マイケル・ジャクソンにはかつてないほどに価値があり、役所はその分け前にありつきたい(その3)

2010年ブランカは、あらたな素材を使った10枚のアルバムを製作するという2億5000万ドルの契約をソニーとの間でまとめ、エステートの収入はさらに増加した。さらに彼はスパイク・リーに「Off The Wall」や「Bad」に合わせてリリースするドキュメンタリーの監督を依頼した。二人はその方向性において合意した。すなわち、「彼の音楽、ミュージシャン・シップ、偉大なアーティストという側面のみにフォーカスしたい」とリーは言う。「そのほかのこと?そんなものには関心なかったね」。

このように収穫を得ていく中で、ブランカはセリーヌ・ディオンのマネージャーからの電話を受ける。シルク・ドゥ・ソレイユのトップたちと話をしてみないか、ということであった。カナダの演劇集団シルク・ドゥ・ソレイユは、これまでビートルズの音楽を取り上げた「The Beatles LOVE」というラスベガスのショーを成功させている。ブランカはモントリオールへ飛び、シルク・ドゥ・ソレイユの創設者、ガイ・ラリベルテと会った。ラリベルテはタバコを楽しむことを許されないスペース・カプセルの旅から帰ってきたところであった。だから彼はその埋め合わせをすべく、絶えずタバコを吸っていた。「私はガイに言ったんです。『ビートルズの"Love"よりもよいものをラスベガスでやりたいんだ』」とブランカは振り返る。「彼は、『私は世界をツアーするショーがやりたいんだよ』と答えました。だから、『OK、両方やろう』ということになったのです」。

「Michael Jackson: The Immortal World Tour」と名づけられたシルクのツアー・ショーはジャクソンのバンドメンバーらを多数起用し、公演は3年間続いた。そしてビルボードによれば、興行収入3億6000万ドルを達成し、これは史上8位のツアー・ショーの記録となった。2年後、ジャクソンのホログラムが登場するラスベガス・ショーの「Michael Jackson: One」は、マンダレイ・リゾート&カジノで初演となった。シルクのCEO、ダニエル・ラマールは、「このショーは永遠に続くと思いますよ。マイケルの音楽の人気は永遠ですから」と述べている。続いてブランカはビデオ・ゲーム、故ジャクリーン・ケネディ・オナシス編集の1988年刊行の自伝「Moonwalk」の再販、そしてペプシの飲料缶にジャクソンの写真を使用するという契約の交渉を行った。2012年までにエステートはソニー/ATV関連を除く負債を完済した。生前よりも人気が出ているということをジャクソンは証明していった。

翌年、60 Minutesという番組の中の褒め称えるコーナーで、ブランカとマクレーンによる故人クライアントのマネジメントについて、「ポップ・ミュージック史上最も卓越した、財務状況とイメージの再生」と評価した。記者のララ・ローガンはブランカにこう尋ねた。「彼のイメージは、亡くなる頃にはとても傷つき、色あせていました。彼のファンたちはそのことを忘れてしまったのでしょうか?」

「私たちはタブロイドのことなど気にしていません。私たちはマイケルを見ているのです。私たちが知っている本当のマイケル。天才的芸術家、先駆者のマイケルです」とブランカは答えている。

「その本物のマイケル・ジャクソンが60 Minutesでエド・ブラッドリーにこう言っているんです。自分のベッドに男の子を寝かせていると。これは言い逃れができませんよね?」とローガンが食い下がると、

「うーん、そのインタビューはちょっと思い出せないですね。私が知っているマイケル・ジャクソンは、とても高潔だと思える人物です」とブランカは答えている。

国税局はエステートの成功にも着目している。2013年、国税当局はブランカとマクレーンに対し、ジャクソンの遺産評価が不十分だと通告した。当局側は、評価額は11億ドルだとした。しかしエステートは死去時の評価は700万ドルだと主張している。ブランカとマクレーンの言うところでは、ジャクソンは2009年6月の時点で破産の危機に瀕していた。負債は5億ドルであった。3年間所得額の申告をしていなかった。所有していたカリフォルニア州エンシノの母親宅のローンの支払いを放置していた。サブプライム・ローンの融資会社IndyMacは抵当権行使の準備を進めていた。その一方で、60人以上の債権者がジャクソンに対して債権を有していると主張していた。その債権者には、ビデオ「Thriller」で恋人役を演じていたオーラ・レイや本物のビリー・ジーンだと主張する女性も含まれていた。

遺言執行人の的確な対処(それがブランカのポジションだ)がなかったら、すべては叩き売られ、相続人たちにはわずかしか残らなかっただろう。ブランカはIRSとの裁判については語らなかったが、ジャクソンの元マネージャーがエステートを訴えた2015年の民事訴訟における宣誓供述書では、あの性的虐待容疑での捜査は「彼の商業的価値にマイナスの影響を及ぼした」、ジャクソンは「純然たる名称および肖像権からは最小限の収入」しかなかったとブランカは話している。これが、エステートがジャクソンの名前と肖像の価値をたったの2105ドルと評価していたことの理由となっている。それにしても不可解なほどの低い数字だ。「こういうことですよ」と言うのはロサンゼルスの遺産相続専門弁護士ジェフリー・エイセンだ。「仮に2009年6月の時点である人がやって来て『マイケル・ジャクソンの名前と肖像のすべての権利を2106ドルで売る』と言ったとします。エステートの申告より1ドル多い額です。あなた、買いますか?もちろん買いますよね!私も買います。実際の数字はもっと高いんです」。

IRSも疑っており、トーメを召還した。彼はエステートによるジャクソンのイメージの評価を一蹴し、ブランカよりもむしろ自分がAEGとの取引によりジャクソンを再生したのだと主張した。トーメによれば、AEGとの契約がきっかけとなってルイ・ヴィトンやナイキなどからのCMのオファーが立てつづけにあったという。「エステートが集めた金はほとんどが私のおかげなんです。私がすべての仕事をしたんです」とトーメは述べている。彼とエステートは法廷闘争中で、数百万ドルの未払いの報酬があると主張しているが、一方エステートは、トーメは自分の立場を悪用し、あまりに多くの契約に署名するようジャクソンを説得して私服を肥やそうとしていたと主張している。

IRSは、ジャクソンが亡くなった時点ではソニー/ATVへのジャクソンの持分には価値がなかったとする主張にも異を唱えている。しかしエステートによる文書では、同社のジャクソンの持分を2億4200万ドルと算定していて、これは当時の負債3億ドルに届かない額だ。エステートは昨年、ブランカの見事な交渉によりジャクソンの持分をソニーに対し7億5000万ドルで売却したことにより全ての負債を払い終わった。一方でIRSの異議により、ジャクソンの私物が宙に浮いた状態になっている。パリス・ジャクソンの弁護士クレイグ・ピーターズよれば、それで子供たちが辛い思いをしているという。「子供たちは、父親が子供たちに残したいと思っていた物は是非持っていたいと願っています」として、ジャクソンが着ていた衣服や家に飾ってあった絵画などを挙げている。「ほとんどIRSのせいです。IRSが倉庫から出させないんです。輝くグローブとかではないんです。でも子供たちにとっては大事な私物なのです」。

当局側の弁護士は裁判所に提出した文書の中で、エステートがまとめた契約はどれも「予測可能」なものであったと繰り返し書いている。言い換えれば、彼の呼吸が止まりさえすれば金が流れ込んでくる、ということだ。IRS裁判の元弁護士で現在は個人で開業しているマイケル・モリスによれば、「エルヴィス・プレスリーが亡くなった時に彼について関係者が言っていたことと同じですよ。キャリアアップということです」。つまり、誰であってもジャクソンを数百万ドルのビジネスに転換していただろうということを暗に言っている。

だがブランカにゆかりのある者らはこれには同意しない。ブランカを「契約交渉のスモーキー・ロビンソン」とかつて評価したモータウンのゴーディは、「ジョンがマイケルの生前に彼のためにやっていたことの10倍は、亡くなった後にやっていますよ。彼はもはやここにはいない一人の男を本当に守っているのです」と語っている。ビー・ジーズのバリー・ギブもかつてブランカの顧客であったが、彼はブランカの洞察力には値段がつけがたいとし、「僕はいつも訊いていた。彼は僕に多くを教えてくれたよ」と述べている。

エステートとIRSの抗争はブランカのイメージを損なうことにはならなそうだ。もし彼が負けたとしても、ジャクソンの遺産(ずっと所得税は払い続けている)は、子供たちの金庫を守り、満たし続けるだろう。ブランカによれば、引退する歳になりつつあるためペースを落とそうとしているという。だが彼の活動はある分野では伸び続けている。ジャクソンの遺産管理における成功のおかげで、彼は故人の顧客から多くの注目を集めており、カート・コバーン、ジャニス・ジョプリン、オーティス・レディング、マーディ・ウォーターズの遺産管理者よりコンサルタントとして雇われている。

彼は全てを引き受けたいと思ってはいるが、制限せざるを得ない。「サミー・デイヴィス・Jrの相続人の方から電話をもらったんです。お手伝いしようとはしているんです。彼とマイケルは友人でしたから。でも『代理人をお引き受けすることはできません。皆さん好戦的なので』と言いました」。故ラット・パッカーの相続人はなんとか折り合いをつけ、再び彼を雇おうとしたのだが、ブランカは「出来ません。十分な資産をお持ちでないので」と答えたという。

(おわり)

ソース: bloomberg.com / MJJFANCLUB.JP

マイケル・ジャクソンにはかつてないほどに価値があり、役所はその分け前にありつきたい(その2)

3年後、ブランカは、ジャクソンが6000万ドルで売り出されていたネバーランドを1750万ドルで購入する手助けをした。ジャクソンは上機嫌でブランカにロールスロイスをもう一台プレゼントした。同じころ、ジャクソンはブランカの最初の結婚の時にベストマン(花婿介添人)を務めた。ジャクソンはおそろいのタキシードでチンパンジーのバブルスを連れてきていた。「バブルスと(前の)妻、そして式場の皆さんが写った楽しい写真を撮りましたよ」とブランカは懐かしそうに語った。リトル・リチャードが司祭を務めたことも付け加えておく。

ジャクソンにとって状況が厳しくなるにつれて、ブランカとの関係も悪化した。さまざまな人々がジャクソンに話を聞いてもらおうと競い、そしてブランカは解雇された。そして1993年の最初の児童虐待疑惑の時(これらは民事訴訟で示談となり、示談金は2000万ドルと広く報じられた)に再び雇用された。ブランカは着任するや、裁判費用をカバーするためにATVの半分をソニーへ7500万ドルで売るべきという他のアドバイザーたちを封じた。1995年には、ブランカの交渉により、1億1500万ドルの一時金と1000万ドルからスタートした年払い金と引き換えにATVとソニーの版権子会社を合併する契約がまとまった。

その年、ジャクソンは最初の遺言を書き始め、執行人にブランカとマクレーンを指名した。ジャクソンに子供ができた段階でこれまで二度改定されたが、基本的なことは変更されなかった。

だがブランカにとって、ジャクソンを守ることが徐々に困難になってきた。ジャクソンが処方薬の中毒に陥り、おかしな行動が目に付くようになる。彼の最後のスタジオ・アルバム「Invincible」(2001年リリース)のレコーディングには破格の3000万ドルを費やした。ジャクソンは8万枚という売り上げ(他のアーティストならヒットである)の責任をソニーに帰した。2002年7月、ジャクソン(顔色が悪く歌舞伎のような外見だった)は、ニューヨークで記者会見を立て続けに行い、自分は人種差別的な音楽業界による黒人アーティストの搾取の歴史の被害者の一人であると述べた。その年のドイツでジャクソンは、ファンが見えるようにと幼いブランケットをホテルの窓の手すり越しにぶら下げるという行為によって自ら新聞の見出しを飾ってしまった。

2003年に放映されたテレビ番組「Living With Michael Jackson」では、ジャクソンのインタビューの使い方についてプロデューサーのマーティン・バシールをコントロールしようとしたブランカの試みはジャクソンによって無にされた。ジャクソンは、時にはネバーランドを訪れていた子供たちと一緒にベッドに入っていたと明かしたのだ。その中にはガンを克服した子供も含まれており、その子供はカメラの前でジャクソンの隣に座り、それは異常なことではないと屈託なく主張していた。その後まもなく、その少年の家族が性的虐待を受けたと告発し、刑事裁判へとつながった。2005年、彼はサンタマリアの陪審団によって無罪とされた。そのころまでに、ブランカは再び解雇されているが、その後もジャクソンのアドバイザーらからは手助けを求める連絡が入っていた。結局、ジャクソンの混乱状態はあまりに激しくなり、そしてブランカはジャクソンの元を去った。

ブランカ不在でジャクソンは低迷した。もはやレコード・リリースもツアーもなく、彼のライフスタイルをまかなうのは基本的にはソニー/ATVの半分の権利を担保とした借金であった。ソニー/ATVを担保とした負債は2008年までに3億ドルにまで膨らんだ。ニューヨークのヘッジファンド運用会社、フォートレス・インベストメントがネバーランドの抵当権を買い取り、全額返済しなければ抵当権を行使すると迫った。

そしてドクター・トーメ・R・トーメが登場する。経歴や学位に関する詳細を述べることを拒んでいることからしばしば謎の人物と評される男だ。「私は自営業です」とトーメは言う。「私はたくさんの人々に助言をしています。世界中のトップの人々です。投資に関することです」。

トーメがジャクソンに最初に会ったのはラスベガスだ。ジャクソンは車椅子で互い違いのソックスを履いていた。兄ジャーメインの仲介によるものだ。トーメはジャクソンにコロニー・キャピタルを紹介した。コロニー・キャピタルは不動産投資会社でトム・バラックによって設立された(ジャクソンの大ファンであり、現在はトランプの友人である)。コロニーは抵当権が行使されるのを防ぐため、ネバーランドの負債を買い取った。「裁判所で競売にかけられる10日前のことです」とトーメは語る。その後、トーメはジャクソンのマネージャーとなり、負債の返済のための資金を得るためにジャクソンにステージへの復帰を促した。

2008年の暮れ、ジャクソンは翌年夏にロンドン・O2アリーナでの50回のコンサートでパフォーマンスすることに同意した。コンサートのチケットは即日完売し、チケット・セールスだけで5000万ドルの収入になると見られていた。トーメは、死の数ヶ月前のジャクソンはブランカと仕事をする気などなく、悪し様にさえ言っていたと主張している。しかしその死の8日前、ジャクソンは、リハーサルをしていたカリフォルニア州イングルウッドのフォーラムでのミーティングにブランカを呼び出した。二人は抱擁し、そしてブランカによれば、ジャクソンはこう言ったという。「ブランカ、おかえり」。

ここでブランカはインタビューを中座し、クローゼットから額に入ったジャクソンの署名入りの手紙を持って戻ってきた。「これがそのミーティングで彼が署名した手紙です。私が再び専属弁護士となることが確認されています。疑うファミリー全員へ向けたものです」。

ブランカによれば、ミーティング中のジャクソンは眠そうだったが、リハーサルのためにエネルギーを控えているのだと思ったという。その8日後、ジャクソンは専属医コンラッド・マーレー(後に過失致死罪で有罪確定)が処方した鎮静剤を混ぜ合わせたものを過剰に投与された。ジャクソンに対する圧倒的な同情が寄せられた。「彼の類まれなる才能と音楽に匹敵するほどに、彼のプライベートは悲劇と困難に見舞われていた。私たちはそれを無視することはできない。しかし、彼の一番の部分を認めることが重要だと私は思う」と当時の大統領バラク・オバマはCNNに対して語っている。オバマの後継者は自分を絡めた言葉を送っている。曰く、「私はマイケル・ジャクソンをよく知っていた。彼は特別なヤツだった。彼はパームビーチのマー・ア・ラゴ(トランプの別荘)に何度も滞在したんだよ」(昨年の選挙戦の共和党大会でトランプはジャクソンの悲劇について予想通りの分析を披露した。すなわち、「彼はとんでもなく自信を失った。それは、正直言って、最悪の整形手術のだめだ」。ジャーメイン・ジャクソンは、弟を壊したのは過度のストレスだったとしてツイッターでこう反論している。「愚かなトランプは座ってろ」)。

ジャクソンの死の直後、ブランカは、2002年7月7日付けのジャクソンの最後の遺言を読んだという。ロサンゼルスで署名された、ジャーメインの家にいたファミリーに宛てたものだ。ブランカの回想によれば、彼らは拍手を送ったという。しかし一家の長、ジョセフ・ジャクソンは、その文書は偽造だとしてブランカとマクレーンを非難した。その日、ジャクソンはソニーに抗議してニューヨークに滞在していたというのである。裁判所の文書によれば、ジョセフは、息子から月額6万ドルの仕送りを受けていたことを明らかにしたという。ロサンゼルス上級裁判所のミッチェル・ベックロフ判事が遺言を認めれば、ジョセフはその仕送りを受けられなくなるということであったが、結局判事は遺言を認めた。さらにジャクソンは、遺産管理の権限をブランカとマクレーンに与えていた。

ブランカが担当することとなり、彼はコンサート・プロモーターのAEGがO2でのコンサートに向けたリハーサル映像を所持していることを知った。それはジャクソンのリクエストで撮影されていたものだった。いくつかの映画スタジオがこの素材を編集したドキュメンタリーの配給を希望した。ブランカはこの入札競争の調整を行い、勝者となったソニーは6000万ドルの支払いを保障し、加えて利益の90%を支払うことに合意した。ソニーは2009年11月に「This Is It」を公開、全世界で2億9000万ドルの収益を上げ、最も成功したドキュメンタリーの一つとなった。「This Is It」から得られた資金によってエステートは負債の借り換えに成功する。ジャクソンの楽曲を担保とした7500万ドルのローンの利率を17%から6%に下げ、ソニー/ATVの持分を担保とした3億ドルのローンについては5.8%から2.9%まで下げたことにより、毎月の支払額を数百万ドル圧縮した。

「This Is It」はブランカの中にあったもう一つの懸案事項の解決策でもあった。すなわち、ブランカはジャクソンの傷ついた遺産(レガシー)を回復したいと考えたのだ。映像中のジャクソンは生気がないように見えたが、彼はバンドメンバーらと音楽について気さくに話し、フットワークについて振付師らと語っていた。「私は11回か12回は観ましたよ」というのはマックマスター大教授(文化学)のスーザン・ファーストである。彼女はジャクソンの8枚目のスタジオ・アルバム「Dangerous」を考察した著名な本の著者である。「あれはすばらしい仕事でしたよ。彼の人間味あふれる姿を映し、傷つきやすい人物像を描き、そして彼の創造の過程の一端を私たちに見せてくれたのです」。一方で彼女は、生気を失った姿を公にすることは「搾取的」であるとも考えていた。

(その3へつづく)

マイケル・ジャクソンにはかつてないほどに価値があり、役所はその分け前にありつきたい(その1)

マイケル・ジャクソンが2009年にプロポフォールとロラゼパムの過剰投与で亡くなって7年が経った。故人である彼についてのゴシップ話をすることの是非については提訴の期限は過ぎているようだ。未来のファーストレディ、メラニア・トランプは、大統領選挙期間中に受けたインタビューの一つ、富裕層向け雑誌DuJourの中で、夫ドナルドの友人でありトランプ・タワーのかつての住人であったジャクソンが、彼女の夫にやきもちを焼かせるためにキスしようといたずらっぽく提案したということを明かした。そしてマドンナはCBSのLate Late Showで、その昔ジャクソンと本気のキスをしたこと暴露した。そしてニューヨーク・ポストのゴシップサイトPage Sixは、トミー・ヒルフィガーの回想録American Dreamer: My Life in Fashion and Businessより、1990年にヒルフィガーがカリフォルニア州サンタバーバラ郡のネバーランドを訪問した際の話を掲載した。キリンに小象の一団と遭遇し、オフィスでジャクソンと会った際には鼻には絆創膏でサングラスをかけたジャクソンが「ゴールドとバーガンディ・レッドの王座」に座っていた。ジャクソンの二人の子供、プリンスとパリスもその場にいて、「フル・メークな上にベルベットのニッカーにダーンドルのジャンパー、フリルのブラウス、エナメルのシューズという、ブロードウェイのショーかサウンド・オブ・ミュージックのような」服を着ていたという。

「エルヴィス・プレスリーが亡くなった時と言われていることは同じね。ものすごい出世よ」

18歳になったパリスはこのような冗談を言っている。ローリング・ストーン誌より初となるロング・インタビューを受け、彼女は間違いを正した。曰く、父親が50歳で亡くなるまで、彼女はすばらしい子供時代を過ごしていた。その後、薬物で苦しみ自殺を図ったりしたが、今ではとても幸せで、クリーンで、そして同誌が言うところの、「巨万の富(段階的に支給されるマイケル・ジャクソン・トラストは10億ドル以上の価値)の相続人」である。

IRS(国税当局)の動きによってはその数字が変わる可能性がある。IRSの弁護士らは遺言執行人らを提訴しており、ロサンゼルスの連邦租税裁判所で今月から審理が始まることになっている。罰金と追徴課税7億200万ドルを遺産から支払うべきであると立証することがIRS側の意図だ。この裁判の最重要ポイントは、ジャクソンの名前と肖像、つまり、コーヒーカップや野球帽などあらゆるものに彼の顔写真を使う権利の価値である。相続税の申告は亡くなった時点での故人の資産の総額であるべきとされ、カリフォルニア州法では名称や肖像も含まれる。IRSは、ジャクソンには4億3400万ドルの価値があったはずであると主張している。エステート側は、2105ドルに過ぎないと主張し、数々のストーリー(漂白した、整形手術に固執していた、処方薬を乱用していた、奇妙な育児(公の場では黒いベールやスパイダーマンのマスクをかぶせていた等)、ネバーランドを訪れた幼児に性的虐待を加えていたなど)によって、彼のイメージにはほとんど価値がない状態であったとしている。

著名人の資産を管理する弁護士らは本裁判に注目している。プリンス、デヴィッド・ボウイ、レナード・コーエン、マール・ハガード、モハメド・アリ、デビー・レイノルズとその娘キャリー・フィッシャー。2016年はアイコンたちの死去が続いた記録的な年だ。12月のフィッシャーの死去の際には、ウォルト・ディズニーが今後のスター・ウォーズの映画における彼女のデジタル肖像の使用に向けた契約締結を急いでいるという報道がなされた(ディズニーは否定)。コンピュータで生成したイメージと声を用いて蘇らせる技術などの利益を生むための新たな道筋をテクノロジーとソーシャル・メディアが切り開いたことで、亡くなったスターの肖像や名称の価値が上がったと税務調査官が見ていることをジャクソンの裁判は示唆している。

マイケル・ジャクソンの資産の現在の財務状況に主に貢献しているのは必ずしもマイケル・ジャクソンではない。66歳になるロサンゼルスのショービジネス専門弁護士ジョン・ブランカ(ジフレン=ブリテナム法律事務所)は過去37年の多くをマイケル・ジャクソンのレコード契約を手がけ、衝動的行動から彼を守ろうと努めてきた。ジャクソンの死後、ブランカとジョン・マクレーン(音楽業界の重鎮であり、控えめなジャクソンの元側近。この手のインタビューには応じていない)は、遺言執行人に指名された。これにより、遺言で指名されている相続人-プリンス、パリス、ブランケットと母親のキャサリン・ジャクソン(3人の子供たちの後見人に指名)-のために収入を得ることに対してブランカとマクレーンが責任を負うこととなった。

「マイケルは私によくこう言っていました。『君と僕、ブランカ、僕たちはビジネスの手本となるんだ。僕たちはキングになるんだよ』と」とブランカは言う。7月初旬、ビバリーヒルズの高台の高級住宅街にある自宅の豪華な家具が置かれたリビングで彼はくつろいでいた。彼は歳をとったロックスターのような風貌で、カレンダーに抵抗しているかのようだった。スリムな彼はブラウンの髪をたたえ、黒いポロシャツとパンツをおしゃれに着こなし、足元は高そうな黒の革製スニーカーだ。2度の離婚歴のあるブランカは、32歳のモデル、ジェナ・ハートと婚約している。彼女は少し顔を出したが、フィアンセより目立ってはいけないとすぐに奥へ引っ込んだ。これまでのクライアントの署名入り写真が壁を覆っている。モータウン・レコードのトップだったベリー・ゴーディ、イーグルスのドン・ヘンリー、ビーチボーイズのブライアン・ウィルソン、そしてもちろんジャクソンだ。最初の妻リサ・マリー・プレスリーと幸せそうにポーズをとっている。ブランカは、自分がこの二人を引き合わせたのだとカジュアルに明かした。

ブランカが陽気な性格でなければ、単なる自画自賛に映るかもしれない。彼はニューヨーク州マウントバーノンで育った。オールスターに3度出場した元ブルックリン・ドジャースのピッチャー、故ラルフ・ブランカの甥である。ブランカはスポーツが好きだったが(彼は熱心なベースボール・カードのコレクターだった)、音楽の方により興味があった。両親が離婚し、ダンサーだった母親と暮らすためロサンゼルスに移住した。ティーンエイジャーのころ、カリフォルニア州パロス・ヴェルデスの名門チャドウィック・スクールを放校処分となり、60年代のサンセット・ストリップでバンドに入りキーボードを弾いていた。そのバンドはドアーズの前座をしたこともある。

ブランカは音楽を学ぶためロサンゼルス・シティ・カレッジに入学した。彼はハーモニーではA評価だったが、仲間の学生との演奏では自分とのレベルの違いを感じていた。その中には後のソウル・ジャズの巨匠ピアニスト、レス・マッカンがいた。「僕はあたりを見回して言いましたよ、『馬鹿げている、僕は場違いだ』って」とブランカは振り返る。そこで彼は1975年にUCLAで法律の学位を取得し、ショービジネス専門弁護士の故デビッド・ブラウンのもとで仕事を得た。クライアントにボブ・ディランやニール・ダイアモンド、元ビートルズのジョージ・ハリスンらを抱えていたブラウンの仕事は順調で、あくせくする必要はなかった。ある日、ビーチボーイズたちがオフィスへやって来た。「デビッドは誰が誰だか知らないし気にもしていなかった」とブランカは言う。「だから彼はミーティングに僕を出席させたんです。当時27歳でした。突然、ビーチボーイズの弁護士になったのです」。

「結婚式でのバブルスと元妻やその他の人が写った面白い写真は僕が撮ったんです」

偶然にも、ビーチボーイズの会計士はジャクソンの税金についても扱っていた。1980年、その会計士はブラウンとブランカを、当時急上昇中だったジャクソンに引き合わせた。当時ジャクソンは21歳。暴君的な父親にして最初のマネージャーだったジョセフ・ジャクソンから離れようとしているところだった。ブランカはジャクソンがいい意味で変わっていると思った。「彼はサングラスをしていましたが、それをずり下げ、『知り合いだったかな?』と言いました。私は、『会ったことはないと思いますが、あなたと知り合いになるのは楽しみです』と答えました。『僕たちは知り合いじゃないって本当かい?』、『マイケル、会っていたら忘れませんよ』っていう感じです」。次の日、ブランカはその会計士から電話を受けた。ジャクソンはブランカを代理人として雇ったのである。

ブランカが最初にやったのは、所属レーベルであるエピック・レコードとの彼が言うところの"馬鹿げた"契約の再交渉であった。当時ディランなどの限られたアーティストのみが享受していた印税率を勝ち取ったのである。"Thriller"発表に向けて準備をしているころ、ジャクソンはタイトル曲"Thriller"のビデオの予算に120万ドルを要求した。ブランカは反対した・・・ミュージック・ビデオの制作費は5万ドルが相場のころだ・・・しかし、ジャクソンは「そんなことはどうでもいい。何とかしてくれないか」と素っ気なかった。ブランカはテレビ局のショウタイムとMTVに、ビデオ"Thriller"のメイキング映画を名目に60万ドルを提供するよう説得した。そして家庭用ビデオの権利に40万ドルという条件でもう一社を説得した。完成した13分の映画には、近くの墓場から這い出した死者の群れが登場し、ゾンビとなったジャクソンとともにダンスを披露した。当時エホバの証人の信者だったジャクソンは、冒涜的なので破棄するべきだと思ったが、ブランカが一計を案じた。彼はジャクソンにこう言ったのだ。1931年製作の古典映画「魔人ドラキュラ」の主演ベラ・ルゴシは信心深い人であったため、劇場公開時に製作者らに但し書きを差し込ませた。曰く、彼自身の見解を反映したものではない、と。「あれは完全なウソでした」とブランカは笑って言った。ジャクソンは但し書きを付け加えた。そして大人気となったこのビデオはアルバムセールスを世界で1億枚にまで押し上げたのである。現在もなお最高売り上げの記録を保持している。

1984年、ブランカは、オーストラリアの企業買収家ロバート・ホームズ・ア・コートがATVミュージックという会社を売りに出していることを知る。"Yesterday"や"Revolution"、"The Long and Winding Road"、"Hey Jude"といったビートルズの200曲以上の権利を保有している会社である。興奮したジャクソンはATVが手に入るならいくらかかってもいいとブランカに言った。「僕のカタログだ!」と彼はメモに書いている。だが、ジャクソンとブランカによる4750万ドルのオファーは、5000万ドルを提示した二人のニューヨーカー、マーティ・バンディアとチャールズ・コッペルマンに敗れてしまう。

バンディアはコッペルマンとともにホームズ・ア・コートに会うためにロンドンへコンコルドで飛んだときのことを覚えている。「私たちは取引は終わったと考えていました」と彼は言う。彼はブランカが同じ飛行機に乗っていたことには気づいていたが、特に何とも思わなかった。現地に着くと、ホームズ・ア・コートはジャクソンの弁護士のオファーを受け入れたと言った。ブランカはホームズ・ア・コートの娘、ペニー(Penny)に対し、ビートルズの名曲Penny Laneの権利を残す、と申し出ていたのだ。さらに、ホームズ・ア・コートが肩入れしている慈善団体が開催するパースでのイベントに1時間ジャクソンが出演することにブランカは同意した。「がっかりでしたよ」とバンディアは振り返っている。ブランカはこのカタログの中の映画音楽を600万ドルで売却したので実質価格は4150万ドルであった。ジャクソンはカタログ購入のために3000万ドルを借り入れたため、後に窮地で彼を救うことになるこのカタログをたったの1150万ドルの現金で入手したことになる。ジャクソンはブランカの苦労に対し、ロールスロイスを贈って報いた。

その2へつづく)

エステートの代理人、ハワード・ワイツマンおよびジア・モダバーよりの声明

クインシー・ジョーンズがマイケル・ジャクソン・エステートに要求した額の2/3、2100万ドルについては陪審員は棄却したものの、私たちは、契約上受け取る権利のない数百万ドルを彼に支払うことは間違っていると今でも信じています。これでは、ミスター・ジョーンズが30年間受け入れてきた、「contract, montract」などと言って彼自身も読んでいないことを認めた契約書に記載されている法律用語の解釈を変え、事実上の書き換えとなってしまいます。彼は陪審員に向かって、契約書には「関心がない」と語っていたのです。契約書に書かれた金額以上はどのような額であろうと過剰であり、マイケルの相続人らにとってはアンフェアなことです。ミスター・ジョーンズは今回の件について、アーティストの権利の勝利だと評していますが、本当のアーティストはマイケル・ジャクソンであり、ミスター・ジョーンズが求めているのは彼のお金なのです。

■ Statement from Howard Weitzman and Zia Modabber, attorneys for The Estate of Michael Jackson:

While the jury denied Quincy Jones $21 million - or more than two-thirds of what he demanded -- from The Estate of Michael Jackson, we still believe that giving him millions of dollars that he has no right to receive under his contracts is wrong. This would reinterpret the legal language in, and effectively rewrite, contracts that Mr. Jones lived under for more than three decades, admitted he never read, referred to as "contract, montract," and told the jurors he didn't "give a damn" about. Any amount above and beyond what is called for in his contracts is too much and unfair to Michael's heirs. Although Mr. Jones is portraying this is a victory for artists' rights, the real artist is Michael Jackson and it is his money Mr. Jones is seeking.

Source: MJOnline, The Official Team Of The Michael Jackson Estate™ / MJJFANCLUB.JP

エステートvsクインシー・ジョーンズ:エステート弁護士に訊く 裁判の展望

長年の友人にしてコラボレーターであるクインシー・ジョーンズが数百万ドルの訴訟を自分に対して起こしていると知ったら、「マイケルは墓の中でひっくり返っているだろう」とハワード・ワイツマン弁護士は語った。ワイツマンの弁護団は本裁判においてエステートの代理人である。

月曜日にロサンゼルス上級裁判所へ出廷する準備の合間に、ワイツマンとジア・モダバーがビルボードの独占インタビューに応じた。最終弁論では、ジョーンズがロイヤリティとして求めている追加の3000万ドルについて、彼には受け取る資格がないということを陪審員に納得させなければならない。本裁判では、84歳の伝説のプロデューサーと、8年前に専属医から混合薬物を致死量投与されて亡くなったキング・オブ・ポップの遺言執行人が争っている。

先週法廷で証言したジョーンズは、アルバム「Off The Wall」、「Thriller」、「Bad」、そして映画「This Is It」その他のプロジェクトからロイヤリティを受け取る権利があるとの主張を繰り返した。裁判中になされた証言によれば、ジョーンズはジャクソンの死後、すでにおよそ1800万ドルのロイヤリティを受け取っている。ジョーンズの弁護団はコメントを求められても答えなかった。

しかし、ジョーンズにはレコードの売り上げの分け前を受け取る資格があることを証明しようと3週間にわたり陪審員に示された証拠、証言、ロイヤリティに関する細かな議論ののち、ワイツマンは、ジョーンズの不満の一番の理由は、映画「This Is It」のクレジットから彼の名前がはずされていたということだと考えていると述べた。エステートはそれが手違いであることを認め、ジョーンズは謝罪を受け入れたという。

ワイツマンとモダバーは裁判の現在の状況と月曜日の最終弁論の見通しについて語った。そして「面白いこと」になると彼らは約束した。

現時点までで裁判についてどう考えていますか?
ワイツマン:私たちにとってはこの裁判はシンプルな契約違反の案件です。ミスター・ジョーンズは受け取る資格のないお金を受け取ろうとしています。彼は、彼のマスター音源が使用されるたびに報酬を受けています。彼はすべての彼のレコーディングに対して報酬を受けています。彼はさらに報酬をと求めていますが、私たちはその資格はないと考えています。彼は契約書の文言を気にしたことはないと証言しました。本裁判はマイケルの死後4年経って起こされました。証言からは、彼(ジョーンズ)は映画「This Is It」で功績を認められていないと怒っている様子が伺えます。

映画「This Is It」でジョーンズがクレジットされなかったのはなぜですか?
ワイツマン:あれはミスでした、率直に言って。彼はあの映画については関わっていませんが、間違いなく、彼は70年代後半から80年代半ばにかけての「Off The Wall」、「Thriller」、「Bad」のマスター音源をプロデュースしました。そしてこれらの音源について、彼はプロデューサーとしてクレジットされる資格があります。そう、彼はクレジットされるべきだった。しかし、それがどうして、マイケルの死後4年経って、そして「This Is It」がリリースされた後に訴訟を起こすことになるのか私にはよくわかりません。彼は契約書の文言に関心がないこと、1991年のマイケルのソニーとのジョイント・ベンチャーに加わるべきだったということを示唆しています。

モダバー:映画「This Is It」は(マイケルの)リハーサル映像で、公にするつもりはありませんでした。ボーカルやオーディオはパーフェクトではありませんでした。それらのマスター音源はマイケルのものです。そして彼所有のそれらの音源が頼りであり、映画でのサウンドをよりよいものとするため、こまごまと編集されたのです。

ワイツマン:そしてクインシーはこれについても報酬を受け取っています。

モダバー:彼はそれまでと全く同じ手順で報酬を受け取っています。映画の中でプロデューサーが作ったマスターが使用される場合に通常適用されるものと全く同じ手順です。彼は映画の中で使われているマイケルが作ったマスターについても報酬を受け取っています。40万ドルか50万ドルくらいです。ですが、彼(ジョーンズ)は裁判の中で、エステートが9000万ドルを生み出したということを知りました。彼はエステートがこれらの大金を生み出したことに腹を立てたのだと私たちは考えています。そして彼と弁護士は理解する能力がないように見えます。つまり、あの映画へのこれらのマスター音源の貢献度は、映画全体のごく一部なのです。

ワイツマン:私たち(エステート)がすべきことは、残された資産を活用することです。「This Is It」についてはとてもラッキーでしたが、誰がそのようなこと予想できますか?でもあれは音楽についての映画じゃない。マイケルの映画なのです。あのマスター音源の断片を聴きに映画館へ足を運んでチケットを買う人なんていませんよ。

モダバー:一歩下がって、「This Is It」の収益に対するマスター音源の貢献度を考えてみましょう。映画の中のマスター音源に対しては400万ドルあまり支払ったという証言がありました。クインシー・ジョーンズはこれらのマスター音源のすべてのプロデューサーではありません。2/3のプロデューサーです。彼はプロデューサーとしての取り分を受け取っていますが、比率に応じた分であり、全てではありません。そのお金はマスター音源の持ち主とソニーのところへ行きます。ソニー・ミュージックは配給元です。それは、断片集をプロデュースする一人のプロデューサーに対するトラック1台分のお金なのです。マスター使用料として支払われる額としては、おそらく映画史上最高額です。

ジョーンズはお金をいくらかでも受け取る資格があると思いますか?
ワイツマン:クインシー・ジョーンズにはプロデューサー料を名目としてレコード会社を直接監査する権利があり、彼は数十年間そうしてきており、そしてうまくいっていたのです。監査プロセスは今回の裁判の前に開始されており、レコード会社は、40万ドル足らずの支払い不足分があると計算しました。実際の社会では、レコード会社が「我々にミスがあった」と言ってそれが40万ドルであったら、おそらく、それに色をつけて手を打つでしょう。50万ドルでも60万ドルでも70万ドルでもそうなるでしょう。我々は陪審員に対し、こうしたミスがあって彼には支払われるべきお金があることを伝えました。数え切れない数のレコードを数え切れない手段で数え切れないくらいの異なる場所で売って来た人物です。そしてミスが起こりました。これはレコード・ビジネスですが、そのことについて争う人はいませんよ。(音楽専門弁護士の)ジョン(・ブランカ)は、彼に200万か300万ドルを提示するようハワードに言った、と証言しました。レコード会社の調査で明らかとなった彼に対する未払い金の5倍です。そしてそれでも十分ではなかったのです。

マイケルが亡くなってからエステートはどれだけ稼いだのですか?
ワイツマン:何億ドル、です。
モダバー:すべての負債を支払ってさらに、です。

彼の子供たちはそこから恩恵を受けているのですか?
ワイツマン:子供たちは唯一の受取人です。

今回の裁判を一族はどう捉えているのですか?
一族はこの裁判に関わっていません。なぜなら、一族は相続人ではないからです。ミセス・ジャクソンの世話をするのはエステートの責任ではありますし、そうしていますけれど。子供たちはミスター・ジョーンズのことをよく知りません。子供たちは驚いていますけど、関わってはいません。子供たちと彼は関係ありませんから。「This Is It」が作られた時はまだ幼すぎましたしね。

ジョーンズが大金を受け取るということになった場合、どうされますか?
ワイツマン:もしゼロなら、弁護士費用を払わなければならないということと、腹立たしさと不安に耐えなければならない、ということだけですが、彼が大金を受け取るということになれば、裁判後のプロセスというものがあり、我々はそれを十分に活用するでしょう。そして将来、もし減額されなければ、彼は受け取ることになるでしょう。

今回の裁判の法的費用はどの程度ですか?
モダバー:多額です。両者ともに。高額な裁判です。

マイケル・ジャクソンはどのように記憶されてほしいと思いますか?
ワイツマン:史上最も偉大な音楽のエンタテイナーとして歴史に残ってほしいと思っています。
モダバー:それに尽きますね。

最終弁論に向けてどのような準備をしていますか?
ワイツマン:それはお話したくありません・・・少しばかり意外なことを考えています。ジアと私は最終弁論を分けるつもりですが、これだけは言わせてください。面白いものになりますよ。

■Michael Jackson Estate Lawyers on What to Expect as Quincy Jones Trial Closes: Exclusive

If Michael Jackson could see that his longtime friend and collaborator Quincy Jones was suing him in court for millions of dollars, “Michael would be rolling over in his grave,” says entertainment attorney Howard Weitzman, whose team is representing the Jackson estate in the case.

Weitzman, along with attorney Zia Modabber, spoke with Billboard exclusively as they prepared to head to Los Angeles Superior Court on Monday to convince a jury in their closing arguments that Jones is not entitled to receive the additional $30 million he is seeking in royalties. The case pits the legendary 84-year-old producer against the estate of the King of Pop, who died eight years ago after his doctor administered a fatal cocktail of medications.

Jones, who testified in court last week, maintains that he’s owed the royalties for the use of the songs from Off the Wall, Thriller, Bad and the film This Is It, among other projects. Jones has already received about $18 million in royalties since Jackson’s death, according to testimony given during the trial; his legal team did not respond to a request for comment.

But after nearly three weeks presenting a jury with evidence, testimony, music and line-by-line royalty summaries in an effort to prove that Jones is only entitled to a share of record sales, Weitzman says that he believes that the primary reason Jones is unhappy is because his name was left out of the credits for the film This Is It. The estate acknowledged that the omission was an error and said Jones received an apology.

Weitzman and Modabber spoke to Billboard about the trial so far and what to expect from their closing argument Monday, which they promise will be “entertaining.”

What are your thoughts about the trial up to this point?
Weitzman: For us this case is kind of a simple breach-of-contract case, and Mr. Jones wants money that he's not entitled to. He's been paid every time his masters have been used. He's been paid his fees for all the recordings and he wants additional money, and we don't think he's entitled to it. He has testified that he doesn't care what the contract says. This case was filed four years after Michael died. It appears from the testimony that he [Jones] became upset because he did not get proper credit in the film This Is It.

Why didn't Jones get credit for the film This Is It?
Weitzman: We made a mistake, to be that blunt. He wasn't involved in anything about the movie. Obviously he produced the masters in the late '70s and through the mid '80s on those three albums, Off The Wall, Thriller and Bad, and he's certainly entitled to credit as a producer on those masters. Yes, he should have gotten the credit, but I'm not sure how that gets you on a platform to jump off and file a lawsuit four years after Michael died and after This Is It was released. He basically suggested that he didn't care what the contract says and that he should [be part of] Michael's 1991 joint venture with Sony.

Modabber: The movie This Is It was rehearsal footage [from Michael] that was never intended to be publicized. The vocals and the audio weren't perfect. Michael owned these master recordings and so they went to those recordings that he owned, and they were edited in bits and pieces in the movie to make it sound better.
Weitzman: And Quincy got paid his fees on that.

Modabber: He got paid his fees using the exact same formula that is always used when masters that a producer produces are used in a movie. He got paid for Michael's masters being in the movie, something like $400,000 or $500,000, but he [Jones] has learned through this lawsuit that the estate has made something like $90 million and we think he's really upset that the estate made all this money, and he and his lawyers don't seem to have the ability to comprehend that the contributions of those masters for that movie is really a tiny little piece of what it was.

Weitzman: What we [the estate] are supposed to do is exploit the assets post death, and we got pretty lucky with This Is It and who knew? But it wasn't about the music. It was about Michael. Nobody would be buying tickets to the theater to listen to snippets of the masters.

Modabber: Take a step back and think about how much of that money is attributable to the snippets of the masters. The testimony came in that they paid a little over $4 million for all the masters in the movie. Quincy Jones is not the producer on all the masters. He's the producer on two-thirds of the masters. He gets his producer's share, which is a fraction. He doesn't get all that money. The money goes to the owner of the masters and Sony. Sony Music is the distributor. That is a truckload of money for one producer to make for snippets. It's the most amount of money that has ever been paid for master-use fees, maybe in the history of movies.

Do you believe that Jones deserves to receive some money?
Weitzman: Quincy Jones had the right to audit the record company directly for his producer royalties and he has done that for decades and it's always been worked out. That audit process was started before this lawsuit was started and the record company has calculated that Quincy has been underpaid by just under $400,000. In the real world when a record company says, "Okay we found these mistakes," and it's $400,000, it probably settles for a little bit more than that. Maybe it settles for $500,000 or $600,000 or $700,000. We told the jury that mistakes were made and he's owed some money. You've got a guy with a zillion different records sold in a zillion different ways in a zillion different places. Mistakes were made. It's the record business, but nobody is fighting about that. [Music attorney] John [Branca] testified that he told Howard to go offer him $2 or $3 million, five times what the record company found that he was owed by these mistakes and that was not good enough.

How much has the estate made since Michael's death?
Weitzman: It's been hundreds of millions of dollars.
Modabber: On top of paying all of the debt.

His children benefit from that?
Weitzman: They are the only beneficiaries.

How is the family dealing with this case?
The family is not involved because they are not beneficiaries although part of the estate's responsibility is to take care of Mrs. Jackson for her life, which we do. The children don't really know Mr. Jones and they are just aghast but they are not really involved because they didn't deal with him, and they were young when the This Is It film was made.

What are your plans if Jones receives a significant amount of money?
Weitzman: If it's zero the only impact is that we had to spend money for the lawyers to defend the case and go through the aggravation and anxiety. If he gets [major] money obviously there is a process post-trial, and we'll take advantage of all that, and sometime in the future if there is no relief there, then he'll get paid.

What are the legal costs for this case?
Modabber: A lot. These are on both sides. It's an expensive case.

How do you want Michael Jackson to be remembered?
Weitzman: I want him to continue to be remembered as one of the great musical entertainers of all time.
Modabber: That sums it up.

How are you preparing for the closing arguments?
Weitzman: We don't want to share that ... we would like a little element of surprise. Zia and I are going to split up the argument, but let me say this: It will be entertaining.

Source: MJOnline, The Official Online Team of The Michael Jackson™ / billboard.com / MJJFANCLUB.JP

エステートvsクインシー・ジョーンズ:"CONTRACT MONTRACT"

マイケル・ジャクソン・エステートに対し、契約違反として3000万ドルを支払うよう求めて訴訟中のクインシー・ジョーンズによる7/20の証言は大々的に報じられた。しかしエステートの弁護団は、ジョーンズの証言が始まる以前の数週間の報道はわずかであったと指摘している。彼らによれば、裁判は契約に基づいておらず、事実無根の説明がなされているという・・・ジョーンズはエステートの成功について大きな取り分があるはずであるという感情的なアピールを絡めて。

エステート(ジフレン・ブリテナム法律事務所のジョン・ブランカとジョン・マクレーンが筆頭)は、マイケル・ジャクソンが2009年の死去時に残していた5億ドルの負債を大きな利益へと転換し、ジャクソンの相続人らにとっての巨大な富の基盤を生み出した。

複数の観測筋によると、ジョーンズは、その富について契約で取り決められた取り分よりも多くを得る資格があると考えており、おそらくは金銭欲というよりも偉大な貢献をしたという主張が背景にあるという。「私はマイケルを訴えているのではありません。あなたたち(エステート)を訴えているんです」とジョーンズは証言台で語った。

ジョーンズはジャクソンのプロジェクトで1億ドルは得ており、彼の死後に限ると1900万ドルである。彼がこれ以上受け取ると陪審員に認定された場合、その分はジャクソンの子供たちの取り分から回されることになる。

「(エステートによって)もたらされたものはマイケルの子供たちにとって奇跡に他なりません」とエステートの弁護士ハワード・ワイツマンは主張する。「そして突然思いがけないところから思いもよらぬ人物がこの訴えを起こしているのです」。

証言の間、ジョーンズ(「Off The Wall」、「Thriller」ではプロデューサー、「Bad」ではジャクソンとの共同プロデューサー)は、ジャクソンのアルバムに対する自分の貢献を強調した。しかしながら、自らサインした契約書のある条項に話が移った際、ジョーンズは否定的な語調となった。「合意事項が何を言っているのか気にしていませんでした」と彼は述べた。別のある点については、「contract, montract」と述べた。ワイツマンとのやりとりで、ジョーンズはそのほかにも契約用語の重要性を軽く見るような発言を行った(そして契約書を読んでいないと認めている)。

「クインシーの訴訟は契約違反(を訴えている)、一方で彼は契約書が問題ではないと言っている。興味深い論理だ」とブランカは指摘した。

ジャクソン側としてもジョーンズの創造面での貢献を低く見ているものは誰もいない。「彼は今も昔も優秀なプロデューサーです」とブランカは言う。「クインシーを見損なっている者などだれもいません」とワイツマンが続く。「彼はプロデューサーとして誰よりも優秀ですが、マイケルが彼のレベルを引き上げたという側面があることも真なりです。そして彼は、控え目に言っても極めて成功したのです」。

ジョーンズは30年以上の間、変わらぬ処遇を変わらぬ人々から受けてきた・・・すなわちブランカだ。その間、ジョーンズの代理人はドン・パスマンであった。「ドンはその30年間、今回の裁判で主張されているようなことは何一つ言っていませんでした」とブランカは述べている。「唯一変わったことは、彼の法律チームが変わったということです」。ブランカによれば、ジョーンズの法律チームは「多くののことをでっち上げ、陪審員の前に提示しました。混乱させ、まごつかせることを願って」。

ジョーンズはテキサスの弁護士マイク・マックールを雇った。彼の法律チームが新たな多くの主張を行っている。ジョーンズはダウンロード楽曲についても報酬が支払われる資格がある、それは販売というよりはライセンスである、というのが一つ。ドキュメンタリー「This Is It」やジャクソンをテーマとしたシルク・ドゥ・ソレイユのショーについては、これはマスター使用のライセンスというよりはビデオ製作だからジョーンズが製作に関わるべきである、というのが一つ。さらに、彼の契約中の基準となる条項(新たに企画されたアルバムのための「再編集」にはジョーンズがまず対応するという権利を彼に与えている)は、曲の一切の再編集を行う永遠の独占的権利であると解釈されるべきだ、というものもある。

エステートはこれらの主張に異を唱えるための専門家証人として、音楽業界の契約の専門家、アイスナー・ヤッフェ事務所のオーウェン・スローンを呼んだ。スローンは、たとえばチケットのロイヤリティに対する要求は「理不尽」かつ「不合理」であると評した。

ジャクソンがジョーンズに対し、契約でない、謝礼金のような形で支払っていた、そしてエステートはこの慣習を守ってきたということも併せて記しておくべきだろう。「厳密に解釈すれば、彼はレコードの売り上げやダウンロードに基づいて報酬を受けることになっています」とブランカは指摘する。「とは言うものの、エステートは支払ってきました。80年代以来の私の、そしてもちろんマイケルの指示によるものです。契約にそういう条項があるかのように」。

「マイケルがどう思うと思いますか?彼が事の次第を知ったら」とワイツマンは考え込んだ。ワイツマンによる最終弁論は7・24である。

■"CONTRACT MONTRACT"
Quincy Jones, who is suing the Estate of Michael Jackson for $30m for alleged breach of contract, earned major press coverage with his testimony on 7/20. But Jackson’s team points out that the trial had been going on for weeks, with minimal press, prior to Jones taking the stand. They say the case is not based so much on standing contracts as unfounded interpretations—coupled with an emotional appeal that Jones should have a greater share of the Estate’s success.

The Estate team, led by Ziffren Brittenham’s John Branca and John McClain, has transformed the $500m in debt the singer left after his 2009 death into big profits, thanks to a series of innovative record, film, stage and other projects, creating a huge base of wealth for Jackson’s progeny.

Jones, some observers say, feels entitled to a greater share of that pool of money than his contracts stipulate, perhaps motivated by a claim to greater credit more than greed. “I’m not suing, Michael,” he said on the stand. “I’m suing you all [the Estate team].”

Jones has earned some $100m overall on Jackson projects and $19m just since the artist’s death. Any monies he might be awarded by the jury in this case would come out of the Jackson children’s share.

“What’s happened [with the Estate] is nothing short of a miracle for Michael’s kids,” insists MJ Estate attorney Howard Weitzman of Kinsella Weitzman Iser Kump & Aldisert. “And all of a sudden, out of left field, a guy you would never expect this from makes these claims.”

During his time on the stand, Jones—the producer of Off the Wall and Thriller and co-producer (with Jackson) of Bad—underlined his contributions to Jackson’s albums. When pressed on the points of the deals he’d signed, however, Jones was dismissive. “I don’t care what the agreement says,” he said at one point; at another, “contract, montract.” He made several other remarks minimizing the importance of contractual language (and admissions that he hadn’t read his contracts) throughout his exchange with Weitzman.

“Quincy’s lawsuit [alleges] breach of contract and yet he says the contract doesn’t matter,” notes Branca. “An interesting theory.”

No one on the Jackson team underestimates Jones’ creative contribution. “He is and was a phenomenal producer,” says Branca. “Nobody is trying to take anything away from Quincy,” adds Weitzman. “He is as good as anyone who ever was as a producer. But it’s fair to say that Michael took him to another level too. And he’s done quite well, to say the least.”

Jones has been compensated in the same way—and by the same people, namely Branca—for more than 30 years. During that same period, the producer was repped by Don Passman. “Don never made any of the major claims that are being advanced in this case in 30 years,” Branca relates. “The only thing that’s changed is Quincy’s legal team.” That team, he says, has “trumped up a bunch of stuff and thrown it in front of the jury in the hopes of them getting confused and something sticking.”

“Quincy’s lawsuit [alleges] breach of contract and yet he says the contract doesn’t matter,” notes Branca. “An interesting theory.”

Jones has hired Texas contingency lawyer Mike McKool of McKool Smith, whose new legal team is making a number of fresh claims. One is that the producer is entitled to be paid on song downloads as though they are a license rather than a sale; another is he should participate in productions like the documentary film This Is It and Cirque du Soleil’s Jackson-themed shows as though they were videos, rather than master use licenses; and still another is that a standard clause in his deal that gave Jones first crack at requested “re-edits” from newly submitted albums should now be construed as the exclusive right to do any reworkings of the tracks, in perpetuity.

The Estate called music-biz contract specialist Owen Sloane of Eisner Jaffe as an expert witness to dispute these claims. Sloane described the demand for ticket royalties, for example, as “outrageous” and “absurd.”

It should also be noted that Jackson paid Jones monies not owed contractually as a sort of honorarium, and that the Estate has maintained this tradition. “Technically he only gets paid on the sale or download of records,” Branca points out. “Nevertheless, we have paid him, at my instruction—and, of course, Michael’s, since the ’80s—as if he had a clause in the contract.”

“What do you imagine Michael Jackson would think,” muses Weitzman, who gives his final argument to the jury today (7/24), “if he knew what was going on?”

Source: MJOnline, The Official Online Team of The Michael Jackson™ / hitsdailydouble.com / MJJFANCLUB.JP
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