jacko’ tag, that the British redtops had labeled him with. During an interview in 1998, Michael said to me:

The tabloids are a bunch of trash. I think there should be a way to destroy them. We should create a big burning, like in the stadiums around the world – pile them all together! You remember how they used to do the disco records, and just create a burning, to make people aware. It’s such an intrusion. It’s a horrible thing. They hunt you, and it’s terrible. It creates such ugliness. They never think about how the person feels about what they are writing.

There is a lot of other gossip one could discuss throughout Michael’s career, but Spike Lee’s documentary I am glad to say just focuses, like Thriller Live, on the music. It reminds us what a talent Michael Jackson was, and it shows us that hard work is one of the most important keys to whatever we want to achieve in life.

The documentary reminded me once again, what a great entertainer Michael was, how lucky I was to have known him, and how nobody should ever rest on their laurels, because there’s always more you can do.

In the words of MJ, “Don’t Stop Til’ You Get Enough!”


Thriller Live is currently is booking until the 4th September 2017 at The Lyric Theatre, London West End.

Source: THE METROPOLIST

「Michael Jackson's Journey From Motown To Off The Wall」:マイケル自筆の手紙

最高のエンタテイナーとして自分を作りなおすと決意を表明しているマイケル・ジャクソン自筆の手紙が新しいドキュメンタリーで明かされている。その中でマイケルは、ジャクソン・ファイヴの頃の自分から変わることについて語っており、「まったく新しい外見」が欲しい、「全く違う人になるべき」などとしている。

これは自分自身に向けられた自筆のメモであるが、スタジオ・アルバムとしてはソロでのデビュー作となる1979年の「Off The Wall」がリリースされた年に書かれたものである。これ以前に、彼は兄弟たちと歌ってチャートのトップに立ってきた。

この手紙はドキュメンタリー「Michael Jackson's Journey From Motown To Off The Wall」に登場する。高名な映画製作者スパイク・リーが監督を務めており、イギリスでは3月12日の日曜日にBBC 2で放映される。

マイケルはこうも書いている。「MJが僕の新しい名前だ。もはやマイケル・ジャクソンではない。全く新しいキャラクター、全く新しい外見が必要だ。全く違う人になるべきだ。『ABC』や『I Want You Back』を歌う子供だと決して思われない。世界に衝撃を与えるアクターであり、シンガー、ダンサーであるべきだ。インタビューは受けない。僕はマジックになる。僕は完璧主義者になる。研究者に、指導者に、達人になる。僕はどんな偉大なアクターをも超える。最高のトレーニング・システムを持たなければならない。見つけるまで掘って掘って掘りまくる。エンタテイメントの全てを研究し振り返る。そしてパーフェクトに勝つ。偉人がたどり着いたその先へ歩みを進めるんだ」。

日付は1979年11月6日だ。兄弟たちとDestinyツアーに出ていたころである。手紙の内容はドキュメンタリーの一部となっているが、今週末(2/26)にリリースされる「Off The Wall」の新版にも収録され見ることができる。

■Michael Jackson’s Secret Letter

A secret letter, written by Michael, promising to re-invent himself as the greatest entertainer of all time, has been unveiled in a new documentary. In the letter, Michael talks about changing himself from his Jackson 5 days and says he wants a “whole new look” and “should be a totally different person.”

The handwritten note to himself was penned the same year he released his debut studio solo album ‘Off The Wall’ in 1979. Earlier he had reached the top of the charts singing alongside his brothers.

The letter features in the documentary ‘Michael Jackson’s Journey From Motown To Off The Wall,’ directed by acclaimed film maker Spike Lee, which will be shown on BBC Two (UK) on Saturday March 12th.

In it Michael also writes: “MJ will be my new name. No more Michael Jackson. I want a whole new character, a whole new look. I should be a totally different person. People should never think of me as the kid who sang ‘ABC,’ ‘I Want You Back.’ I should be a new incredible actor, singer, dancer that will shock the world. I will do no interviews, I will be magic, I will be a perfectionist, a researcher, a trainer, a master. I will be better than every great actor roped in one. I must have the most incredible training system. To dig and dig and dig until I find. I will study and look back on the whole world of entertainment and perfect it. Take it steps further than where the greatest left off.”

The letter, dated November 6th, 1979, was written while he completed the ‘Destiny’ tour with his brothers and its contents form part of the film, which is also available as part of an exclusive new edition of ‘Off The Wall’ which will be released later this week.

Source: Express UK & MJWN

レビュー:Michael Jackson's Journey From Motown to Off the Wall(RogerEbert.com)

「マイケルは私が会った中では最もピュアな才能の持ち主だったかもしれません。彼には失敗する能力というものがないのです」-「The Wiz」でのマイケル・ジャクソンについて、監督シドニー・ルメット

マイケル・ジャクソンは、その異次元の才能を携え、魂に訴えるパフォーマーとしては常に最高であった。ジェームス・ブラウンやジュディ・ガーランド、ジャッキー・ウィルソンその他、ごく少数のしびれるようなライブ・パフォーマーたちの中にあって、ジャクソンのステージでのペルソナとパフォーマンスの力はビッグバンと似ていた。つまり、膨張に終わりがないのだ。人々は彼に個人的に反応し、そして、彼のスタートがとても幼かったため、一つの世代は彼と共に成長し、彼と同じ心境を持ち、彼の変化を畏敬の念を持って見ていた。スパイク・リーのドキュメンタリー「Michael Jackson’s Journey From Motown to Off the Wall」は、タイトルそのままに感情的だ。ドキュメンタリーの中でインタビューを受けているコービー・ブライアントはこう言っている。「人はたやすく横道にそれるものさ。みんな彼の肌の色についてとやかく言う。この人の本質や背景には注目しないんだ」。マイケル・ジャクソンの生涯を覆うタブロイドの狂乱を避け、彼の早すぎる死については触れられないことから、このドキュメンタリーは歓迎すべき矯正であり、誤りを正しつつ讃えるという積極果敢な試みである。「横道」にはそれないのである。マイケル・ジャクソンの作品と、彼が作品にどのように取り組んでいたか、ということについてのドキュメンタリーだ。1979年のアルバム「Off The Wall」の、おそらくは最も楽しい全曲解説だ。知らなければ先週リリースされたものかと思うほど、今でもラジオでオンエアされている。

ドキュメンタリーの骨格はジャクソンの生涯の初期(モータウンでジャクソン・ファイヴとして一歩を踏み出し、エピックへ飛躍し、ソロ・スターへと漕ぎ出すマイケル、そして『Off The Wall』での頂点へ)を示すことである。彼とともに育った世代にはよく知られたことかもしれないが、スパイク・リーは新しい世代に伝わる形で提示している。もしマイケル・ジャクソンと同じくらいビッグな、重要な・・・・(知れば知るほどそれはあり得ないが)・・・アーティストがいるとすれば、そのアートが達成したことの理解を伝えるということは必要不可欠なことである(特に、彼のことをタブロイドに載っているサングラスの変な男としてしか知らない子供たちに伝えることは重要だ)。スパイク・リーが、「彼がやったことを見たか?彼が後続のためにどれほどのスペースを作ったか見たか?あなたのためのスペースをだよ?それを讃えるんだ」と言うような映画が必要なのである。

フォーマットとしては、このドキュメンタリーは極めて標準的だ。コンサートやアニメーションやインタビューなどの過去の映像、美しい写真、それにたくさんのインタビューである。クインシー・ジョーンズ、モータウンのベリー・ゴーディ、フィラデルフィアのソウル・プロデューサー、ギャンブルとハフ、エピックのロン・アレクセンバーグ、マーロン・ジャクソンとジャッキー・ジャクソンらが、世界現象としてのジャクソン・ファイヴの大ブレークの背景を、モータウン時代とエピック時代それぞれについて語ってくれる。

ジャクソンの共同作業者というプロフェッショナルたちの記憶と対をなすのはマイケル・ジャクソンにインスパイアされた人々の声であり、スパイク・リー自身もそれに含まれている。リー・ダニエルズ(「彼は僕が望んだ全て」)、デヴィッド・バーン、マーク・ロンソン、ロージー・ペレス、ジョン・レグイザモ、クェストラブ、ミスティ・コープランド、コービー・ブライアント、ファレル、ジョン・レジェンド・・・・自分にとってマイケル・ジャクソンが意味するところ、自分の仕事をさらによいものとするためにより挑戦し、よりハードに仕事をする後押しをマイケルがいかにしていたか、という思いを彼らが語る。

このような証言のコーラスを聞くと、一つの違うストーリーが浮かび上がってくる。才能というのは一つだ。マイケル・ジャクソンは明らかに才能があった。だが彼は、単に歌い方動き方を知っているだけの原石的天才というわけではなかった。子供の時にすでに彼は仕事に対し(そして周囲のモータウンの巨人たちに)好奇心と、そして彼らから学ぼうという貪欲な欲望をもって接していたのである。彼自身が、成功するカギは「聞くこと」だと語っている。このドキュメンタリーは歌と同様にダンスについても讃えている。ジャクソンは奇跡のダンサーだ。ニコラス・ブラザーズやフレッド・アステア、ジーン・ケリー、サミー・デイヴィス・Jrが大好きで、一度見ただけで彼らのルーティーンを完璧にマネすることができた。彼のダンススタイルとなったものは、文化の中にその長いルーツを持ち、彼のムーヴはアメリカのダンスの歴史全体を包括するものなのである。

ドキュメンタリーの中でもっとも楽しいセクションは、"フック"、リズムセクション、ホーン、ギターなど、「Off The Wall」各曲の徹底分析だ。アルバムに参加したミュージシャンたちがその様子を回想し、現代のミュージシャンたちは、この独特のサウンドが自分の作品に及ぼしたインパクトを語る。このドキュメンタリーを見て、そしてアルバムを通して聴き終わった瞬間は、とてもリッチで、かつ得るところがあるものであった。私はマイケル・ジャクソンと同世代である。アルバムは全て持っている。ドキュメンタリーやコンサート、ミュージック・ビデオ、テレビ出演、第45回アカデミー賞での14歳の彼の「Ben」のパフォーマンス。こうしたものを見ると、使い古された言い回しに聞こえるかもしれないが、彼を失ってどれほどのものを私たち失ったのかよくわかる。

このドキュメンタリーでクリスタルのごとくクリアとなったマイケル・ジャクソンのキャリアのほかの要素として、マイケル・ジャクソンに才能があることを知っていた音楽業界の人間でさえ、彼がこれほどビッグになるとは予想できなかったという事実がある。かわいい子供スターたちのどれほどが、マイケル・ジャクソンのような巨大な大人のスターになるだろうか。そんなこと誰が想像できたか。ジャクソン・ファイヴに対する認知は、彼らは大成功したが、「パッケージ化された」商品であり、商業活動だというものだった。エピックの人間の多くは彼らをエピックに迎えたいとは思っていなかった。今では馬鹿げているように聞こえるが、彼らの代理人は戦わなければならなかったのだ。

自分のやっていることを愛しているアーティストというのはどんな風に見えるのか。マイケル・ジャクソンのキャリアというのはその好例である。高いハードルではあるが、そうであるべきだ。自分の作品に対しそういう接し方をしなければ、なぜそんなことをするのか。これは本ドキュメンタリーで何度も提示されるし、おそらく最も心を込めた部分であろう。今日のミュージック・スターたちがどれほど自分のやっていることが好きであると、ましてや愛していると言えるだろうか。このドキュメンタリーは、マイケル・ジャクソンがテーブルに乗せたものは何だったのか、それを再認識させる重要なドキュメンタリーである。それは才能ではなく、愛だったのである。マイケル・ジャクソンを見るオーディエンスはそれを感じている。彼の音楽を聴けばそれを感じている。ロージー・ロペスがインタビューで涙を浮かべる理由はそれだ。彼女の人生にどれほどの喜びを彼がもたらしてくれたか。その「感謝の気持ち」を語るシーンだ。私たちの注がれる、見事に調査され、美しく紡がれた祝辞のコーラス。スパイク・リーのドキュメンタリーの本質は愛に基づく行為なのである。

mj103.jpeg ■Michael Jackson’s Journey From Motown to Off the Wall

"Michael may be the purest talent I've ever seen. He's incapable of a false moment."
- Director Sidney Lumet, on Michael Jackson in "The Wiz."

Michael Jackson, along with his almost otherworldly talent, was always one of the most emotional performers. In the pantheon with James Brown, Judy Garland, Jackie Wilson, and a handful of other electric live performers, Jackson's onstage persona and performing ability was akin to the Big Bang, there was no end to the expansion. People responded to him personally, and, because he started out so young, a generation grew up with him, identified with him, watched in awe at his transformations. Spike Lee's documentary "Michael Jackson’s Journey From Motown to Off the Wall," premiering on February 5th on Showtime, is as emotional as its subject matter. Kobe Bryant, interviewed in the documentary, says at one point, "It's easy for people to get sidetracked. They talk about his complexion. They don't focus on what this man was, and how he was that." What with the tabloid frenzy of Michael Jackson's life, not to mention his early death, Lee's documentary is a welcome corrective as well as an almost aggressive act of redress and celebration. It does not get "sidetracked." It's about Michael Jackson's work, and how he worked. Maybe most pleasingly, it's a track-by-track history lesson of Jackson's 1979 album "Off the Wall," an album that still gets so much radio play today that if you didn't know better you might think it was released last weekend.

The plot points of Jackson's early life (the rise of the Jackson 5 on Motown, their jump to Epic, Michael emerging as the solo star, culminating in Off the Wall) may be well-known to those who grew up in that era but Lee presents it in a way that passes the information on to a new generation. When there is an artist as big as Michael Jackson was, as important, as ... improbable, really (and it's more improbable the more you learn), it's essential that an understanding of the achievement of that art is passed on (especially to kids who may only know him as the weird man in sunglasses on the cover of every tabloid). A film like Lee's says: "See what he did? See how much space he created for others? For you? Honor that."

Format-wise, the documentary is pretty standard: fun archival footage of concerts and cartoons and interviews, beautiful still photographs, and lots of interview subjects. Quincy Jones, Motown's Berry Gordy, Philadelphia soul producers Gamble and Huff, Ron Alexenburg at Epic, Marlon and Jackie Jackson, all provide background for the Motown years, the Epic years, for the explosion of the Jackson 5 as a worldwide phenomenon.

Counterpointed against the professional memories of Jackson's colleagues, are the voices of those inspired by Michael Jackson, including Lee himself. Lee Daniels ("He's everything I aspired to be"), David Byrne, Mark Ronson, Rosie Perez, John Leguizamo, Questlove, Misty Copeland, Kobe Bryant, Pharrell, John Legend ... all weigh in with memories of what he meant to them, how he pushed them to be better in their own work, try harder, work harder.

What happens as you listen to the chorus of voices is that a different kind of story starts to emerge. Talent is one thing. Michael Jackson obviously had that. But he was not just a raw genius who knew how to sing and move. Even as a child, he approached his work (and the Motown giants around him) with curiosity, inquisitiveness, and an insatiable desire to learn from them. He himself said that the key to success was "listening." The documentary pays tribute to his dancing as well as his singing. Jackson was a prodigy dancer, obsessed with The Nicholas Brothers, Fred Astaire, Gene Kelly, Sammy Davis, Jr., able to replicate their routines perfectly after watching them only once. What became his recognizable dance style had long roots in the culture, and his moves incorporated the whole history of American dance.

One of the most gratifying sections of the documentary is the in-depth "Off the Wall" discussion, song by song by song: the "hooks," the rhythm sections, the horns, the guitars. Musicians reminisce about playing on that album, and contemporary musicians talk about the impact that this or that specific sound had on their own work. It's so rich and so informative that the moment I finished watching the documentary I listened to the album front to back. I grew up with Michael Jackson. I have all the albums. It may sound trite, but watching all of the footage in the documentary, the concerts, music videos, television appearances, his beautifully simple performance of "Ben" at the 45th Academy Awards, at age 14, drives home just how much we lost when we lost him.

The other element of Michael Jackson's career that becomes crystal clear in the documentary is the fact that nobody—not even music industry people who thought Michael Jackson was talented—could perceive just how big he was going to get. How many cute child-stars go on to become as huge an adult star as Michael Jackson? Who could even envision something like that? The perception of the Jackson 5 was that they were very successful, but they were a "packaged" commodity, a novelty act. A lot of the people at Epic didn't want them on the label. Campaigns on their behalf had to be fought all along the way, as insane as that sounds now.

Michael Jackson's career is a powerful example of what it looks like when an artist loves what he does. It's a high bar, but that's as it should be. If you don't approach your work like that as an artist, why do it? It's a concept brought up again and again in the documentary, perhaps its most emotional component. How many music stars today barely seem to like what they're doing, let alone love it? The documentary is a reminder, and an important one, about what Michael Jackson brought to the table, and it was more than talent, it was love. That is what audiences felt when they watched Michael Jackson, and when they listened to his songs. It's why Rosie Perez almost tears up in her interview, talking about her sense of "thankfulness" to him because of how much joy he brought to her life. Exquisitely researched, beautifully put together, with that celebratory knowledgeable chorus of voices pouring over us, what Spike Lee's documentary really is is an act of love.

Source: RogerEbert.com

グラミー賞:ミゲルがMJトリビュート

昨晩開催されたグラミー賞のステージで、R&Bスターのミゲルがマイケルの1979年の曲「She’s Out Of My Life」の素晴らしいパフォーマンスを披露した。

わずか30秒ほどのカバーであったが、オリジナル版でキーボードを担当し、マイケル・ジャクソンの長年のコラボレーターであったグレッグ・フィリンゲインズのピアノをバックに彼は歌い上げた。ミゲルが明るいスポットライトに立つ中、「She’s Out Of My Life」のミュージック・ビデオからマイケル自身が歌う映像が映し出された。

歌い終わると彼はキング・オブ・ポップを讃え、

「マイケルが『Off The Wall』の曲で最初のグラミー賞をとってから35年が経つとはとても信じられません。『Off The Wall』はポップ・ミュージックの中にある数々のバリアを壊したアルバムでした。そして今、伝説のスパイク・リーによる新たなドキュメンタリーの主題となったのです」と述べた。

短くも美しい彼のパフォーマンスはこちら。



■Michael Honoured At Grammy Awards

RnB star Miguel gave a stunning performance of Michael’s 1979 song ‘She’s Out Of My Life’ at last nights Grammy Awards.

It was only a 30 second rendition of the melancholy song, and he was backed only by a gentle piano courtesy of Greg Phillinganes, the song’s original keyboardist and long time colleague of Michael Jackson’s. Miguel stood under a bright spotlight as footage of Michael himself singing the song from the ‘She’s Out Of My Life’ music video played above.

Taking time after he finished singing to further pay tribute to the King of Pop, Miguel said;

“It’s really hard to believe that it’s been more than 35 years since Michael won his first Grammy for a song from Off the Wall”.

He went onto say, “It’s an album that broke down barriers in pop music and it’s now the subject of the new documentary by the legendary Spike Lee.”

Check out the brief, but beautiful performance below:

Source: Howl and Echoes & MJWN

フリードマン:スパイク・リーのドキュメンタリー ジャクソンズから去ったことについて、MJには罪悪感はなかったことが明らかに

スパイク・リーのドキュメンタリー「Michael Jackson’s Journey from Motown to Off the Wall」はShowtimeで2月5日にオンエアされる。必見である(注:本記事は1/21付)。スパイクからマイケルへのこの贈り物は、「Thriller」以前、そして後の狂乱の中での音楽の天才としてのマイケルを完璧に再興するものである。

ここでのマイケル・ジャクソンはチンパンジーやネバーランド、そして結局は彼を疲弊させることとなった風変わりな数々の以前の彼である。率直なところ、スパイクのこのドキュメンタリーを見て、「Thriller」と「Bad」の成功がモンスターを作り上げたのだとこれまで以上に確信した。キング・オブ・ポップになるには過ぎたことだったのだ。だがそれを論ずるには別の作品がある。

このドキュメンタリーは、ジャクソン・ファイヴについてのストーリーは手短に済ませ、その後、グループがエピック・レコード移籍のためにモータウンを離れ、マイケルがソロ活動へ独立する過程を探る。兄弟たちへのインタビューはマーロンとジャッキーの2人だけだ(そして2人は雄弁であり、勝ち組である)。キャサリン&ジョセフ・ジャクソン夫妻へのインタビュー加え、サミー・デイヴィス・Jrやフレッド・アステア、ジーン・ケリーらのアーカイブ映像も登場する。



マイケルの第二の人生を立ち上げたソロ・アルバム「Off The Wall」のプロデューサーとして、クインシー・ジョーンズはもちろん大きな役割を果たしている。後半は「Off The Wall」のメイキングに費やされ、そのルーツについてスパイクは細かく見ていく。マイケルはジャクソンズの最後のヒット曲「Shake Your Body」を書き、フィラデルフィアのギャンブル&ハフと仕事をしている。

ベリー・ゴーディやスザンヌ・ド・パッシーを初めとするたくさんのインタビューが登場する。スティーヴィー・ワンダーは「I Can’t Help It」を書いた時の話をしている(グラディス・ナイトがここに入っていればと思う。彼女がジャクソン・ファイヴを見出したのだ。フランク・ディレオへの言及も一切ない)。だが、マイケルと仕事をした多くの人々が登場する。エンジニアのブルース・スウェディーン、ミュージシャンたち、そして現在のスターであるクェストラブやジョン・レジェンド、ファレルらである。

70年代後半から「Thriller」直前までのマイケルの映像やインタビューも注目である。整形手術は鼻だけかもしれない。肌の色はまだ黒く、白くなる兆候はない。マイケルの目は澄んでおり、彼が音楽とキャリアで挑戦しようとしていることについて明確に話している。彼はまだ世界とつながっている。マニアはまだやって来ていない。

視聴者を吹き飛ばすシーンもある。一つはマイケルの弁護士の一人、カレン・ラングフォードだ。1979年の手書きのメモを読み上げる。世界を目指したかつてのジャクソン・ファイヴではなく、MJという新たなアーティストになるつもりだと宣言する内容だ。さらには、後にマイケルの財政とキャリアを混乱させたマイケルの弟ランディ・ジャクソンが、一流のパーカッショニストとして楽しんでいる様子が映し出される。

だが、エンディングに向けて、インタビュアーのシルヴィア・チェイス対して語るマイケルを視聴者は見ることになる。彼は兄弟たちから去ることについて罪悪感はなかったのだ。自らの運命として見定めているものを遂行するために先に進むのだと彼は明言しているのである。彼は明らかに天才である。そして、はるかに超えた・・彼が言うように、「私は帰って来て欲しい(I Want You Back)」のだ。そこからトラブルは始まった。

しかしながらこのことについては他の作品に任せよう。この作品は、ダメージの日々を回復し、成長中の光り輝く若きエンタテイナーとしてマイケル・ジャクソンを提示しているのである。

■Spike Lee’s Michael Jackson Doc Uncovers 1980 Interview: No Guilt About Leaving Brothers Behind

Spike Lee’s documentary, “Michael Jackson’s Journey from Motown to Off the Wall” airs February 5th on Showtime and you must not miss it. Spike’s gift to Michael is a complete rehabilitation as a musical genius pre “Thriller” and the later drift into madness.

This Michael Jackson is before chimps and Neverland and all the eccentricities that eventually consumed him. Frankly, after watching Spike’s movie, I am more convinced than ever that the combined successes of “Thriller” and “Bad” created a monster. It was too much for Michael Jackson to be the King of Pop. But that’s for another movie.

This movie tells the story quickly of the Jackson 5, but then explores how the group left Motown for Epic Records, and how Michael spun off as a solo act. Only two of his siblings, Marlon and Jackie, are interviewed (and they are very articulate and winning). There are interviews with Katherine and Joseph Jackson, archival footage of Sammy Davis Jr, Fred Astaire, and Gene Kelly.

Quincy Jones plays a huge part, of course, as producer of “Off the Wall,” the solo album that launched Michael’s second life. The whole second part of the film is devoted to the making of “Off the Wall” once Spike very smartly details its roots– Michael writing those last Jacksons hits like “Shake Your Body” and working with Gamble and Huff in Philadelphia.

The huge number of people interviewed includes Berry Gordy and Suzanne dePasse, to start. Stevie Wonder shows how he wrote “I Can’t Help It.” (I wish Gladys Knight had been included; she found the Jackson 5. Also missing is any reference to Frank DiLeo.) But then you’ve got all the people who worked with Michael like engineer Bruce Swedien, many of the musicians, plus lots of current stars like Questlove, John Legend and Pharrell.

The film is notable for its archival footage and interviews with Michael from the late 70s through just before “Thriller.” The plastic surgery is maybe just the nose. The skin color is still black, no sign of bleaching. Michael is clear-eyed and quite articulate himself about what he’s trying to do with his music and his career. He’s still a whole person attached to the world. The mania is yet to come.

There are moments that will blow you away. One is Karen Langford, one of Michael’s lawyers, reading a handwritten 1979 note from Michael declaring his intention to become a new artist named “MJ” with no Jackson 5 past intent on ruling the world. Another is seeing Randy Jackson, Michael’s brother who later become embroiled in his finances and career, rocking out as a major percussionist.

But you do see Michael, toward the end, telling interviewer Sylvia Chase that he had no guilt about his leaving his brothers behind. He is quite definite that he’s going to move forward to fulfill what he sees as his destiny. He’s clearly a genius, and way beyond — as he says — “I Want You Back.” And that’s where the trouble began.

But that’s for another film. This film undoes years of damage, and presents Michael Jackson as a brilliant young entertainer in the making. Great work.

Source: Showbiz411.com
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